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第三十話

 魔王の体が再び、浮上する。何も持っていなかった左手に、杖が現れた。四人は魔王を睨みながら、距離をあけていく。



「いいか、杖は全体を攻撃してくる。さらに、剣で一人を狙い撃ちにしてくるぞ!」

 四人は構えた。再び立ち上がる。


「月の位置は?」


 勇者が聞く。


「十五年前と変わらん」


 賢者が答えた。


「あの時は二人だけだった。だが、頼もしい仲間がいるから、なんとかなるな」


 勇者が笑った。魔王が杖を振りかざす。巨大なファイアボールが、一気に十個も作り出される。一瞬、驚いたものの、すぐに防御態勢を取った。

 四人に火の玉が降ってきた。全員が避ける。オルスは避けながら、魔王の次の動きを待つ。

 大剣を片手で振り下ろしてきた。冷静に避けたはずだった。


「ぐっ!」


 体が痺れ、受け身がとれずに倒れた。


「シールド」


 オルスの周りに、光の球体に包まれる。直後、上から重い衝撃を喰らう。大剣が振り落とされた事を知った。

 だが、それ以上の追撃が来なかった。自分の体が繋がっているのがわかると、ふらつきながらその場から離れる。

 見ると、他の三人が何度も攻撃を繰り返していた。オルスは剣をとり、加勢しようとした。直後、魔王が大剣でなぎ払い、三人を接近戦に持ち込ませないようにした

 オルスは魔王の背中に向かって走り込む。ふと、握られていた左手が開いた。そこから、黄色い光が生まれた。咄嗟に左に飛ぶ。

 メガサンダーを、寸前で避けた。


「ライトニング!」


 テッドが叫ぶ。魔王の前で、光の球体が回転する。魔王は振り払おうとする。


「ゲンカーク!」


 四人の姿によく似た、白い姿の者達が現れた。戦うそぶりを見せる。魔王はそいつらに大剣を振り回す。


「もう少しで月が真上だぞ!」


 四人が一斉に攻撃を仕掛ける。同時に、魔王が剣を突き立てた。地面から黄色い帯が、部屋の隅に向かって走り出した。四人が体を震わせ、地面に膝をつく。

 魔王の大剣が、テッドの体を突き刺そうとする。


「シールド!」


 賢者とテッドが同時に叫んだ。テッドの前に、二重のシールドが張られる。だが、魔王の大剣は、それを簡単に破った。


「ぎゃっ!」


 テッドは吹き飛ばされた。魔王の大剣に刺さったのは、賢者だった。


「メガサンダー!」


 賢者はありったけの声で、魔王の顔面めがけて杖を向ける。そこから、稲妻が走った。魔王がよろめく。賢者が振り落とされる。

 賢者は、テッドに杖を投げた。オルスはありったけの力で、魔王に向かって短剣を投げた。右腕に刺さり、動きが止まる。


「ホーリー!」


 テッドが魔王の下に、結界が出来る。魔王の身動きがとれなくなった。


「地面にシールド」


 勇者が駆け出す。オルスも後に続く。少し先の地面に、シールドが張られた。そこにめがけて飛んだ。反発力で、天に向かって高く飛ぶ。魔王の動きが復活した。上を向いた。勇者は剣を下に向けた。


「アイスボール」


 魔王の杖が、手から弾かれる。だがすぐに、剣が出てきた。魔王は勇者を突き刺す。

 勇者は身を縮ませる。血が飛び散る。だが勢いが衰える事なく、右目に勇者のロングソードが突き刺さる。そのまま床へ落下した。

 魔王が右手の剣を捨て、刺さったロングソードを引き抜こうとした。

 そこにオルスが、勇者と全く同じように、魔王の頭部に向かってロングソードを突き刺した。


「ぎゃぁぁぁ!」


 オルスは着地した。魔王が叫ぶ。勢いよく倒れ、蒸発した。


「倒したのか?」


 天を見る。真上に来ていた。静寂が襲う。階段から、こちらに向かって昇ってくる音が聞こえた。とっさに二人は、武器を構える。仲間達だった。


「おい、魔物が消えたぞ」

「勝ったんだ……」


 力つき、その場にへたり込むオルスとテッド。他の兵士達は、次々と玉座の間にきた。そして、勝ち鬨を上げた。



恒例の、真の姿を現すというやり方です。


これはいつから始まったのでしょうか。やはりドラゴンクエスト?


そして、まだまだ続きがあります。お楽しみに!


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