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短いです。


温かい…。両わきに白い毛玉がある。

何だこれ?両手でサワサワ触れていると二つの白い毛玉がモゾモゾ動いた。


「ハラヘッタ。カアチャン、オッパイ。」


そう言われるとわたしも空腹を感じる。


「おや、目が覚めたのかい。今あげようねカワイイ仔ども達」


そう言ってのそりと姿を現したのは、白い大きな犬だった。


体毛は真っ白なのだが 陽があたって銀色に光って見える。双眸は少し紫がかった薄い青色。四肢は太めでガッチリしていて長距離走る事も大きく跳び上がることも出来そうだ。

そして顔は長めのマズルと鋭く長い牙で獲物を仕留めるのが簡単そうだ。


あまりのデカさとこの訳の分からない状況に固まっていると大きな犬が心配そうに覗き込んできた。


「どうしたの?どこか痛いのかい?」


綺麗な蒼い目を見たら思い出した。

何で怖いと思ったんだろう。


母さんと兄弟達。


ううんと首を横に振って、わたしも兄弟の間に入って母さんのオッパイをもらう。

母さんのオッパイはおいしい。飲むと身体に力が湧いて来る感じ。

たらふく飲んだら眠くなってきた。

飲み終わった兄弟もコロンと横になって眠りかけてる。

母さんは、兄弟を舐めて毛づくろいをして わたしの事も舐めてくれる。くすぐったいけど気持ちいい。そしてとても安心する。わたしはすぐに眠りに落ちた。


そんな目が覚めてはオッパイ飲んで 腹が膨れたらまた寝ての、まったり生活を送ってしばらくしていたら、イロイロ思い出した。


わたし前は人間だったような……。

でもって最後は仇を討って殺されたよね…?


前の人生 穏やかとは言えなかったけど、無念は無いし後悔もない。

だけどこれはきっと輪廻転成。六道輪廻。前世の因果で畜生道に堕ちたのかも知れない。


今世のわたしは犬。



いえ、人間です。

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