第一話
魔法世界『アークガルド』剣と魔法が存在する所謂ファンタジーの世界
人間と人では無い者達が暮らす、緑と自然に溢れた世界。
巨大な4つの大陸が1つの小さな大陸ともつかない島を囲んで存在している。
そんな、『アークガルド』の4大陸中北に位置する大陸『アルク』の中央に
栄える古からの大国『セントアジ―ル』、魔族の存在に脅かされるかの国によって
約400年ぶりに『勇者』が召喚された。
Said Yuki
初めまして・・・・・と、言うのは可笑しいだろうか?
私の名前は夜潟 唯、何処にでも居るごく普通の高校生だ。
もっとも、友人達に言わせると私は全く普通ではないらしのだが、
確かに容姿が優れているからとよく告白される事はあるが・・・・・・・だからと言って
私が普通でないと言うのは些か横暴なのではと思う。
そんな私だけれど、生まれてから16年・・・・・・・初めて普通じゃない事態に遭遇した。
「ようこそおいで下さいました勇者様」
突然目の前が光ったと思ったら石造りの神殿みたいな部屋に
明らかにファンタジーな恰好をした少女にローブ姿の魔法使いっぽいの、
其れから剣を手にした騎士甲冑・・・・・・・うん、普通じゃないな。
しかし此処は何処だ? 如何見ても日本じゃ無い。
日本と言う可能性も無くもないけれども・・・・いや、出来れば日本で
無い方が私としても有り難いんだが。
「聞いて良いかな? 此処は何処だろう?」
一応聞いておこう、『勇者』と呼ばれた様な気もするが・・・・・・果たして。
「はい、『アークガルド』に浮かびます大陸『アルク』が中央に在します
古よりの大国『セントアジ―ル』の神殿です」
『アークガルド』・大陸『アルク』・大国『セントアジ―ル』・・・・・聞いた事が無いな。
やはり、異世界とか言う奴なのだろうか?
だとすれば何故言葉が通じているのだろうか? 彼女が話しているのは
日本語なのか、それとも私が話しているのが日本語ではなく彼女達の言葉なのか。
分からないな、まぁ分からないのならば尋ねれば良いか。
「間違っていたら悪いんだが、私を『勇者』と呼んだだろうか?」
「はい、ですが正確に申し上げれば勇者となって頂きたいという事です」
私の質問に少女が答える。
『勇者』と確定する訳では無く『勇者』になって欲しい・・・・・・・・か。
良くある物語の様に召喚時には既に『勇者』では無い訳だ、
私には選択の余地が有るというわけか。
それならば
「では、詳しく話してくれないだろうか?」
私は選択する為に少しでも情報を集めるとしようか。
Said Syaron
私はセントアジ―ルの第一王女、
シャロン・クレプタ・イシュヘロン・セントアジ―ルと申します。
あら、私は一体誰にご挨拶しているのでしょうか?
まぁ、よろしいですわねこの様な細かい事は。
私たちの世界の人間は長きに渡り『魔族』と争ってきました、
いえ『魔族』によって私たち『人間』がその平穏を脅かされていると言うべきでしょう。
しかし、それも後少し・・・・・・・今宵『勇者』と成れる方が漸く召喚される、
私が見つけた嘗て『勇者』を呼びだしたという『召喚魔法』によって。
「姫様、お時間です、間もなく魔力の充填も終了いたします」
「・・・・・・・・・・・・・分かりました」
脇に控えた宮廷魔法士が、声をかけてきました。
見ると昨日から描き魔力を溜めてきた魔法陣が薄く発光しだしています。
「では・・・始めます」
「「「ハ」」」
魔力の充填は十分、唱えるべき呪もこの『召喚魔法』には無い。
ただただ祈る、私達の事を救ってくださる方が訪れてくれる事を。
少し時間が経ち私達の精神力が尽きそうになった其の時、
魔法陣の光が圧倒的に強くなりました。
目が焼けそうに成るほどの光が収まった時
「・・・・・・・あぁ」
思わずため息が出てしまう、魔法陣の有った場所には人が立っていました、
今まで感じた事の無い程の大きな力の気配。
「ようこそおいで下さいました勇者様」
私の声はきっと震えていた事でしょう。




