ランスの護衛業務?!
ーランス視点ー
パパラヌの護衛役。
聞き慣れないこの役目は本当は大変重要な仕事だ。
それは、ゼルグフ様の大切な家族だから…それだけではない。
あの能力…。
この巨人族の国にあって、あんなにもあっさりと洗脳を解くとは。
元々、頑迷な性格の多い巨人族。
しかし、アレでは…。
カラ様が降らせたポンガシのお陰で、街の彼方此方から悲鳴にも似た歓声が上がった…らしい。
その上、花…。
何を望んだのだろう。
パパラヌのする事が分からない。
ガンゼルとか…御伽噺だと思ってたよ。
洗脳が解けた!!
と、帰ってきたカラ様だが、街の本当の状況は不明のままだ。
そこで…偵察隊だ。
しかしだ!!
何故、偵察隊にパパラヌが?!
目立たないのが第一の偵察に於いて、この超目立つパパラヌと二人連れって…。
「お守りだ。
此奴に付けた防護魔法は、かなり強力なモノ。異変があれば一瞬で、俺が跳ぶ!!」
断固とした口調のゼルグフ様。
カッコいいけど…内容は単なるパパラヌ馬鹿では(親バカとも言うが)とツッコミたい。
「まぁ、タヌキが買い物がしたいらしいのだ。俺は、あの国では目立つ。
カラなど論外だしな。
ランス頼む」
。。了解しました。。。
それで分かったよ。
パパラヌがソワソワしてる理由が…。
とにかく、はぐれない様に何度も言ってパパラヌと街中へ。
巨人族の国だが、街中は普通の人間も多い。
厳しかった門番の検問も終わったらしく、大勢の人間が商売をしに来ていた。
「お兄さん!!
見てくれ…アレ欲しい!!」
指差すのは、むぅ。アレですか…。
単なる偵察にしては…大き過ぎないか?
布団一式?!
「花嫁道具だろ?
コレしかない。因みに俺もアレが欲しい!!」
あー、ダメだ。
毛布にしがみついている。
とにかく、人目についたので金を渡して後で取りに来ると約束してその場を離れようとしたその時!!
「お姉さん!!
久しぶりだね。
あれから連絡くれないから、物凄く残念だったよ。
でも、電話とか言っちったからな。
連絡出来なかったんだよね?!」
ガシッと掴むのは、絶世の美人で。
しかしだ。
あれほど嫌そうな顔の人…見た事ないよ。
「お前…あの時のパパラヌか!!
この変装を気付くとは、やはり只者では無いな?!」
その言葉に彼女を見れば…居ない?!
消えたのか…。
周りを見れば、
掴んだ服だけ残されて、彼女は消えていた。
緊張が走る。
不味いな。いよいよ事件吸引器のパパラヌの本領発揮か?!
え?
パパラヌ…居ない??
もしや、アイツが。
不味いぞ。
これではゼルグフに合わず顔が無い!!
焦る俺の身体から冷や汗が噴き出る。
トントン。
ん?
今は忙しい。
後にしてくれ!!!
「お兄さんってば、ココだよ!!
大丈夫。さっきのお姉さんは俺の分身が付けてるから!!」
そう、俺に伝えたい本人は,小さい。
いや、そんな生半可なモノでは無い。
親指程の大きさになったパパラヌがいたーーー!!!
ーたぬき視点ー
いたーーー!!!
あの時、リリが連れてきてくれたお姉さん。
もしかして、オヤジを追いかけてここまで…??
くぅ!!!
女心に感動してたら、お姉さんが謙虚過ぎを、発動して消えようとしてた。
だから…変身!!