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河童現る?!

ーランス視点ー



「コレの査定を頼む」


またか。


コレで何軒目だろうか?

この辺りの小さなギルドでは、大鰐などの査定はしないのだろう。

ましてや、竜螢雷など見た事すら無いのに違いない。


ふぅ。

どうして、国まで出るハメになるのか。


国外とは…ロナ様に叱られるな、きっと。


それにしても本来なら尊敬するゼルグフ様との旅。

喜びもひとしおのはずなのだが。



同行者が…大問題だった。

俺のチーム仲間など、初日は幾度も胃薬を飲んでいたからな(治癒の魔法すら効かずに…)


小さい頃からの夢。


それは…

『最高の冒険者もなる』



無論、冒険者であるならば誰でも夢見る事だ。

ガムシャラに努力してその認定を受けて数年が経つも、心は満たされないまま。


原因は簡単だ。


『英雄、ジャンセチーム』


その異名は国内のみならず何処にいても、名を知らぬ者などいない偉業の数々。


今や、この国の裏切り者となったジャンセだが、ゼルグフ様とチームを組んでいた頃の素晴らしさは動かしようの無い事実で。


その業績は、我々の数年来の努力など足元にも及ばない。


そのゼルグフ様との旅。


はぁ。

伝説は本当だったんだな。


恐らく…指輪の精と名乗られるザリ様は、この世界の森羅万象を司る方。


今は顕現してパパラヌと巫山戯会っているが、本来なら近寄る事すら恐れ多い。

そんな伝説の存在と戯れ合うとは。


大物感が凄いぞ!!(チョット引く位だぞ!!) 



 パパラヌ…。



海へと向かう街道を旅する事、数日。


段々と噂になりつつある我々に、街に着くなり依頼が殺到する。

魔獣に苦しんでいた人には我々は救いの神となるようだ。

二つ返事で引き受け、あっさり倒し続けるゼルグフ様。小声でザリ様と一緒にいるより楽だと溢していた。。。理解出来るが。

(それにしても、狩りの戦利品の在庫は増加の一途だ…)


そんな毎日は、俺のチームの仲間たちにも原点を思い出させていたようだ。

もちろん、俺もだ。


初心…。

普通の住民の為の我々だった。


しみじみと理解する事になる。


それにしても…。

こんなちっぽけな森に大鰐がいるモノなのか?


伝説の存在の顕現と言い、何かが動いている気がするが。



しかし、この『のほほん』とした風景を見ていると、悩むのも馬鹿らしくなって来る。

パパラヌとザリ様が川遊びをしている。

水の掛け合いと言う、ありふれた風景。

だが…。



どうしたのだろう…パパラヌが何か叫んでる?


魔獣が出たのか!!

ゼルグフ様も駆けつけるが。


コレは…。


全員が互いに顔を見合わせた。



ーたぬき視点ー


川遊びをしつつ、鯛以外の食材も探している。

何せ、俺の知らない魚が沢山いるのだ。


もしかして、川に鯛もすんでるかもしれない。。しな!!



あーーー!!!!


本当に居たんだ…河童。


頭の皿はないみたいだけど。

手のひらに水掻きがあるモノな。


おぉ?


怒ってる?


なんでーーー!!!



河童は川遊びをしていた俺たちを突然襲い掛かる。


驚く俺にお嫁さんは、驚く事を言ったよ。


『珍しいな。

アレは川のエナジーだ。


まぁ、カッパなどと言うモノでは無い。

お前流に言うならば、川の精霊か?

しかもアレ…怒ってるぞ?!』


確かに腕を振り上げて駆けて来る姿は、ちょっと怖いや。



俺が逃げようとすると、お嫁さんが止める。


あの…腕痛いよ?

どんだけの怪力なんだ?!



『アレの話を聞いてやれ。

お前に会いに必死に出てきたみたいだそ!』



目がギョロギョロした剥げたおじさん風河童に取り敢えず、持っていたきゅうりっぽい野菜を渡した。


『違う!!

野菜が目当てで引っ込み思案の我々が出て来るなんてないからな!!』


ええーー!!

引っ込み思案は、そんなに派手にハゲ散らかしていないから!!



びちょぬれの河童は


『レレナーベが名前だ。ハゲとかじゃ無い!!意味は分からないが絶対悪口だとみた!!

我々の要求を聞いて貰いたい!!』


と、流暢な日本語で。

んん?


お嫁さん?!



オヤジ…不味いぞ!!

昔馴染みに会ったお嫁さんがレレナーベに夢中だそ?!



まさかのライバル登場なの??


励まそうとすると、何故かオヤジがため息をついた。


オヤジよ…任せてくれ!!


オヤジの良さを俺が宣伝するからな!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(^_^ゞ 取り敢えずで出てくるきゅうり。 ヤマトの真田さん並みに用意周到だな(笑) [一言] ランスさんから視て、たぬきくんがザリさんと戯れ合うだけで大物的な存在ならば、…
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