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【第二章完結】神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~  作者: 犬型大
第三章

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美食家塩屋敬2

「シオヤタカシ……厄介だけど、チャンスのある人でよかったな」


「チャンスが、あるんですか?」


 マサキはさらに場所を移した。

 とりあえず協力することは取り付けた。


 まだ信頼はできないのだけど、あまり時間をかけて信頼を築いていくような余裕もない。

 何かあったら時のためにマスク着用で顔を隠し、カラオケの個室にレイたちも集めて話し合いを続ける。


「シオヤは国内でもトップクラスにヤバい人だと思う。だけど、ただのヤバい人じゃない」


「……どういうこと?」


 トラの仮面をつけたイリーシャが首を傾げる。


「シオヤは簡単に人を殺す。たとえ警察だろうと、覚醒者だろうと、あるいは一般人でも。ただし誰彼構わず殺すというわけじゃないんだ」


 シオヤのことはマサキも知っている。

 知り合いではなかったが、共に戦ったことがあるのだ。


 強力な覚醒者であったシオヤもかなり長いこと生き残っていた。

 悪人だとか善人だとか言っているような場合じゃなく、みんなで戦わねばならなかったのである。


 中でもシオヤは取扱注意な人だった。


「邪魔するなら殺す。これがハッキリとラインである人なんだ。普通の人なら少し不愉快とか怒るようなところで、シオヤは殺すとなる……そんな人」


「なかなかぶっ飛んだ人ですね……」


「それのどこにチャンスあるんですか?」


 ダイチは苦笑いを浮かべ、レイも困惑したような感じである。


「逆に言えばライン越えなきゃ人を殺さないんだよ。ヤマゾエさんの弟が静かにしていれば、少なくとも今も生きてはいる」


「なるほど……?」


「そして相手の言うこと聞けば、解放してくれる可能性も割とある方の人だ」


 用済みの人質を殺すなんてこともあるような話だが、シオヤはそこら辺に微妙な義理がある。

 邪魔しなかったら解放する。


「すごく極端」


「その通り。だけど筋は通ってるんだ」


 強くなきゃ今頃社会不適合者扱いされているような性格だと言える。

 だからこそヤマゾエがちゃんとやれれば弟は助けられる。


「でも相手の要求は名簿なんですよね? 名簿は手元にない……」


 シオヤは名簿を渡せと要求してきた。

 今回で何が邪魔になるかと考えた時に、要求に従わないことがそれに当たるだろう。


 しかし名簿は手元にない。

 だから問題になっている。


「本質的な問題を考えればいい」


「本質的……ですか?」


「向こうの要求は名簿だけど、なんのためにそんなもの要求した?」


「それは……やっぱり私たち……」


「そう、相手の目的は俺たちを見つけることだ。もっと言えば……生配信の秘密だろうな」


 名簿というところに囚われていけない。

 なぜ名簿が欲しいかを考えてみればすぐに分かることで、マサキたちを探すためだろう。


 そしてなぜマサキたちを探すのか。

 それはきっと生配信の方法を知るためだ。


「シオヤが知りたいというより、知りたい誰かがシオヤに依頼したんだろう」


 シオヤは配信する人ではない。

 そもそも犯罪者であるので、あまり顔出しすることもしないし興味ない。


 生配信の秘密なんかにも興味はないだろう。

 それなのに生配信の秘密が知りたいのは、おそらく依頼されたからだ。


 生配信の秘密を知りたい誰かがとうとう過激な手段に出た。

 人殺しも厭わない連中を使って、マサキたちを追いかけ始めたのである。


「由々しき事態だな」


「言葉の割に余裕そうですね」


 ため息をついて腕を組んだマサキだが、レイから見てあまり深刻そうな感じはない。


「……シオヤの対処法があるからな」


「対処法?」


「そんなもの、あるの?」


「正面から戦えば俺が百人いたって勝てないだろうな。でも一つだけ、あるんだよ」


 マサキはニヤリと笑う。


「……なんだか、すごいですね」


「何が?」


 ヤマゾエはここまで押し黙っていた。

 会話を邪魔しないようにとしていたのだけど、思っていたよりも遥かにスムーズに会話は進んでいて驚いた。


 話題だったから追いかけていた。

 しかしこうして会ってみると、思っていたよりもすごい人たちだと感心もしてしまう。


 追いかけていたせいか、少し憧れのようなものも感じ始めていたのかもしれない。

 ちょっとした感動に近い感情もあった。


「私……何も分かんなくって……ただ必死にみなさんに連絡を取ろうとしてしまって。きっと迷惑だったでしょうに、こんなふうに親身になってくれて……話し合いがスムーズに進むのもすごいですし」


 当然ながらヤマゾエは警察に連絡するなと言われている。

 名簿もなくてどうしようもなくなったヤマゾエは、金と時間を使ってマサキたちにコンタクトを試みた。


 しかし冷静になって話し合いを進めるマサキたちを見ているうちに、無理に事を進めようとした自分が恥ずかしく思えてきた。


「そんなにご自分を責めないでください」


「そうだね。マサ……に相談して正解」


 一応招待隠し中なので、マサキと言ってはいけないとイリーシャはギリギリ気づいた。

 もう名前はぐらいはいいかなとマサキは思う。


 仮に名簿を入手していたら、マサキとマサなんて一瞬でバレることだろう。


「ひとまず作戦を練って、どうにかヤマゾエさんの弟を助け出そうか」


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