『ダラ』からの使者?!
ーとある呟きー
そろそろ仕上げの時期かもしれん。
こんな場所にいつまでも居るなど我慢ならんしな。
しかし…。
人間と言うモノは、何というあっさりと騙されるモノなのだろうか?
吾輩の洗脳の能力は無論、無敵だが。
街全体を染め上げるほどの念波は送っておらん。
噂を信じる生き物だとは聞いていたが。
まあ、あまりにあっさりと任務終了で少し肩透かしを食らったわ。
ま、後は…
ーオヤジ視点ー
この様な形態の家など見た事はない。
ツリーハウス…。
見知らぬ言葉を使う時、タヌキは少しいつもと違う。
何というか…そう、遠くに感じるのだ。
だが…。
今は気が遠くなっているかもしれん。
地の精霊?!
しかも、呼び出してただ働きしてオンセンを作らせていたな。
コレは以前、養命草入りの風呂と同じなのか?
あの時の強烈な効果で、昏倒した日を思い出す。目覚めた時の、身体の完全なる復活ぶりも…。
あ!!
目を離した隙に、オンセンへタヌキが何か投入した?
何を…?
ん?
鳥の卵??
いや、タヌキよ。
こんな熱い湯の中では、雛は孵らないぞ?
ん?
無精卵??
何の事だろうか?
オンセンタマゴが必要とは?
それよりも、戻ってきたグフ殿の変貌ぶりに驚愕させられた。
さすがは、巨人族。
かなりの身体の大きさで、カラに近いな。
「違うのです!!
自分は、血筋に魔法使いを持つ小柄な巨人族なのです。
その上…過酷な逃亡生活で痩せ切ってかなり弱っていたのが。
この湯はなんです?!
私は…」
言葉に詰まるグフ殿にカラが優しく背を摩る。
タヌキがそんな風情を見てやたらと騒いで俺の背を撫ぜるのは何故だ?
「オヤジ…。
失恋に続き、カップルに見せつけられる。
その苦しさは、俺には分かる。
合コンの失敗ならば…ん?
合コンってなんだ??」
タヌキが一人でぶつぶつ言う間に聞いた王宮の様子にザリ様が一言。
『遂に奴らが動き出した、急がねばなるまい』と。
ザリ様の言われるこは、恐らく『ダラ』からの使者。
。。。
考え込む我々に、またもやタヌキが連絡係と呼ぶ金色の鳥が舞い込んできた。
「オヤジ!!
喜んでくれ。もうすぐ助っ人の登場だから!!」
タヌキの呼んだ助っ人…。
やな予感に冷や汗が出るも、意外にも大変有難い人物たちが金色の小鳥に運ばれて来ていた。
そう。
グラセルと同じ様に。
ランス…。
冒険者一行の到着だった。
だが、その背に背負っているモノは?
タヌキが「ソレ!!待ってたんだよー!」
と、叫ぶのをランスが苦笑いで見えた。




