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ソウからの連絡

 「・・・俺が気絶している間に終わっていたのか。」

 目を覚ました風太は、震がランドと無事に契約し、セイクを捕らえたことを知らされた。

 「俺も手伝わないといけなかったのに・・・悪い。まさか、途中で戦線離脱だなんて。」

 『君は、十分すぎるほど役目を果たしたよ。君が四天王を倒さなければ、契約できなかっただろうしね。』

 「そうだぜ。四天王の一人を倒すなんて、セイクを捕まえるのと同じくらい大手柄だぜ。」

 最後の戦いに参戦できなかったことを悔いる風太に、フィードと焔は、風太は十分やったとフォローを入れた。事実、風太がダイオスを倒さなければ、ランドと契約できずに奪われたばかりか、フィードも同じように奪われた可能性があった。二人の言葉は正しかった。だが、風太は手放しにその言葉を受け取れなかった。

 「・・・でも、途中でダウンしたのは事実だ。もし、相手がヤミーだったら俺は死んでいた。・・・まだ力が足りない。」

 「・・・確かにな。洗脳されたセイク捕まえるのにこんだけ苦労したんだ。このままじゃ、ヤミーと戦っても、勝負にならねー。もっと鍛えないとな。」

 『焦らなくてもいいよ。風太は順調に強くなっているんだから。』

 「・・・それより、セイクとこの子を元に戻す方法を考えないと。ずっとこのまま、なんてわけにはいかないだろう?」

 力不足を痛感している風太達に対し、震はセイクと光の件を解決するのが先だと言う。

 「・・・そうだ。セイクと光の洗脳を解かないと。早く、真白を妹と再会させてやりたい。」

 震の意見に、風太も同意する。同じ、妹を奪われた人間として、真白を少しでも早く安心させたいと思ったのだ。

 「でも、洗脳ってどうやれば解けるんだ?」

 「僕達の世界で言う洗脳なら、時間をかければ解くこともできる。でも、これは明らかに魔法的な洗脳だ。なら、方法は二つだね。操っている奴を倒すか、魔法を解除する。このどちらかだね。」

 「操っている奴・・・ヤミーか。でも、現状、ヤミーを倒すのは無理だ。」

 「なら、ヤミーの力を消し去って元に戻す方向か。」

 「でも、どうやって消すんだ?」

 「闇の力で洗脳しているなら、光の力で消し去れるはずだ。これが一番手っ取り早い。・・・けど、セイクがこれじゃあ無理だ。」

 「なら、ランドの力で正気には戻せねーのか?」

 『無理よ。そもそも、大地の力は、身体に作用するもので、精神に作用するものではないわ。』

 「・・・なら、エリアスの力も無理そうか?」

 『そうだね。現状、この洗脳を解く手段はないね。』

 ランドとフィードは、セイクと光を元に戻す手段はないと言う。その言葉に、風太は悲しそうな表情に変わる。

 (・・・妹を助けるために、真白はここまで来たのに。これじゃあ悲惨すぎる。)

 「なら、ソウの奴に聞けばいいんじゃねーか?あいつなら、いい方法知ってだろう?」

 「!そうだ!ソウがいた!ソウに聞けばいいんだ!ソウならいい方法を知っているかもしれない!」

 「一理あるね。・・・でも、今のヤミーに手が出せないソウに解決できるかな?」

 「可能性があるなら、全部試すだけだ。ソウに連絡を・・・。」

 『あー、聞こえるかい、風太。』

 ソウに連絡を取ろうとしたその時、【通話の腕輪】からソウの声が聞こえた。

 「!ソウ!何かあったのか?」

 『ああ。こっちは片付いたから、その連絡をね。』

 「片付いた・・・。じゃあ、侵攻軍の方は・・・。」

 『全滅したよ。グロバー大陸の解放成功だ。』

 「本当か!やったな!」

 ソウの朗報に、風太は歓喜する。だが、震は怪訝な顔をする。

 「・・・青野渚と白名真白が、二人で侵攻軍を全滅させたのかい?・・・少し早すぎる気がするな。」

 「早すぎる?」

 「考えてみるんだ。敵の魔王はダイオスより弱いとはいえ、風属性だ。青野渚と相性がいいわけじゃない。寧ろ、魔王の方が有利だ。それに、彼女は火力で押すタイプの人間じゃない。僕たちと同時に作戦を終えるなんてあり得ない。」

 「・・・言われてみればそうだな。風太のように、たくさん魔物と契約しているならいざ知らず、渚はエリアス以外に強そうなのいねーはずだ。」

 「・・・ソウ。渚と真白は無事なのか?まさか、相撃ちじゃないよな?」

 『そんなわけないじゃないか。ちゃんと勝ったよ。しかも、大勝利だ。』

 「なんだ。それを聞いて安心した。」

 風太は安堵するも、震は逆に、疑問を募らせる。

 「益々信じられないよ。どうやって圧勝したんだい?彼女は緑川風太や焔のように力で圧倒するタイプじゃなかったはずだ。勝てたとしても、辛勝だ。圧勝なんて考えられない。」

 『それは、本人に聞いてみるといいよ。今からそこに向かうから。』

 「?・・・分かった。」

 ソウの含みのある言い方に、風太は疑問を覚えつつも、彼女達が来るのを待つことにするのだった。

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