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土竜ランド

若干修正します。

 「・・・緑川風太のおかげで、ランドの許に行けそうだね。」

 風太によって最後の間を抜けることに成功した震は、目的地である最深部へと向かっていた。スチュパリデスは、スピードを落とすことなく進んでいた。

 『まさか、魔王を出し抜けるとは思わなかった。さすがは勇者と呼ばれるだけのことはある。』

 「でも、ダイオスが追いかけてくる可能性はゼロじゃない。早く、ランドの所に行こう。もっとスピードは出せそうかい?」

 『問題ない。寧ろ、魔力をもらっているおかげでいつも以上に快調だ。いくらでも上げられそうだ。』

 スチュパリデスは、調子がいいと震に告げるとさらにスピードを上げる。心なしか、そのスピードはまだ上がりそうだった。

 「なら、急ごう。緑川風太が負けるとは考えたくないけど、四天王の強さは未知数だ。先に契約しないと。」

 『無論だ。奴を神の許に行かせるわけにはいかん。行くぞ!』

 風太が負ける可能性を考え、震はスチュパリデスにランドの許に急ぐよう言う。スチュパリデスもそれに応じ、ダンジョンの奥へと向かうのだった。


 「・・・これが、最深部の部屋の扉か。」

 しばらくして、震はランドの部屋の前の扉に着いていた。ランドの部屋の扉は、フィード達よりも大きく、竜が彫られていた。

 『この奥に神はいる。・・・くれぐれも、失礼のないようにな。』

 「分かってるよ。・・・じゃあ、行こうか。」

 震は、扉を開けようと、扉に触れる。すると、少し押しただけで勝手に扉は開いた。

 「・・・意外と軽いな。それとも、触った時点で開くようになっていたのか。」

 震は、部屋の中に入る。そこは、今まで見てきたダンジョンのどの部屋より広く、煌びやかな鉱石が壁から突き出ていた。そして、中央には巨大な祭壇があり、その傍に黄色い竜がいた。震にはそれが、ランドであると分かった。

 「・・・土竜ランドだね。」

 『ええ。・・・あなたが、フィードの仲間ね?』

 ランドは、どこか緊張した様子で、震が味方かどうかと尋ねる。その姿を見た震は、ランドが見た目の割に臆病なのだと感じた。

 (彼女は、このダンジョン内のことを知る術があるはずなのに、わざわざ聞いてくるなんて、慎重だな。それとも、臆病なのかな?・・・見た目はブレイに似ているけど、性格は大人しい子みたいだ。まあ、あんな性格でなくてよかったよ。)

 「ああ。僕は、黄沢震。震と呼んでくれ。」

 『震ね。あなたが先に来てくれてよかった。魔王が先に来るんじゃないかと怖かったわ。』

 ランドは、安心した様子で震に近付く。

 「状況は分かっていると思うけど、時間がない。早く僕と契約してくれないかな?」

 『分かってるわ。見たところ、あなたとは相性がよさそうだし、契約してもいいわ。』

 「ありがとう。じゃあ、契約しよう。・・・やり方は、これでいいかな?」

 震は、ランドに右手を差し出す。

 『うん。じゃあ、契約を始めるわ。』

 震の手が、眩い光に包まれる。

 しばらくして、光が消えると、震の右腕には、銀色のガントレットが装着され、一冊の本が握られていた。形状は、魔導書のようで、本の表紙には黄色い竜が描かれ、真ん中に黄色い宝玉が埋め込まれ、まるで竜が宝玉を抱き抱えているかのようであった。

 『私の契約の証、【グリモア・オブ・ランド】よ。私の知識が全部詰まった特別なものよ。大事に使ってね。』

 「ありがとう。・・・さて、契約も終わったし、早く緑川風太の所に戻らないと。魔王が気になる。」

 『・・・!それなら安心していいわ。魔王はさっき、倒されたみたい。』

 「!緑川風太が魔王を倒したのかい!?」

 『ええ。だから、焦らなくてもいいわ。』

 「・・・いや、そうもいかないよ。外では、セイクがブレイと戦っているんだ。早く戻らないと。」

 『そうだった!じゃあ、ブレイの所に・・・。』

 「いや。緑川風太を回収しよう。以前戦った時、セイクは五大竜三体がかりでも手に負えなかった。君とブレイだけで戦える相手じゃない。フィードの力も必要だ。・・・本来なら、エリアスが必要なくらいだけど、今は別行動しているからね。残っている三体でやらないと。」

 『・・・あの時も聞いたけど、信じられないわ。でも、あなたが嘘を言ってるようにも思えない。・・・分かったわ。まずは、フィードと合流ね。』

 「でも、ここから戻るのは時間がかかるんじゃ・・・?」

 『大丈夫。・・・ダンジョン停止。』

 そうランドが言うと、ダンジョンが突如として揺れ出す。

 「!・・・これは・・・。」

 『ダンジョンを解除したの。これで、この神殿は元通り。』

 (こんなアッサリと・・・。本当に、この神殿内では万能なんだな。)

 『じゃあ、フィードの所まで転移するね。』

 「え?転移?」

 『私の力なら、神殿内を自由に転移できるの。・・・ダンジョン化状態だと無理だけど・・・。』

 「・・・そんなこともできたのか。分かった。頼むよ。」

 『じゃあ、フィードの所に転移。』

 ランドがそう言うと、ランドと震の足元に巨大な魔法陣が発生する。そして、一人と一体の姿は消えていた。

 『!?これは・・・!?神が・・・消えた!?』

 ただ一体、スチュパリデスは困惑した様子で残っていたが。

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