オヤジの焦り?!
悩みがある。
だってさ。
オヤジとお嫁さんが喧嘩をしたんだよ。
でも、その理由が分からない…。
オヤジに尋ねれば、知らないと言うし。
お嫁さんは、拗ねて姿を見せないし。
やっぱり、オヤジの焦りが原因だなと気づいたよ。
いくら何でも、もう教会はな。
赤い糸も、苦労が絶えないなぁ。
仲直りさせるいい手が見つからない。
だから、大好きなドングリ拾いもいつもの迫力で頑張れないよぉ…
「タヌキ。
焼き飯が出来たぞ!ほら」
オヤジ。
そのカラ元気…痛々しいぞ!!
でも…美味い。
これじゃあ、オヤジがお嫁さんに行けそうで怖いよ。
ヤケなのか?!
オヤジ…。
それから数日。
やっぱり、お嫁さんの怒りは解けないまま。
だけど、俺には分かったんだ。
オヤジは、やっぱり諦めてなかった!!
ものすごーーく、先を急ぐオヤジを見てはたと気づいたんだ。
素敵な教会に、女の子は弱い。
お嫁さんをメロメロにする教会なんだな?
なるほど…。
盛り上げようと思ってた俺に大きなチャンスが訪れたんだ。
コレなら。。。
俺、ヤルゾ!!
ーオヤジ視点ー
数日姿を見せない指輪の精。
なんと、清々しい気持ちだろう。
超越した存在という重み。
肩の荷を下ろした俺は、張り切って進むせいかスピードが上がる一方らしくカラに文句を言われてしまった。
深い森を突っ切らなければ、遠回りになる。
だからこそ、この道を選んだのだ。
緊急連絡という形を取った理由を考えると急ぐのは当然だ。
タヌキを背負って、あと2日の距離となる。
その夜、休む場所を探していた我々の前にぴったりの場所が見つかる。
澄んだ湖。
その湖畔には、拓けた場所は落ち葉が多いのだ。
その晩は、ここに休む事にした。
だが、少し戸惑いもあった。
何故なら、何度も通っだ『聖者の塔』までの道は殆ど網羅している。
こんな湖。
あっただろうか?
不可思議な気持ちに蓋をして、この場所を選んだのだ。とってもいい場所を見つけたと心躍る気持ちに急かされて。
そう。
それがオカシイと今なら気づくが…。
事件はその晩に起きたのだ。
その中心的人物は当然…。