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戦勝後

 「・・・勝った・・・!」

 ダイオスの刎ねられた首が地面に落ち、身体が倒れたのを確認した風太は、その場に崩れ落ちる。

 『風太!』

 ダイオスの死により、封印が解けたフィードは、風太に駆け寄る。他の魔物達も、同様に風太に駆け寄る。

 『何て無茶を・・・!魔物を一気に【進化】させるなんて!いくら君の魔力が多くても、この作戦は無謀すぎだよ!起源魔法を使った反動も残っていたのに!それに、Aランクのフェニックスはいざ知らず、Bランクのフロストスワンを【進化】させるなんて!本来なら、ガルーダのように時間をかけてやるべきだったのに!』

 風太の無茶に、フィードは心配半々、怒り半々といった様子だった。

 「・・・悪い、フィード。・・・これ以外に勝つ方法が考えられなかったんだ。」

 『だとしてもだよ!見ているこっちの身にもなってよ!』

 「悪かったって。・・・ああ、悪いついでに、少し休ませてくれないか?・・・もう、限界なんだ。」

 『!そ・・・そうだね。・・・お休み。』

 「・・・そうだ。・・・部屋の外にいる女王・・・迎えに・・・。」

 風太はそこまで言うと、意識を失って倒れ込んだ。

 『風太!』

 倒れた風太にフィードは再び慌てるのだった。


 『・・・私の冷気の結界で保護した。とりあえず、これで暑さは大丈夫だろう。』

 『ありがとう、エンペラーフリジットスワン。』

 風太を氷の結界で保護した【進化】したフロストスワン-エンペラーフリジットスワンと呼んだ-に、フィードは礼を述べる。

 『いいえ、契約者を守るのは、当然のことかと。』

 『お前がそれを言うか?主が契約を求めた際、無下に扱ったようだが?』

 ブレイズレクスが、冷やかすように言う。

 『あ・・・あれは・・・!いきなりしもべになれと言われたからだ!それに、攻撃もされれば頭にも来るだろう!』

 『そういうことにしておこう。・・・さて、主が言っていた女王を保護だが。』

 『部屋の外にいるはずです。早く保護しましょう。』

 『・・・王よ。エルフの女王をこの部屋に連れてくるのは問題があるかと。』

 外にいる女王を連れてこようとするブレイズレクスとブレイズレギナをフレスベルグが制する。

 『問題?』

 『この部屋は、暑すぎます。炎の身体を持つ魔物や、氷の力で身を守れる魔物ならいざ知らず、普通の住む者にこの部屋は耐えられないかと。私でさえ、長くは持ちません。今、こうして平然としていられるのも、氷鳥の王の力のおかげです。』

 『!・・・そうですね。忘れていました。』

 『エンペラーフリジットスワン。お前の力を借りたい。』

 『分かった。』

 魔物達は、女王を迎えに行こうとする。

 『おい!俺をいつまで放置する気だ!』

 『?この声は・・・誰だ?』

 『俺だ!』

 声のした方を向く魔物達。そこには、壁にめり込んだままのエンシェントベヒモスがいた。

 『・・・ああ、あなたもいましたね。完全に忘れていました。』

 『おい!ふざけるな!早く俺をここから出せ!』

 『今は、君より女王の身の安全が最優先だ。君は全然余裕があるじゃないか。』

 『そ・・・そんな~・・・。』

 フィードから後回しを宣告され、エンシェントベヒモスは半泣きになる。そんな彼を尻目に、魔物達は女王の保護に行こうとする。

 だが、その時、部屋が大きく揺れ出す。僅か数秒程度だったが、飛行しているフィード達でも感知できるほど大きな揺れだった。

 『!何だ、この揺れは?』

 『・・・これは・・・ダンジョンが解除されました!』

 『ということは・・・。』

 「・・・本当にすぐ来れたね。」

 困惑する魔物達の前に、何の前触れもなく震が現れた。震の右腕には、風太と同じ銀色のガントレットが装着され、手には本のようなものを持っていた。

 そして、その隣には、巨大な生物がいた。それを見たフィードは、懐かしそうな表情で彼女・・に声をかけた。

 『・・・久しぶりだね、ランド。』

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