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パパラヌはパパラヌだった…?!


ーカラ視点ー


目が覚めたパパラヌの最初の一言は…


「お出掛けの時は、メモを残さなきゃ!オヤジがハゲちゃう!!」だ。


責任を痛感して脱出方法を探していた俺の心持ちなんてナンノソノ。

さすがゼルグフの家族だ。


どんな時もマイペース。


しかし、パパラヌの「お腹空いたね。ご飯、食べよ!」には、参った。

眠り粉を使われて攫われた俺たちは、数十時間前に食べたきりだ。

お腹など空いて当然。


切なそうに見つめるパパラヌに胸の奥の良心が疼く。

す、すまない。

俺が不覚を取らなければ。


そんな反省の最中にいる俺など、ナンノソノ。


何処から、ソレが?!


その名も『お握り』

ゼルグフ作製の絶品料理だとリリラル様に聞いた事がある。


だが、我々のためになど決して作らないゼルグフだ。


その!!幻のお握りがソコにある。


パパラヌは、米粒に付いて熱く語っているが、いつも通り…意味は不明だ。



この状態を全く気にしていないパパラヌに、肩の力が抜けるのを感じた。


とにかく、パパラヌがお握りをどこから出したかよりも腹ごしらえが先決だ。

我々、巨人族にとり食事は戦う為のバロメーター。


パパラヌが差し出した小さなお握りを有り難く戴く。


美味い!!!


ゼルグフの料理上手の噂は本物か!!

なんと多彩な才能だ。



ん?


なんだ?!



身体の底が熱い。

まるで灼熱の様で、息が上がる。

ふうふう…。


息継ぎを意識しながらでなくば、呼吸自体が止まりそうだ。


やがて灼熱は、身体中を巡りだし身動き一つ取れなくなる。

ジッとしてひたすら耐えていたら。


ぐわっ!!!!!



身体が爆発する!!


目を閉じてその瞬間を待っていたら…。


元の身体だ…。


いや、元々より大きくなった気がする。

3m位の身長が10mを優に超える巨大な身体?!


先祖返りか?!!


馬車は木っ端微塵になる。



は!!


パパラヌ!!


なんと言う光景かぁ。


お握りを小鳥に蒔いて遊んでる?!


よそ見をする俺にジャンセの怒号が飛ぶ!!


「余裕だな。

どんな魔法を使ったか分からないが目眩しなど通用しないぞ。

まぁ、良い。

関係ないお前は許してやろうと思ったが、本気で殺ろう(やろう)」


そう言うなり誘拐犯ジャンセ達一行は、戦闘態勢となり殺気はMAXにしてこちらへは襲いかかって来た!!


マジか!


全く感じない。

あの『業火の焔』がだ。


勇者しか扱えぬ火属性最大の奥義。


『業火の焔』を勇者の剣に纏わせての一振り。


あらゆる悪を無に返す。

そう言われる一撃。


効かないどころではない。

感じないぞ!



ふふふ。

さあ、馬鹿共め。

今こそ巨大族の本領をお見せしよう。

ゼルグフが来る前に…。


圧倒的な実力差となる戦いに退屈ささえ感じていた俺は油断していた。


一人…パパラヌの方へ向かっているのか?!


不味いぞ!!

ま、間に合わない…。


焦る俺を他所に、この瞬間を狙ったのか、ジャンセが執拗な攻撃を繰り返して行手を阻む。

かなりの深手を負ったのに、捨て身か?!



「奴ばかり、幸せになどしない…」

ゾッとする様な恨み言がジャンセからした時!!



ソレは起こった。



パパラヌはパパラヌだった。


俺はソレをしみじみ味わったのだ…。



ーたぬき視点ー


そうか!!

レレベーナに貰った鈴だな?!


仲間たちと音楽会をする時のモノだったのかぁ。

なるほど、仲間たちが…!!


鈴の音と共に沢山のたぬきが集結したんだ!!

皆んな、やる気満々だ!


あれ?

馬車会社の人もアングリしてる。


よし!!


お詫びも込めて、アレしかないな!!



『腹太鼓』!!!


輪になった仲間のたぬき達が、やる気満々に腹太鼓と共に踊ってるぞ!!


うんうん。


最高だよな!!


ピッピピー、ピッピピー!!


ん?

小鳥たちも参戦か?


楽しいなぁ。


あ!!!

オヤジ!


何をそんなに呟いてるんだ?!

そうか、歌を歌いたいんだな。


カラオケ最高だものな。


更に生演奏とくれば…よしよし。


街中の人々が来てるから、嫁探しには最適かも。



「一曲どうぞ〜」


ため息は、歌じゃない。

オヤジめ。


あがり症なのか…(だからお嫁さんが遠ざかってるのか?!)


仕方ない。


俺がやるしかない!!


「ランランラン♪♪♪」…


んん??


あれ?仲間たちは?

小鳥たちは?

街中の人々は?



だーれも居ないけど。

オヤジは?


た、倒れてる?!

え?


偽巨乳も、馬車会社の人も倒れてる?!


仕方ないから、俺はオヤジの横でお握りの続きを食べていた。


しかし…

道端でお昼寝とは、お子様だなぁ、オヤジ!!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(^_^ゞ 状況を把握しきれていないのですが、一先ずジャンセと勇者一行といった脅威は去った感じですかねd(⌒ー⌒)! [一言] たぬきくんが動けば事態が動く(´艸`*)
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