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第一?村人?発見

助けた人達の人数を三人に変更します。

 「・・・まあ、想像はしていたけどな。」

 一時間後、村があるとされる場所に来た風太達は、すっかり廃墟と化した村を見、複雑な顔をする。

 「・・・傷み具合と積雪から見て、滅ぼされて相当時間が経っているみたいだね。」

 「・・・住んでいた人達はどうなったのかな?」

 「・・・生贄のために連れて行かれたか・・・殺されたか・・・どっちかだろうな。・・・くそ!」

 「・・・。」

 ヤミー軍の非道な所業に、改めて憤りを覚える風太達。だが、その怒りをぶつける相手は、ここにはいなかった。

 「・・・仕方ない。一旦ソウに連絡して・・・。・・・!」

 ソウと連絡を取ろうと思った風太だが、その時、風の音とは違う何か別の音が聞こえてきた。

 「・・・風太、さっき・・・。」

 「・・・ああ。風や自然の音じゃねー。・・・金属がぶつかる音だ。」

 「あと、若干悲鳴のようなものも聞こえた気がするよ。」

 「・・・行ってみよう。」

 風太達は、音のした方へと向かうのだった。


 「・・・あれは・・・!」

 音のした場所に来た風太達は、戦闘が行われているを目撃する。大勢の兵士が、三名の人間を襲っていたのだ。兵士達は、ヤミー配下の魔兵士で、襲われている人間達の数十倍もの人数がいた。武器は、剣と槍といった基本的な装備だが、頑丈な鎧を着用し、防御面にも抜かりはなさそうである。

 相対する人々は、長い耳の男性が一人、猫のような耳の女性が一人、子供のような背丈の男性が一人いて、背丈の低い男性は、立派な髭を蓄えていた。彼らの武器は、耳の長い男性が弓を、猫耳の女性が金属製の爪を、背丈の低い男性は大きな斧を持ち、魔兵士達に抵抗しているものの、武器はボロボロで、しかも数は敵の方が多いため、追い詰められている様子だった。

 「ヤミーの魔兵士じゃねーか!誰かを襲ってやがる!」

 「・・・耳の長いのは、エルフのようだね。・・・猫耳の人間は、獣人。・・・背丈の低いのは、ドワーフか。」

 「でも、エルフとドワーフって、仲が悪いって本で書いてあったような気が・・・。」

 「大陸が全部制圧されたんだ。そんなこと言ってる余裕はないんだろうね。敵の敵は味方という理論かも。」

 「とにかく、加勢しよう!このままやられるのを見過ごすわけにはいかない!」

 風太達は、襲われている三人に加勢すべく、武器を手に向かって行く。

 「おら!寄ってたかって何やってんだお前ら!」

 焔は、ブレイカー・オブ・ブレイを両手で持ち、飛び掛かって魔兵士を切りつける。魔兵士は頭から真っ二つになり、その場に崩れ落ちる。

 「!何者だ!?」

 突如として現れた敵に、魔兵士達は狼狽える。だが、風太達は答えることはなく、次々に魔兵士達を切り捨てていく。

 「ええい!数は我々の方が上だ!落ち着いて迎撃・・・!」

 「【ストーンバレット】!」

 迎撃しようとする魔兵士を、震の魔法が貫く。魔兵士は、自身が死んだことも理解できず死亡するのだった。

 「!?馬鹿な!下級魔法程度で俺達の鎧が・・・!」

 「【ウォーターバレット】!」

 仲間が下級魔法程度で瞬殺されたことに驚愕する魔兵士を、今度は渚の魔法が襲う。魔兵士は、仲間と同じく、自身の死を認識することなく絶命するのだった。

 その後は、一方的な虐殺だった。渚と震の魔法が魔兵士達を次々に絶命させていき、混乱する魔兵士達は、風太と焔に切り捨てられていく。

 「ば・・・化け物か!?」

 「て・・・撤退だ!部隊長に連絡・・・!」

 「【サモン・フロストスワン】!」

 逃げようとする魔兵士に対し、風太はフロストスワンを召喚する。

 「!?召喚だと!?こいつ、テイマーか!?しかも、フロストスワンだと!?」

 『フロストスワン!一人残さず始末しろ!』

 『言われるまでもない!』

 フロストスワンが羽ばたくと、魔兵士達を猛吹雪が襲う。

 「な・・・!」

 魔兵士達は抵抗できぬまま、全員氷漬けとなってしまう。そして、そのまま砕け散っていくのだった。

 『・・・凄いな・・・前に戦った時よりずっと強くなっている・・・。』

 『ここは雪の世界。氷属性の魔物にとって戦いやすい場所だ。』

 『・・・そうみたいだな。フロストスワン。ありがとうな。』

 風太は、フロストスワンをサモンカードに戻す。

 「・・・さて。」

 フロストスワンを戻した風太は、襲われていたエルフと獣人とドワーフの許へと駆け寄る。

 「大丈夫ですか?」

 「・・・お前達は・・・何者だ・・・?」

 彼らは、近付いて来た風太に武器を受けながら言う。明らかに警戒している様子だった。

 「俺達は、ワルド大陸から来た者です。」

 「ワルドから!?そんな馬鹿な!海は完全にヤミーに制圧されているはずだ!」

 「本当です。ラグン国王から書状も預かっています。」

 風太は、ラグン国王からの書状を彼らに見せる。すると、彼らの表情が、驚きと困惑が入り混じったものに変わる。

 「・・・これは、ラグン王国の紋章!・・・まさか、本当に!?」

 「でも、どうやってここに?海も空も、ヤミーの配下が守っているのに?」

 「強行突破してきました。」

 「・・・強行突破って・・・そんなことできるわけが・・・。」

 風太がやって来た方法を聞き、彼らはさらに困惑する。

 「・・・ここで話すのもどうかと思うので、どこか落ち着ける場所で話しましょう。近くに休めそうな場所はありますか?」

 「・・・いや、この辺りにはない。」

 「・・・なら、少し待ってください。」

 風太は【通話の腕輪】でソウに連絡を取る。すると、一分も経たないうちに、メタリアルが上空に現れる。それを見た彼らは、思わず武器を身構える。

 「安心してください。あれは、俺達の乗り物です。」

 「乗り物!?・・・魔物では・・・ないのか・・・!?」

 「詳しい話は、乗ってから話します。どうぞ。」

 着陸したメタリアルのハッチが開き、風太は彼らを機内へと案内する。彼らは恐る恐る、機内へと入るのだった。

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