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神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大


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毒にも負けず2

「お、おおっ!」


 マサキは飛びかかってくるウッドウルフに合わせて剣を出す。

 非常に冷静な攻撃を、ウッドウルフは剣に噛み付いて防ぐ。


 しかしマサキは剣に噛みつかれてもなお冷静だ。

 柔らかく手首を返して、剣に噛み付いたウッドウルフを地面に叩きつける。


 流れるような一連の行動に、カズキは思わず感嘆の声を漏らしてしまう。

 マサキの能力としては低いが、回帰前に戦い抜いて培った技術は決して低いものではない。


「えいっ」


 マサキが押さえつけるウッドウルフにイリーシャが魔法でトドメを刺す。


「……流石ですね。ヤマガミさんはウサミさんのことを心配していましたが、そんな心配いらないぐらいですね」


 ケンゴはマサキのことを心配していた。

 そんなに愚痴っぽく漏らすことはないが、マサキがどんな覚醒者なのかカズキに探りを入れようとしたこともある。


 残念ながらカズキもマサキの実力は知らない。

 そんなに心配するものなのかと思っていた。


 病院でカスミを助けてくれたこともあるし、マサキの実力というものが分からなかった。

 しかし目の当たりにしてみると、ちゃんと覚醒者なのだと感心する。


「俺はまだまだですよ」


 弱い相手なら技術でもカバーできるところは大きい。

 だが純粋に能力差のある強い相手には敵わない。


 だからこれからカズキの力が必要になる。


「大丈夫ですか!」


「こっちは平気です」


 ウッドウルフを倒したササヤマたちが走ってくる。


「すいません、撃ち漏らしてしまって」


「いえ、大丈夫ですよ。俺たちも戦うためにここにいるんで」


 マサキたちが来たのも、一応カズキを守る戦力としての役割のためである。

 戦うことも当然だ。


 むしろいきなり緊急で戦わされるよりも、少しずつ戦って慣れておいた方がいざという時も動ける。


「二人だけで全部やろうとすれば、きっと失敗しますよ」


「……そうですね」


 マサキとイリーシャが信用できないのは分かる。

 怪我をさせてしまったり、あるいはマサキたちのせいでカズキに被害が及べば責任はササヤマに降りかかってくることだろう。


 実力も信用ができるかも分からない相手を上手く使う自信がないなら使わない。

 避難するつもりはない。


 だが今回は多少信用してもらわないと困る。

 二人ではあまりにも人数が少ない。


 警戒して、戦って、広いゲートダンジョンの中でカズキを守り抜くにはキツすぎる。

 ずば抜けた実力があれば話も違うのだろうが、ササヤマたちはそれほど強いというわけでもなかった。


 マサキたちも含めて四人でそれぞれ役割を分担して、負担を軽減すればリスクは下げられる。


「……そうですね。そうしましょう」


 今は上手く戦えたが、変にバラバラに動けばリスクが大きくなることをササヤマも理解した。


「ポジションを入れ替えましょう」


「と言いますと?」


「ササヤマさんは俺と前を担当、ウエノさんはイリーシャと後ろを。ササヤマさんがに指示を出して、ウエノさんはイリーシャに」


 もう一人の覚醒者はウエノという女性の覚醒者である。

 ササヤマとウエノの二人が前に出てしまうと、結果としてまたバラバラの戦いになる。


 ここはマサキが前に出て連携をとった方がいい。

 逆にササヤマかウエノのうちのどちらかは下がって全体を俯瞰、状況を把握して周りを警戒しながら動くべきである。


 動きを見るにどちらも接近戦闘タイプであるが、ウエノの方が機動力がありそうなのでこうした提案をした。


「そうしてみましょうか」


「……はは、足手纏いですいません」


 自分のせいで周りが苦労していることはカズキもわかっている。

 一応覚醒はしているのに、全くの役立たずで申し訳なさそうに笑う。


 未来の毒王も今はただ守られる身なのだ。


「いいんですよ。カズキさん守るために来てるんですから」


 正直カズキはいなくても大丈夫だった可能性は否めない。

 しかし完全毒耐性を備えたカズキはこのエリアのあらゆるものに対して何をしても平気なので、やはりそうしたところの強みはあるのだ。


「とりあえずもう少し奥に進んでみましょう。この辺りまだ浅いので。マーレイの生息地はもう少し進んでみないと」


 毒地は面倒だが、一つ大きな利点がある。

 モンスターが少ないのだ。


 理由は簡単で毒地だから。

 毒があるから他のエリアで出てくるようなモンスターは毒地エリアに入ってこない。


 毒に耐性を持つモンスターしかいないから、自然とモンスターの数も抑えられるのだ。

 ついでに植物少なく見通しが良くて、モンスターを先に見つけやすいとかも利点である。


「あれはどうですか?」


「あれは……マーレイですね」


 ササヤマとカズキが双眼鏡で遠くの様子を確認する。

 毒地を奥に進むと少しだけ植物が増えてきた。


 紫色のツタなど触れたくもないような、独特の見た目のものが多い。

 その中で双眼鏡越しに見ているのは黒っぽい大地に生えた白い花だった。


 ユリの花のような、周りの環境に似つかわしくない花が生えている。

 ササヤマが見つけて、カズキが確認したのだが、その白い花こそ探していたマーレイであった。

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