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終末から始まる物語  作者: 風間流治
七不思議編
31/238

7つの怪談との対決(終幕)

信「終幕か~。」

紅「終幕です。」

「明日から楽しい冬休みが始まります。皆さん、風邪に十分注意して、

新しい年、新しい学期に元気な姿を見せてきださい。

それでは、皆さん、校歌を斉唱し、解散とします。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

XX第一小学校7つの怪談の⑦



人気のない体育館。この体育館には魔女がいるという。


オズの魔法使いのようにいつもは顔だけ。


その顔は魔女の割にはきれいだという。


その魔女は、常に舞台上にいて、舞台下の様子を面白おかしく見ているという。


そして、時々、子供たちの魂を一部を喰らうという。


魂を食べられた子供は、夜な夜な家から飛び出し、


魔女の命令で、喜劇を演じさせられるという。


そして、魔女の気分で、子供はときどき食べられてしまうという。


食べるときだけ、姿を見せるその姿はまさに人面樹のようだという。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「また、連絡するね。」


「またな。」


流治は友達と別れて、玄関で、忘れ物がないかを確認していると、

学校行事の撮影に来ていたカメラマンに声をかけられた。


「君、申し訳ないんだけど、体育館に忘れ物をしたみたいだから、

 探してきてほしいんだ。私はこれから、先生とお話しがあるから、

 探しに行けなくてね。」


「そうなんですか。いいですよ。でも、体育館のどのへんですか?」


「ああ、それなら、心配はいらない。もうすでに3人ほど声をかけたから、

 一緒に探してくれ。」


「そうですか、わかりました。」


流治が体育館に向かうと、確かに、同じ学年の子が3人、

思い思いの場所を探していた。流治が壁際に沿って探していると、


ーブーンー


ーガラガラ、バターンー


急に重たい耐震防火扉が、勢いよく閉まる。


そして、非常口用の扉も


ーガラガラ、バターンー


勢いよく閉まった。


ーシャーー


窓に設置された暗幕が広がる。


『フフフ。アハハ!良い。良い。上質の魂がそろっている。』


でっかい、女性の顔が舞台の上に現れる。


「きゃー!」


舞台から離れるように体育館の真ん中にみんな集まった。


『さあ!我が友よ。今から我が魂を取り出す。その魂を我に持ってくるのだ。』


<風鎧>


ーパキンー


ーどさ、さ、さー


『む。一人失敗したか。まあ良い、6人でかかれば持ってこれるであろう。』


<<隔絶>>


薄暗い周囲から、動く人体模型と骨格標本、水着を着た血だらけのうろこの女性、

紅い服を着た女の子、人の形をした竹、継ぎ接ぎ・ノイズだらけののっぺらぼう、

包丁をもった紅いエプロンの男性が現れた。


「うえ。7不思議の怪異!」


それらが、見えない壁に当たりながらも、歩を止めず、唸り声を上げながら、

バシバシとたたく。


『ほー。術師か、幼いながらやるではないか。

 さて、いつまで我が領域で耐えられるかな。』


「うわーん。(T_T)」


『フハハ。さあ、さあ。その魂をよこしなさい。』


「いやぁ~あ。怖いよう~。(T_T)」


流治は泣きながら、同級生たちの魂を抱えて泣く。


「エル・アル、いつまでこうしてればいいの~。」


<<泣くなよ。一応、お前の方が強いんだがな。>>


「そんなこといったって~。ぐすっ、ひっく。」


そんな様子を見ながら女性は思った。


(ふふっ。あの術師のたわごとを信じたかいがあったは。

 今回は上物ぞろいじゃないか。)


「六花~。」


(ふ~、どうしよっか、エル、アル。)


<<どうすっかな。あと、少しで元に戻れそうなんだよな。>>


ーパキンー


見えない壁に亀裂が入る。


<<おいおい!これでも、強めにかけたんだぞ!>>


<やれやれ。さすが、榊ですね。境界系の結界では、防ぎきれませんか。>


<<そうか。さっきの風鎧の選択はそういうこと。>>


ーパキンー


<<うへー。もう無理かも。>>


(エル、アル。私がソウルシフトする。)


<異界の門の力は元に戻っていますので、可能ですけど・・・。>


<<どうなっても。知らんぞ。一応フォローはするが。>>


(いくよ、流治!)


「う、うん!」


(「ソウルシフト!」)


「流治!」


(六花!)


ーブブブッー


ーグワンー


<六花!中止してください!>


<<どうした!フレイア!>>


<異界の門の流れは元に戻っていました。そのせいかはわかりませんが、

 今のソウルシフトで記憶の門が開きかけているのです。

 いえ、ソウルシフトだけの問題ではない。

 榊の境界をあいまいにする力も合わさって。そうか!このままでは!>


<<フレイア?>>


<降りてくる。始まりと終わりの創成の神が・・・。>


ーーーーーーーーーしばらく前ーーーーーーーーーー


「ふふふん。」


「秋ちゃんごきげんね。」


「そりゃ!お休みだもの。」


ーブーンー


「!?」


(結界?でも、今は4時25分じゃない?

 まさか、信兄のいう通り、境界の力を使った?

 そうだ、流治は!?)


ーガタン!ー


「秋ちゃん?」


紅葉は勢いよく。教室を飛び出し、玄関に向かい、下駄箱をみる。

靴があることを確認し、近くに流治の荷物があることを確認する。


「どこにいるのよ。」


紅葉は次に4階の図書室に向かった。鍵が閉まっていて、だれもいない。

1階に下りながら、各フロアのフリースペースを見るが、どこにも見当たらない。


「そんな。」


「あら、風間さん。流治君なら先、ほかの子たちとそこの階段で、

 体育館に行ったわよ。」


養護教諭の先生が、指したのは、特殊棟のプール横の階段だった。


「あ、ありがとうございます。」


「いいのよ。早く連れて、一緒に帰りなさい。」


「あ、はい。」


紅葉は愕然とした。先の結界は確実に、最後の怪談だ。

流治に何かあったら、確実にが怒られる。

怒られるだけでは、すまされない。恐らく自分を許せない。

紅葉は体育館に急いだ。


体育館の前につくが、扉が開かない


「くぅ~。全然びくともしない」


<たぶん~。結界を~、ずいぶん~、強めにかけて~、いるんじゃないかな~>


盾の器をもつクリスがおっとりとした声で、説明をする。


「じゃあ、どうすんのよ!」


ーブブブッー


ーグワンー


「何!?」


ーパリンー


ーガラガラ、ドーンー


ーぺチンー


「痛~い!」


思いっきり力を入れていた紅葉は勢いよく空いた扉に引っ張られるように、

尻もちをついた。


「痛、た、た。」


尻をさすりながら、開いたドアの中をみる。


「な、何。あれ。」


そこには、いつぞや、見た女性の顔をした、男性の体の人物がいた。


ーーーーーーーーーーーー紅葉が扉を開ける直前ーーーーーーーーーーーー


<降りてくる。始まりと終わりの創成の神が・・・。>


ーギィーー


ーカッー


(私は




誰?)


ーパリンー


ーガラガラ、ドーンー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ここは?ああそうか。ここはそういう場所か。また、ここからやり直すんだ。

概念すらなくなったこの場所からまた。なんかな~。何度目かな~。

このありとあらゆるものが凝縮し、無になっているこの場所から始めるのは、

そうだ、ただやり直すのはやめよう。

今までにない趣向を試してみよう。

魔法のある世界はやった、生命が循環する世界もやった。

無機物だけの世界もやった。有機物だけのの世界もやった。

なんだ、結構”存在する”世界はやったのか。じゃあ、”自身”に手を加えてみよう。

まず、自身の存在と力は分けることはできても、混ざったり消えることはない。

あと、生み出す力と消す力はこの後も使えるようにして、

あとはそうだな、自身の記憶は必要とあれば見れるようにして、

そうそう、大事なことを忘れてた、どんな世界を作ろうか、一番面白そうなのは、

可能性に満ち溢れているのは、これかな魔法が存在し、

ありとあらゆるものが循環する世界。これにしよう、うん面白そうだ。

最後に、なぁ、見てるんだろう。なぁ。考えた通りになっているかい?

面白いかい?これで、自身の魂を2分すれば、君たちとのつながりは切れる

。うまく、制御し、いつまでも続く世界を作ってくれ。では。」


ーパーー


-------------------


「ああ。そうか。そうなんだ。」


<どういうことだ、我々には影響がない?

 違う、過去への記憶の門のアクセスが無制限になってる。

 全体の中の一部に含まれているなら、流治や六花の昔の記憶にアクセスができる。

 これは、>


『姿形が変わろうとも、問題はない。その魂をよこせ。』


6体の異形が迫る。


「流治!?」


「我々は個にして全。始まりと終わりを知りし者。

我が作りし、循環に生まれし異物よ、消え去りなさい。」


ーパっー


6体の異形に手を振りかざしたかと思うと、跡形もなく消える。


『なっ。』


「そなたも消えなさい。」


ーパっー


手を顔に向けたかと思うと、一瞬で消される。


そして、魂を見ると。


「さあ、戻りなさい。」


そう言って、優しく一人づつ、魂と肉体を抱きしめる。


「このままではまずいですね。急いで戻らねば、そうだ!せっかくですし。

”複製”、”創造”。うん、うん、良い出来です。」


そこには、六花の肉体があった。その肉体の手を握り、おでこを合わせる。


「さて、”再起動”」


ーパーー


「やったー。もとに戻ったー。」


「う~。怖かった。(T_T)」


「六花!流治!」


紅葉が二人の元に駆け寄ってくる。


「よかった~。良かったよ~。」


紅葉は流治が無事であることに安堵し、涙を流した。




信「も~み~じ~。」

紅「仕方がないじゃん!」

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