*ユナside* 心配
今回は、ユナ目線です。
最近、ミヨが謎の奴が探している女の子が誰なのかずっと考えている。一度、会って見たいのだろうか?それに荷物となった髪の短い女性を進んで配達している。
気づかれていないと思っているのだろうけど分かりやすい。
「そんなに会ってみたいのか?」
私は、ミヨに聞いてみた。予想通りミヨは、驚いた顔をした。
「ち‥‥ちょっとだけ‥‥」
なぜ赤くなる‥‥‥。
「とりあえず他の物も配達しようか」
「え?」
ミヨが驚いた顔をした。私は、そのまま荷物を持ってミヨの腕を掴んで引っ張った。
「その荷物を?」
ミヨが荷物を指差す。配達するのは、女の子。
「ああ、この子荷物じゃなくて迷子」
「迷子!?」
今日、何度目のミヨの驚いた顔だろう?
「住所を言ってくれたし、届けられるよ」
「うん‥‥」
しばらく歩いて女の子が疲れたと言うので休憩する事にした。
「どうして寮に居たの?」
ミヨが女の子の目線に合わせて聞く。
「お母さんが荷物を届けて欲しいからってあの場所に行ってて‥‥私は、ついて来たんだけどはぐれちゃったの」
「それにお母さんが気づかなくて一人で帰っちゃったの?」
女の子は、ゆっくりと頷く。
「そっか‥‥ちゃんとお母さんの所に届けてあげるからね」
そう言ってミヨは、女の子の頭を撫でた。
「この辺りだよね?」
私の見ている地図を覗き込みながらミヨが聞く。
「ここで合ってる」
何度も来ている所だから大体は、分かる。
「あの家」
女の子が指を指したのは、茶色の屋根の家だった。ドアをノックすると母親らしい人が出てきた。ミヨが事情を説明すると、母親は、涙を目に溜めて何度もお礼を言った。
帰りの道の途中。隣を見るとミヨがニコニコしていた。
「あの子、戻れてよかったね」
「そうだな‥‥」
ふと、ミヨが心配そうな顔をした。
「どうして、来ないのかな?」
そう呟いた後は、ずっと無言だった。
運び屋・拠点に戻る。
「ミヨが心配だと私もミヨが心配だよ」
「え?」
顔を上げてミヨが私を見る。
「謎の奴に会えない原因何だと思う?」
ミヨは、首を横に振る。そして首を傾げる。
「どうして?」
「まず第一にミヨが通ってる道に問題があるんだ」
私は、ミヨに一本指を立てて見せる。
「道?」
「ミヨがいつも通ってる道は、謎の奴が頻繁に現れていて、最近警備が強化されたんだ」
「知らなかった‥‥」
「そして第二にいつもミヨが配達していた女の子の届け先が人の多い街だった事」
いつの間に持って来たのかミヨは、紙に今まで言った事を書いていた。
「それが何か関係あるの?」
顔を上げて首を傾げる。
「聞いたんだけど、今まで謎の奴が現れた女の子の届け先は、古い村や人のあまりいない村だったらしい」
「そうだったんだ‥‥」
ミヨは、今の言葉も紙に書く。
「だから「ありがとう!」
私がもう一つ言う前にミヨは、走って行ってしまった。
「まだ終わってない‥‥」
どうして謎の奴が危険かも知れないのにミヨは、追い求めるのだろう?
私には、ワカラナイ‥‥‥。