『聖者の塔』の秘密?!
ーオヤジ視点ー
タヌキと帰り着くなり、カラが『聖者の塔』からの緊急連絡が来た。
『聖者の塔』
その名の通り、魔力や魔法を神聖なるモノとして捉えた一団だ。
出来た経緯は、簡単。
昔、魔法使いが迫害にあった頃。
それを助ける為に、ある国の王が作ったのだ。
その後、その国自体が『聖者の塔』となった。
多くの魔法使いを、奴隷の様な身分から解放した組織として世界中の魔法使いの頂点にある。
が…。
問題点もあるのだ。
魔法第一主義過ぎる。
それで行けば我が師匠など第一人者なのだが、どう言う訳か認識されていない。
恐らく、認識阻害の魔法…。
やはり、師匠は侮り難し。
「ゼルグフ殿。
如何されますか?」
不安そうなランス。
国を捨てる気か?と問うつもりだろう。
答えは、簡単だ。
ふと、横を見れば満腹の腹を撫でながら舟を漕ぐタヌキがいる。
そう。
答えは出ている。
「ランス。
『ゲランバの森』には、我が家がある。
お師匠様にお預けしているが、タイを釣っていち早く帰りたい。
だが、『聖者の塔』に義理もある。
どうするか…」
お!
タヌキが椅子から転げ落ちそうになったのを寸前のところで抱きとめる。
「オヤジ。
光るのは、やめたのか?
俺は光るオヤジも好きだけどな!」
グー、グー。
え?
まさかの寝た?!
ヒカルオヤジ??
流石タヌキだ。
『聖者の塔』の秘密まで知っているとは。
中心地にある光るモノ。
それは、『聖者の塔』の人間でも一部しか知らぬ話だ。
タヌキでなければ、問い詰めるが。。。
行くしかない。
そうなのだな?タヌキ!!
「カラ。
俺とタヌキは、あの国へ向かう。
但し、問題解決後の自由の保障をお前の名を持って約定して欲しい」
俺とタヌキとカラの3人は、それからすぐに出発をした。
もちろん、目的地は『聖者の塔』
ランス達は、一旦引き揚げる予定だ。
無理に誘ったのだしな。
タヌキは何故か上機嫌だ。
「とうとう、教会か?
塔と言えば、間違いないな。。
うーん。
赤い糸侮り難し!!」
意味不明な事を言うのは、相変わらずだな。
タヌキ。。
だが、あの場所に異変とは気になるな。
しかし、変化は身近でも起こっていた。
あれだけ執拗に現れ口出しをしていた指輪の精が、パッタリと姿を見せなくなったのだ…。




