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異世界転生安眠録  作者: 埴輪
邂逅から旅立ちまで
9/12

八日目

「おはようございます」


『おはよう、もう1週間経ったね。慣れたかい?』


「ええ、もうすっかり」


そんな会話をしながら洞窟を出る


「おはようございます」


「おはよう!」


もうリンとの挨拶もお馴染みだ


例によって木箱に腰掛け、朝食を摂る


「今日はヴィーナさんの湖に行きたいのですが」


「うん、いいよ」


三日間出歩いたのでそろそろ水浴びをしたいと思っていたのだ


食べ終え早々に出発をする


『今日は気をつけてね』


「? はい」



道中しりとりをしていると、件のリスと遭遇した

草が擦れる音がしたのでふと見るとしっかりと目が合った

数秒見つめ合った結果、リスは逃げてしまった




湖につくと、そこには先客がいた


美しく長い銀髪で真っ白の絹のような肌、華奢だがしなやかな肢体

身体に一切の角がなく耳だけが長く、先が尖っていた


「っ! 何者だ」


透き通るような声だ

その声と共に水流が私の身体を押し飛ばした


身構えたが勢いよく後ろの木にぶつかり、意識が飛びそうになった


「大丈夫!?」


リンが凄い速さで近づいてきた


「妖精? それに人間の子供か?」


「、、、大丈夫です」


「あーあ」


ヴィーナさんの声も聞こえた、近づいて私に手をかざす

体が仄かに光り、全身から痛みが抜けていく


「ありがとうございます」


ゆっくりと立ち上がる、少し痛むが問題ない

先程の人が服を着て駆け寄って来た


「すまな「すいませんでした」


謝罪を遮ったためか少したじろぐ


「何故君が謝るんだ? 謝罪すべきは私だ」


「いえ、こちらです。覗いてしまったわけですから」


「いやいや、それでも過剰だろう。理由は分かるがね」


ヴィーナさんが嗜める


「その通りだ、すまなかった」


結局謝られてしまった




「改めて、私はエルフのラウラ、本当にすまなかった」


「いえ、もう謝らないで下さい」


「好きなだけ謝らせておけばいいのさ」


「アルヴィナ様もアルヴィナ様です、何故人が来ることを言っておいてくれなかったのですか?」


「悪かったよ、面白そうだったし」


「アルヴィナ様!」


「ごめんごめん」


こう見ると姉妹のようにも見える、外見も瓜二つだ


まだ怒っているリンを抑えながら見ていると


「すまない、君は余所者だが善い人だな。失礼だがステータスを見せて貰った」


「貴方も見れるのですか?」


「アルヴィナ様に加護を授かっているからね」

「君も見られるぞ? 無闇に見るものでもないが」


「そうなんですか、、」


「よければ私で試すか? 詫びにもならんが」


「そうしたら? まあ私よりは見えないだろうけど」


二人に勧められ試してみることに


「と言ってもやり方が分からないのですが」


「頭の中で能力名を唱えれば発動できるぜ、慣れれば唱えなくても出来るがね」


では早速やってみよう、おそらくこれだ


【精霊の瞳】


目に一瞬熱がこもったかとおもうと、急に視界がはっきりしてきた。

眼鏡をかけたときに似ている


「発動できたようだな、では私を見てくれ」


「はい」




種族


フォレストエルフ・オリジン


身体能力


体力:B+

知力:A-

魔力:A

精神力:B-

技術力:A-


加護


《風の女神の加護》


《湖の精霊の祝福》


スキル


【護身の風】

【操風】

【精霊の瞳】


見えるのは種族名、身体能力、加護、スキルの内能力のみらしい

どうやらヴィーナさんはもっと見えるらしく、私に教えた事以外にも見えていたとか


能力を解除した後、ラウラさんは付け足した


「能力には常に働くもの、任意で発動するもの、条件下で発動するものがある」

「それぞれの能力は意識して強めたり弱めたりもできる」


その後数時間、ラウラさんによる講釈が続いた




「今日は色々教えていただいてありがとうございました」


「いや、詫びとしては足りないぐらいだ」


「少し気にし過ぎでは?」


「君のような少年に向かって攻撃してしまったのだから、まだ何か出来ることが、、、」


そういえば私は今子供だった


「そうだ、明日私の村に来ないか?」


エルフの村か、興味が無いと言えば嘘になる


「いいんですか?」


「ああ、是非来てくれ」


「今時期忙しくなかったっけ?」


「まだ大丈夫ですよ」


「リンも着いてきてくれますか?」


怒りは落ち着いたが、リンにとってはラウラさんの話は退屈だったようだ

結局リンのラウラさんへの印象は良くないようだ


「、、、」


「ごめんなさい、リンさん」


それを察したラウラさんが身をかがめ、リンに目線を合わせて謝罪した


「、、しょうがないな」


リンは許してくれたようだ


「ではまた明日ここで会おう」


「ええ、楽しみにしています」


日が暮れる頃、湖を後にした




「女神様は分かっていたのですか?」


リンと分かれ洞窟の中で女神様に話しかけた


『なんのことだい?』


「今日ラウラさんが湖にいたことです」


『どうだろうね~』


分かっていて、一応忠告してくれていたのだ

ありがとう、女神様


「では、おやすみなさい女神様」


『おやすみ、ケイ』






【安眠】【快眠】発動

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