新たなる戦力
「・・・まだかな?」
ダンジョンの外にて、風太は渚達が来るのを待っていた。
『メタリアルのスピードを考えれば、もうすぐ見えてくると思うよ。』
「・・・!見えた!」
フィードの言う通り、風太の視界にメタリアルが映った。メタリアルは、真っ直ぐ風太達の所に向かってきた。
「予定通りだね。・・・あれ?何かが一緒に飛んでいる。」
震は、メタリアルの傍に何かが並んで飛んでいるのを見つけた。
「何だありゃ?渚が新しく契約した魔物か?」
「・・・いや、違う。あれは・・・ゴーレム?」
それは、人型の物体だった。見た目はゴーレムのようだったが、風太はどこか、既視感を覚えた。
「ゴーレムと言うより、あれはロボットだ。昔のアニメで出てきた奴に似ているような気がする。」
「ロボット?こんな剣と魔法の世界に?冗談だろ?」
「・・・既に、メタリアルという例外があるけどね。」
しばらくして、メタリアルとロボットらしきものは、風太達の傍に着陸した。メタリアルのハッチが開き、中から渚とソウが出てきた。
「風太、お待たせ。」
「渚。ソウから聞いたけど、大勝利みたいだったらしいな。」
「うん。でも、私より真白の方が活躍したんだけど。」
「真白が?それってどういう・・・?」
「その、隣のロボットみたいなゴーレムのおかげかい?」
震は、メタリアルの横にいるロボットらしきゴーレムを指す。
「そうなの!このロボットゴーレム凄いの!敵の大軍もあっという間に倒しちゃうし、魔王も簡単に倒せたの!風太に見せたかったな!」
「マジか?で、どうやって動かしているんだ?」
『これは、操縦式です。』
すると、ロボットの身体が開き、中から真白が出てきた。
「まさか、真白が動かしていたのか!?」
「はい。これは、中に人が入って操縦するタイプのゴーレムです。ある意味、簡易的なメタリアルです。」
「こんな凄いのいつ作ったんだい?いや、そもそも載せていた痕跡もなかったはずだよ?」
「ふふふ。前に見せた魔法の革袋を忘れたかい?あれに入れておいたんだよ。作った時期は、メタリアルの調整中にね。」
「メタリアルを調整しながら作ったのか?よくそんな暇があったな。こんな凄そうなゴーレム、時間がかかるんじゃないか?」
「そこまで時間はかからないよ。メタリアルだって、そこまで時間がかからなかったんだから。この程度の大きさなら、半日もあればすぐだよ。」
「半日で作った!?それで魔王とグロバー大陸の侵略軍を全滅させた!?嘘だろ!?」
恐ろしいほど短期間で作ったこと、そして、それが侵略軍を全滅させたことに、風太は驚愕する。
「・・・でも、中は空だよ。メタリアルのコックピットと同じだ。なら、短期間で作れたのも納得だよ。」
「どうして、こんなゴーレムを作ったんだ?」
「・・・私でも戦えるように用意しておいたんです。私は、皆さんと違って攻撃魔法は使えませんし、契約もできませんから。」
「・・・そうか。」
(真白は、妹を助けるためにこの世界に来たんだからな。自分も戦いたいと思うのは当然か。)
「でも、ロボットなんて斜め上過ぎじゃねーか?」
「いいじゃないか。カッコいいんだから。君達にも、彼女の戦いっぷりを教えてあげるよ。」
「それは興味深いね。是非聞かせてもらおうか。」
「そんなことより、風太達の戦果は?ランドと契約できたんでしょ?」
「ああ。それに、真白には朗報だ。」
「朗報?」
「妹を確保することができた。今、ダンジョンの中にいる。」
「光が!?本当ですか!?」
妹を確保したことを聞き、真白は風太に詰め寄る。
「ああ。来てくれ。案内する。」
「はい。・・・光。ようやく会える。」
「・・・でも、あまり期待しない方がいいと思うよ。あくまで確保しただけだからね。」
震は、今の光の状況を伝え、真白に警告するのだった。




