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22・えぴろーぐ『じゅうはおさらをうつものです』
近付いてくるアニーを、うっとりした眼で見つめながら長篠武士は考えていた。
すごい人だ、同じ高校生とは思えない。自分にもあんな射撃のウデがあれば、もっと自分自身に自信が持てるかも知れない。
自分も射撃を始めてみたい、彼女の高みに近付きたい。
そのためにはクレー射撃を始めなければならない。
そしてそのためには両親を説得しなければならない。
『銃は危ない、人を撃つものでしょう』と言われるかもしれない。
それでも両親を説得しようと思う、彼女の言うとおり、
『じゅうはおさらをうつものです』
と。