白銀の大陸グロバー
「・・・これは・・・凄いな・・・。」
外に出て、周囲を探索し出す風太達は、間近に見る雪の世界に圧倒される。
「まるで、テレビで見た雪国だな。いや、それ以上か。」
「私達の住んでいる町だと、こんなに降ったことなんてないから、新鮮だね。」
「ああ。・・・風子にも見せてやりたいな。」
雪があまり降らない町に住んでいる風太と渚は、地面はおろか、遠くの山まで一面真っ白の世界にただただ感動する。
一方、焔は二人とは対照的に、居辛そうな顔をしていた。
「・・・どうしたんだい、焔?」
「・・・震。お前は大丈夫なのか?」
「?何がだい?」
「・・・寒くないか?」
「・・・別に?」
震は、焔の言っていることが理解できなかった。今、自分達はブレイの力を受けて、寒くならないようになっているのだから。現に震は、その力を実感していた。本来なら、この場所は、防寒着を着用していても強烈な寒さを感じるはずなのだが、今の自分は寒さを感じることなく、快適に過ごせている。寒いなどあり得ないはずなのだ。
「マジかよ?・・・なあ、ブレイ。ちゃんとお前の力、効いてんのか?俺だけ寒く感じるぜ?」
『んなことねーぞ。ちゃんと俺の力は、お前らを守ってる。でなければ、お前は今頃満足に話すこともできないぞ。』
「単純に、焔が寒がりで、周囲の光景から寒いと思い込んでいるだけだよ。僕は、別に寒さを感じないよ。きっと、彼らもね。」
「・・・仕方ねーだろ。・・・苦手なもんは苦手なんだ・・・。」
(・・・思い込みで冷たいものを熱く感じることがあるらしいけど、こんな分かりやすいモデルがいるとは・・・。)
精神的な理由で焔が寒がっていることに、震は呆れと同時に皮肉混じりで感心する。
「それで、どこに行くつもりだい?」
「そうだな。・・・地図によると、ここから北に行った辺りに村があるらしい。そこまで行ってみようと思ってる。」
風太は、グロバー大陸の地図を開き、北の方に村があることを告げる。
「なるほど。・・・でも、ヤミーに制圧されているのなら、意味があるか・・・。」
「そっか・・・グロバーは、もう全部ヤミーに・・・。」
「ワルドでも、デカい町がヤミーに乗っ取られてたんだ。こんな小さい村じゃ、とっくになくなってるかもしれねーな。」
「でも、万が一という可能性もある。行ってみて、村がまだあれば、そこで情報収集すればいいし、なければ、そこを俺達の拠点にしてしまおう。」
「だな。どのみち、これ以上こんな見るからに寒そうな場所にはいたくないぜ・・・。」
(・・・いや、もう滅んでいたら、結局ここと変わらないじゃないか・・・。)
風太達は、村があると思われる場所へと向かうことにし、歩を進めるのだった。




