第二十四話
ウラシュが指示を出した。次の都市でも、同じような光景が見られた。
儀式を行うと、みなオルスの所に来るようになり、様々なお願いをするようになっていった。
「病気を治してください」
「食料をください」
「光を、光を」
ウラシュはその度に、適当な理由をつけ、オルスを馬車に乗せた。
馬車の中、誰も話そうとしない。オルスは窓からの風景をじっと見ていた。ウラシュとテッドは、床を見ている。
「こりゃ、どうしたらいいのか」
「ここまで、信用されているのか。それほどまで、余裕がないんだな」
次の都市。同じように儀式を行った。まともな食事をしていない。オルス達は、クタクタになっていた。だが同じように、市民達は集まってくる。
「おい、オルスは巡礼をしていて、クタクタだ。すぐに俺の館で休ませる。邪魔をするな!!」
野太い大声が聞こえた。その方を見てみる。オルスに決闘を申し込んだ大男だった。
「ウラシュ様。オルスとお連れの者達。俺の館へ」
その都市の兵士達が道を作ってくれた。館に入ると、全員、大きなため息をついた。
「やっと落ち着けるな」
「ウラシュ様。どうぞゆっくりしていってください。皆様の客室はご用意してあります」
「ありがとう」
ここの館主が、深々と頭を下げる。みな、使用人の後についていく。
「オルス様のお部屋はここです」
「ありがとう」
そこは、ベッドと机だけの簡素な部屋だった。それでも、安心感が出てくる。ロングソードを置き、鉄の鎧を脱いだ。
疲れよりも、だるさが襲ってきた。脱いだと同時に、ベッドに座る。何度もため息をつく。寝転がる。頭が全く動かない。そのまま、深い眠りへと着いた。
「オルス様、夕食の準備ができました」
「……ありがとう」
一階に下りる。他の者達はすでに座っていた。
「私たちは、別室で夕食をとります。皆様、何かありましたら、呼びつけてください」
目の前には、パンにスープ。ステーキもあった。サラダも並んでいる。オルスは唾を飲み込んだ
「パンでしたら、おかわりが出来ますので」
「ありがとう。では、食べよう」
ウラシュの合図で、食べ始めた。子供達は、我慢ができなかったのだろう。がっついている。
ある程度食べ終えた時、ウラシュが口を開いた。
「なぜ、あの男はこんな事をしてくれたんだろうな」
テッドが答えた。
「それなんですが。部屋を出た時、たまたま鉢合わせしまして。使用人達が、隣の都市で私たちの儀式を見ていたそうです。で、疲れている顔を見て、休ませようとしたらしいです」
「そうか。まあ、助かったな。あと二つか。国はどうなっている。それが問題だな」
そこへ、館主がやって来た。
「すみません。ウラシュ様の伝令がここへやって来ました。なにやら、魔法で導かれたと」
「すぐに通してくれ」
「はい」
そこに入ってきたのが、ボロボロになった伝令だった。
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