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短編集 ~一息~  作者: つるめぐみ
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めい探偵【読者さま推理形式】

この作品は約1000文字の本格ミステリです。

犯人は誰なのか。そして、トリックは?

シンキングタイムに推理して楽しんでいただけると幸いです。

 東京都某管轄内で殺人事件が発生した。

 まず先に異常を察知したのは新聞配達員だった。新聞が玄関の郵便受け口に挟まったまま、たまり続けていたのだ。

 入電を受けて、刑事が現場に駆けつける。

 ドアを叩いても反応がないことから、刑事は大家を呼び出してドアを開けさせた。

 中に入ったところで、住人である金野がうつ伏せの状態で死んでいるのを見つけた。床には血の溜まりができていた。

 玄関の鍵はこたつの上にあったので、はじめは事故かと思われた。

 しかし、密室殺人の可能性も拭いきれない。

 難解な事件に刑事は頭を抱え、ひとりの男の頭脳を頼った。めい探偵の登場である。

 彼は鋭い観察眼で、いくつもの事件を解き明かしていた。

 警察が被疑者としてあげたのは三人の人物である。その人物を前に、めい探偵は語る。

「お呼び立てして申し訳ない。あなたたちに伝えなければならないことがあります。金野さんがお亡くなりになりました」

「死んだだと?」

 訊いたのは被疑者のひとり、黒澤という男である。被害者から金を借りていることから、動機は十分にあった。

「いつ死んだんだ。どうして……」

 次に灰田という男が唇を震わせる。被害者とは旧友であり、よく酒を酌み交わしていた。

「あの人がそんな……誰に殺されたの?」

 両手を口で押さえながら崩れ落ちたのは、被害者の愛人の白鳥である。

 全員が被害者とは親密な関係にあるのだが、アリバイがない。誰が犯人であってもおかしくはない。しかも密室殺人だ。

 これをめい探偵は、この読み切り短編で解決しなくてはならない(※作者都合により)

 めい探偵は悩んだ。どこかに謎が隠されているはずだ。

 犯人は誰か? 密室殺人のトリックは――。

 めい探偵のシンキングタイム開始(※皆さんも犯人とトリックをお考えください)


 彼らにはアリバイがない。動機があるのは黒澤だが――。

「黒澤! そうか」

 めい探偵は黒澤を見る。三人の姓名に気づいたのだ。

 警察用語で犯人は黒という。被疑者は黒澤と灰田と白鳥。

 ということは、犯人は――いやいや、そんな馬鹿な推理はないと首を振っためい探偵。

 そして、あることを思い出して口にした。

「そういえば俺、男が殺されたって言ったっけ?」

 めい探偵の何気ない一言で事件は解決した。うなだれたままの犯人を、刑事が連行していく。

 彼は迷探偵。度々こういうことがある。事情聴取で全てがわかれば万事解決だ。

 そう、誘導尋問は探偵ものにおける常套手段。失言した犯人が悪いのだ。

 迷探偵は息を吐くと呟いた。

「あとで密室殺人のトリックを犯人に訊こう……」

連行されたのは誰か。密室トリックの謎は?

シンキングタイム前でわかった方は、名探偵認定です。

(↓答えは下)



・犯人は白鳥。

めい探偵は「金野さんがお亡くなりになりました」と言っているので、殺されたとわかっているのは犯人のみ。

「あの人がそんな……誰に殺されたの?」のセリフから、犯人は白鳥だとわかる。


・密室殺人のトリック

密室と思わせておいて、じつは密室ではないというトリック。

>新聞が玄関の郵便受け口に挟まったまま、たまり続けていたのだ。

新聞受けから釣り糸によるトリックが可能。

【解説】

密室トリックの古典のひとつで、『糸と針のトリック』といわれているものです。

 1.釣り糸の片側をテープで固定する(室内)

 2.郵便受けから釣り糸を通す。

 3.釣り糸のもう片側を外部に出す。

これにより、密室トリックに見せかけることが可能です。

 外から鍵をかけるトリック。

 鍵がそこにあったと見せかけるトリックなどがあります。

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