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異世界でも動画配信者  作者: ワクルス
レッツゴー異世界
23/24

初心者用ダンジョン攻略してみた8

フォレストプリンスが燃え上がる。


フォレストプリンスは自身の燃えてる根っこで森を薙ぎ払う。

そして、倒した木に引火させ俺達に向かって投げる。


ミュールとイスタはそれを蹴飛ばす。


俺ははぁはぁと呼吸を荒らげる。


「呼吸がしずらいな」

「こうも火が回るとね。ミュール、大丈夫?」

「ん、大丈夫」


すぐに決着つけないとな。


フォレストプリンスはそもそもが木だから本来は火に弱い。

今も苦しみながら燃えてるはずだ。

だったら……


俺はスクリーンを見ながら詠唱し、風魔法を放つ。


「もっと燃やす」


フォレストプリンスはさらに燃え上がる。


煙が遠ざかり呼吸が楽になる。


でも、これじゃ決定打にはならない。


どうする?


「核の場所もまだ分かってないし我慢比べって感じになっちゃうね。流石にここまで再生してれば魔力尽きるだろうし」


フォレストプリンスはボロっと削れた木片部分の再生ができずにいた。

イスタはまだまだ余裕そうに息を整える。


2人は大丈夫だろうが、俺がやばい。


息が全然整わない。

運動不足だからってだけなんだけどさ。


俺は口を手で抑えながら呼吸する。


次の一手で決めないとこんな悪い空気で呼吸してたら死ぬ。


俺が思考を巡らせているとフォレストプリンスに向かって風が起きる。

フォレストプリンスを見てると息を吸ってるようだ。


さっきの炎ブレス攻撃か。


俺はすぐさま魔導書を撮った動画の時間を進める。


「2人とも、俺の後ろに」


2人は俺の後ろに立つ。


俺は魔力を圧縮する。


「神よ、目の前の敵に溢れんばかりの杯を交わさせたまえ」


体中の魔力がジャブジャブと湧き出る水のようになる。


「ヴォォォォォォ!」


フォレストプリンスは口を開けて炎を吐く。

炎は空気すらも焼き付くさん勢いで迫ってくる。

俺は水魔法を勢いよく放ち、水の壁を作る。


ジューー


水が蒸発する音が響く。

蒸発した水は俺達の方に向かって膨張し熱い空気が走る。


蒸発?

……そうだ。

あの時もこんなんだったじゃん。


BBQ動画の後始末で炭を片付けようと水をかけたらめちゃくちゃ勢いよく蒸発して火傷しかけたじゃん。


アイツは今真っ黒で炭みたいになってる。

それなら……


「2人とも、この炎ブレスが終わったら俺のために道を作ってくれ。俺の足遅いから大変かもだけど。近づけたらあとは任せろ」

「ユウヤが何考えてるか分かんないけど信じてるよ」

「気ぃつけや」

「ん」


フォレストプリンスの炎ブレスが終わる。


「いくぞ」


俺の合図と共に2人は走り出す。


2人速すぎ。


俺も一生懸命走る。


フォレストプリンスの根っこは2人に向かってむち打つ。


ムチのようにしなった根っこが俺にも襲いかかる。

イスタはその根っこをすぐさま切る。


それに安心してると俺の足を狙って根っこが来る。

それを見て焦った俺をミュールは抱えて上へ飛ぶ。


「こっちのが速い」


ミュールはそう言って俺を投げる構えをする。


え?


「いや、ちょ――」

「行けー!」


ミュールは俺をフォレストプリンスに向かって投げつける。

あまりの風圧に唇がめくり上がる。


「はえぇよ、バカァァァ!」


俺は泣き叫びながらフォレストプリンスに近づく。


コイツの周りめちゃくちゃ暑いな。

汗ダラダラだわ。


フォレストプリンスは口を開けて火を出そうとする。


もうこなりゃヤケだ。


魔力を圧縮。

そして、詠唱。


「神よ、目の前の敵に溢れんばかりの杯を交わさせたまえ」


俺はフォレストプリンスの口に向かって震える手をかざす。


「ほんと、やばかったぜ、お前」


俺はもう一個の手で手をかざしてる腕を掴む。


フォレストプリンスの口から熱波が漏れ出るが、俺の手から溢れ出た水がフォレストプリンスの口を満たす。


「水のあげすぎは注意ってな」


フォレストプリンスの体が膨張する。


ドカーン


フォレストプリンスは爆発を起こし、木っ端微塵になる。


「水蒸気爆発だ……てな」


爆風が俺を吹き飛ばす。


……


俺は空高く飛び上がる。


「助けてぇぇぇ!」


俺が叫ぶとミュールが跳び上がり俺を捕まえる。


「ん、危なかった」

「まじまじサンキュー」


俺はホッとひと安心する。


「やるやんけ、そんな魔法使えたんかいな」

「魔法じゃなくて科学だよ。純度20パーセント位のな」

「「?」」


ケンケンとミュールは謎を浮かべるが俺は気にせずに地面に降りる。


イスタは片腕を上げながら近づいてくる。

俺はイスタとハイタッチする。


「凄い魔法だね。これなら核探す必要ないし」

「今回だけだけどな」

「条件付きで発動する魔法ってこと?」

「まぁそんなもんだ」


俺も詳しくは知らないし。


森だった空間が小さくなって元のダンジョンの中の空間へ戻る。

そして、空からリンゴがたくさん落ちてくる。


落ちてきたリンゴが俺の頭を打つ。


「いてっ」

「締まらないねぇ」

「せっかく、かっこよく決めたのに」

「助けてぇーって叫んでたくせに?」


イスタ、それは言っちゃいけないお約束だ。


(最後の頭ええなぁ)

(あぁいうことするラノベって大体おもろいんよな)

(これラノベじゃねぇけどな)


視聴者さん達も盛り上がってくれて嬉しいもんだ。


俺は辺りを見渡す。


「さっきの空間魔法と自界って何が違うんだろう」

「自界は特殊効果あるからね」


初見じゃ絶対わからん。


「自界ってなに?」

「自分自身の世界を外に押し出す技らしい。魔力放出の苦手なお前でもできるみたいだぞ」

「ユウヤ、物知りやなぁ」


撮った動画に書かれてること音読しただけ。

まぁ、今出来ない技の話なんていいだろ。


「イスタ、あっちにドアあるし行こうぜ」


俺はドアの方に向かう。


「今日はここ入っておしまいかな。もし最奥じゃなかったら今度また準備してこよっか」

「ん」


魔力の圧縮技術をギリギリで習得できた。

これで、俺も2人にちょっとは近づけたかな。


(なんか異世界って魔法でドバーンしたり、魔力で体強化してズバーンするだけやと思ってたけど魔力技術とか歴史とかあるの聞いてホンマにこことは違う世界なんやって思うわ)

(確かに)

(ミュールやイスタの顔だけでファンになった人にはどうでもいい情報)


視聴者さん達は異世界について話し合う。


「異世界ってラノベとか読んだ時に自分の世界とは違うものって感じはするけど気にしたことなかったな。体感してみると結構違うって気づいたわ」

(本当に体感してるから言葉の重みが違いすぎて草)


この世界のこと、もうちょっと深く知りたくなってきた。


「あ、英智なる者さん、スーパーチャットありがとうございます。異世界の情報をまとめた動画出して、ですか。いいですね。すぐに作ってみます」


もっとこの世界のことを知るんだ。

動画を作るためにも。

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