表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/100

おかえりたぬき!!


ーオヤジ視点ー


疑ってもいなかった…。


いや、それは嘘だ。

アイツが、何処か違う奴だと最初から分かっていたのだ。

心の何処かで知らぬフリをしていただけで…。



巨人となり見下ろした俺の見たものは…。


身体の透けた人間。

小柄なその男は、人柄の良さそうな笑顔でキョロキョロしている。


話す言葉は理解出来るが。

知らぬ言葉だ。


周りに妖精族が集まって来ていた。



思いはひとつだ。



何処か遠い目をした彼に不安が募り、思わず名を問うた。


『ケンイチロウ』


喉の奥に苦味が溢れる。

この世界と全く違う響きを持つ言葉による名前…その意味。


焦る俺の心を察するかの様に鳥たちが集まって来た。

妖精族だけじゃない。


様々なモノに想われているんだ!!

分かっているのか?!


舞う羽毛の中に見える不思議な風景に背筋に冷たいモノが走る!!


「タヌキーーー!!!」


渾身の力を込めて叫んだ。

帰らないでくれ!!

お前が必要なんだ。と…。



不思議な風景の方へと目を向けようとしていた彼の輪郭が崩れ始めた。


身体が、小さくなったその後に現れたのは。。。



タヌキーーー!!!!



妖精族も鳥たちも周りで騒いでいるが関係ない!!


走り出した俺は力一杯タヌキを抱きしめた。


「ん?

オヤジってば、嫁さんと間違えたな。

もう!!

おっちこちょいなんだから。」


いつものタヌキの台詞にどれほどホッとしているかは、顔を伏せて抱きしめているからバレない。



おかえり、タヌキ!!



ーとある呟きー


『ふふふ。

我の与えた『赤い糸』が役に立った様だな。

だが、それの持つ真の力を知るのはまだ、少し先かの…』


その呟きに気づく者はなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(^_^ゞ 此処で『赤い糸』! だからオヤジさんは知らない言葉を理解出来たのか‼ [一言] やっぱりタヌキくんが居れば、嫁さんは要らなくない?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ