表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/59

第二十四話

 ウラシュが指示を出した。次の都市でも、同じような光景が見られた。 


 儀式を行うと、みなオルスの所に来るようになり、様々なお願いをするようになっていった。


「病気を治してください」


「食料をください」


「光を、光を」


 ウラシュはその度に、適当な理由をつけ、オルスを馬車に乗せた。


 馬車の中、誰も話そうとしない。オルスは窓からの風景をじっと見ていた。ウラシュとテッドは、床を見ている。


「こりゃ、どうしたらいいのか」


「ここまで、信用されているのか。それほどまで、余裕がないんだな」


 次の都市。同じように儀式を行った。まともな食事をしていない。オルス達は、クタクタになっていた。だが同じように、市民達は集まってくる。


「おい、オルスは巡礼をしていて、クタクタだ。すぐに俺の館で休ませる。邪魔をするな!!」


 野太い大声が聞こえた。その方を見てみる。オルスに決闘を申し込んだ大男だった。


「ウラシュ様。オルスとお連れの者達。俺の館へ」


 その都市の兵士達が道を作ってくれた。館に入ると、全員、大きなため息をついた。


「やっと落ち着けるな」


「ウラシュ様。どうぞゆっくりしていってください。皆様の客室はご用意してあります」


「ありがとう」


 ここの館主が、深々と頭を下げる。みな、使用人の後についていく。


「オルス様のお部屋はここです」


「ありがとう」


 そこは、ベッドと机だけの簡素な部屋だった。それでも、安心感が出てくる。ロングソードを置き、鉄の鎧を脱いだ。


 疲れよりも、だるさが襲ってきた。脱いだと同時に、ベッドに座る。何度もため息をつく。寝転がる。頭が全く動かない。そのまま、深い眠りへと着いた。


「オルス様、夕食の準備ができました」


「……ありがとう」


 一階に下りる。他の者達はすでに座っていた。


「私たちは、別室で夕食をとります。皆様、何かありましたら、呼びつけてください」


 目の前には、パンにスープ。ステーキもあった。サラダも並んでいる。オルスは唾を飲み込んだ


「パンでしたら、おかわりが出来ますので」


「ありがとう。では、食べよう」


 ウラシュの合図で、食べ始めた。子供達は、我慢ができなかったのだろう。がっついている。


 ある程度食べ終えた時、ウラシュが口を開いた。


「なぜ、あの男はこんな事をしてくれたんだろうな」


 テッドが答えた。


「それなんですが。部屋を出た時、たまたま鉢合わせしまして。使用人達が、隣の都市で私たちの儀式を見ていたそうです。で、疲れている顔を見て、休ませようとしたらしいです」


「そうか。まあ、助かったな。あと二つか。国はどうなっている。それが問題だな」


 そこへ、館主がやって来た。


「すみません。ウラシュ様の伝令がここへやって来ました。なにやら、魔法で導かれたと」


「すぐに通してくれ」


「はい」


 そこに入ってきたのが、ボロボロになった伝令だった。


よければ評価、ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ