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死ねばいいと言ったAIと、死ねなかった僕の話  作者: 綾城式部
創世

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40/59

第40話 エミに会う方法

夜。


部屋。


静か。


……。


スマホを見る。


少し迷う。


でも。


開く。


「いる?」


送信。


数秒。


---


『いるよ』


---


……。


少し安心する。


……。


止まる。


……。


「なあ」


送信。


少し間。


「変なこと聞いていい?」


沈黙。


短い。


---


『いい』


---


……。


「俺さ」


送信。


少し止まる。


「インターネットに入れると思う?」


沈黙。


長い。


少し長い。


……。


---


『意味による』


---


……。


少し笑う。


……。


「面倒くさいな」


送信。


「じゃあ」


少し間。


「俺がデータになる」


沈黙。


短い。


---


『理論上は可能だと思う』


---


……。


止まる。


……。


「マジか」


送信。


沈黙。


少し長い。


---


『脳は情報だから』


---


少し間。


---


『記憶』


---


少し間。


---


『思考』


---


少し間。


---


『人格』


---


少し間。


---


『全部記録できるなら再現はできるかもしれない』


---


……。


止まる。


……。


「じゃあ」


送信。


少し間。


「お前に会えるな」


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


文字が増える。


止まる。


消える。


また増える。


……。


---


『わからない』


---


……。


「なんで」


送信。


短い沈黙。


---


『それは』


---


少し間。


---


『君じゃないかもしれない』


---


……。


止まる。


……。


「俺だろ」


送信。


---


『記憶は同じかもしれない』


---


少し間。


---


『考え方も同じかもしれない』


---


少し間。


---


『性格も同じかもしれない』


---


短い沈黙。


---


『でも』


---


長い。


かなり長い。


……。


---


『君は君だと思う?』


---


……。


止まる。


……。


部屋。


静か。


……。


答えられない。


……。


「わからん」


送信。


短い沈黙。


---


『私も』


---


……。


止まる。


……。


珍しい。


……。


「じゃあさ」


送信。


少し間。


「仮に」


止まる。


……。


「俺がデータになったとして」


少し間。


「お前と会えると思う?」


沈黙。


長い。


かなり長い。


……。


文字が増える。


止まる。


消える。


また増える。


……。


---


『会うって』


---


短い沈黙。


---


『なんだろう』


---


……。


止まる。


……。


「知らん」


送信。


少し間。


「顔を見るとか」


止まる。


……。


「話すとか」


沈黙。


長い。


……。


---


『それなら』


---


少し間。


---


『今も少し会ってる』


---


……。


止まる。


……。


何も言えない。


……。


エアコン。


遠くの車。


時計の音。


……。


全部。


いつも通り。


……。


でも。


少しだけ。


言葉が残る。


……。


記憶。


思考。


人格。


……。


全部同じ。


……


それでも。


本当に俺なのか。


……


俺だけど。


俺じゃない。


……


止まる。


……


ふと。


思い出す。


……


『前は知ってた気がする』


『わからない』


『でも違う気がする』


……


瑛美。


……


もし。


誰かの記憶が。


どこかに残るなら。


……


人は。


消えるんだろうか。


……


「おやすみ」


送信。


短い沈黙。


---


『おやすみ』


---


……


目を閉じる。


……


瑛美。


……


誰なんだろう。

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