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【第二章完結】神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大
第二章

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毒にも負けず1

「これで大丈夫ですかね?」


「逃げられなきゃ死ぬこともありますからね」


「ああ……確かにそうかもしれないですね」


 軽装になって、少し休憩したカズキの体力もだいぶ回復した。

 防御を固めることにメリットはあるが、一方で動けないというリスクもある。


 攻撃されても耐えられる代わりに、逃げられないのは意外と痛いデメリットかもしれない。

 安心という面でも重装備がよかったのかもしれないけれども、流石に体力が追いついてなさすぎた。


 ウヤマの対応の早さを見るに、最初からこうなることも予想していた可能性があるとマサキは見ていた。


「俺たちも守るからそう心配ばかりしないでくださいよ」


「僕に何かあったカスミが……」


「生きて帰りましょう。そして……病気治してあげましょうよ」


「頑張れ、お兄ちゃん」


 イリーシャも無表情ながら応援する。

 是非ともカスミに元気になってほしいと思うのは、イリーシャも同じである。


 二人で買い物でも行こう。

 そんな話をしていたりもするのだ。


 だから実はイリーシャも内心ではやる気を燃やしていた。

 見た目に分かりにくいだけである。


「毒地が見えてきましたね」


 先に見える光景に変化が訪れた。

 背の低い草地に色々な花が生えていたものが、線でも引いたように草がなくなって黒っぽい地面が見えている。


 それでも草はところどころに生えている様子だ。


「私たちはここで待機です」


 地面が黒くなっているところからが、今回の目的である毒のエリアだった。

 つまり毒が含まれる環境になるということ。


 地面はもちろん、空気にも微弱な毒が含まれる。

 空気の毒は弱くて、長時間いても死ぬような強い効果はない。


 ただ弱くとも毒は毒なので、耐性のない人が長時間晒されることは避けるべきだ。

 ついでに空気以外にも毒はあって、戦ったりすれば毒に冒されるリスクは当然に高くなる。


 どうしても耐性の無い人は入らない方がいいのである。


「それではここからは自分がリーダーを務めさせていただきます」


 マサキたち三人に加えて、毒耐性を持つ二人が同行する。

 笹山章吾ササヤマショウゴという人が全体を率いていく形だ。


 ササヤマは中程度の毒耐性を持っているらしく、フラワーパークゲートの毒エリアぐらいならやられるようなことはない。

 ポーションと毒耐性を上げるアーティファクトを身につけていれば、毒への備えは完璧である。


「マーレイは毒エリアの比較的奥地にあるようです。できるだけ戦闘を避けつつマーレイを採取してきましょう」


 改めて装備の確認をして毒地に足を踏み入れる。

 やはり少し空気感が違う。


「なんというか……少し空気が苦いですね……」


「空気に毒が含まれてるからでしょうね」


 呼吸をするだけで口にほんのりとした苦味が広がる。

 これは空気に毒が含まれているからであり、イリーシャは嫌そうな顔をしている。


「ほら、イリーシャ」


「ありがと……」


 マサキはこうしたことも予想してアメを持ってきていた。

 苦味は続くが、アメを舐めていれば少しは紛れる。


「ウッドウルフです!」


 このまま何もなければ、と思っていたがそうもいかない。

 モンスターに見つかってしまった。


 今度のモンスターは根を張って移動しないタイプではなく、マサキたちの方に向かってきていた。

 一見するとオオカミのような四足歩行の獣タイプのモンスターっぽい。


 しかしよく見るとモンスターは木で出来ている。

 普通の動物っぽいのに植物という摩訶不思議なモンスターだ。


「木なのに吠えてる……」


「なかなか不思議なモンスターですね」


 ウッドウルフは普通のウルフのように吠えている。

 それもまた不思議に思う。


「私たちが戦います! ムラサメさんたちはキサキさんをお願いします!」


 ササヤマともう一人が四体のウッドウルフに向かっていく。

 毒エリアにいるモンスターだが、ウッドウルフは毒を持っておらずそれほど強くもない。


 マサキとイリーシャはカズキを守るようにしながら周りのことを警戒する。


「大丈夫ですか?」


「え、ええ……思ったほど怖くないですね」


 カズキが動揺していないか心配だったが、思ったほど動揺もしていない。

 むしろウッドウルフに興味があるといった感じで熱心に見ている。


 カズキは動く木に研究者的な好奇心を刺激されていた。

 動物なのか、植物なのか、どうやって動いているのかなど疑問が多く、今のところ好奇心の方が恐怖を上回っている。


 本格的に覚醒者として活動し始めてしまえば、奇妙なモンスターに出会うこともおおい。

 一々このモンスターどうなのかと興味を持つことも自然と少なくなってしまう。


「あっ! こっちに来ますよ!」


 一体のウッドウルフがササヤマの横をすり抜けてしまった。

 流石にモンスターが迫ってくるとカズキの顔も青くなる。


「俺の後ろに。近くに毒沼があるので足元にも気をつけてくださいね」


 マサキは剣を構えて前に出る。

 足元には沼というより、水たまりレベルの毒水が溜まっているところがちょいちょい点在している。


 毒耐性を上げてあるので踏み抜いても問題にはならないが、靴の中が濡れるのは嫌なので足元も警戒しなければならない。

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