【東北編・第五話】
期間限定で販売している、メロン味のババヘラアイス。秋田県産のメロンを使用しています。
緑と白の2色になっていて、緑の部分はメロン味、白い部分はミルク味。
メロンシャーベットっぽい爽やかな味で、さっぱりしていて美味しかったです。
深夜の風がテントを揺らした。
時折、テントのフライがばさりと鳴るたびに目が覚める。それでも寒くはなかったのが救いだった。東北の夜にしては珍しいくらい温かく、夏の残り香のような空気が漂っていた。
朝6時、海の向こうからのっそりと太陽が顔を出す。鵜ノ崎海岸の海は、朝になると潮が引き、鏡のような水面が現れる。それはまさに“日本のウユニ塩湖”と呼ばれる所以だ。
テントの前で湯を沸かし、インスタントコーヒーを淹れる。
海を見ながら、ひと口。
この時間だけは、どんな美食にも勝る。
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◆ 男鹿半島を目指す
撤収を終え、Z900に荷物を積み込む。今日は男鹿半島の西側をぐるりとまわって、名物「しょっつる焼きそば」を食べる予定だ。
男鹿市街を抜けると、道路はしだいに起伏とカーブが増してくる。海沿いの断崖を縫うように走る道。
潮の香り、そして秋の風。
Z900のエンジン音が心地よく響き、旅人の背中を押してくれる。
途中、「寒風山展望台」へと立ち寄る。名の通り風が吹き抜ける山頂は、一面に360度のパノラマ。鳥海山、男鹿の海岸線、はるか彼方にかすむ青森まで見渡せる。
「ああ、やっぱバイクで来て正解だわ…」
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◆ ご当地グルメ:男鹿しょっつる焼きそば
11時すぎ、男鹿市中心部にある「海陽亭」という地元食堂へ。
狙うは、もちろん「男鹿しょっつる焼きそば」。
注文を終え、しばらくすると湯気を立てた焼きそばが登場。
麺は中太で、モチモチ。具材には男鹿の地魚、イカや白身魚、そして地元産の野菜がたっぷり入っている。
最大の特徴は、塩ベースの“しょっつる”タレ。
ハタハタから作られる魚醤の深みが、麺にしっかり絡み、食欲を爆発させる。
昨日食べた「横手やきそば」がソース系でジャンクな魅力なら、
今日の「男鹿しょっつる焼きそば」は、まるで和風の旨味爆弾。
「うっま……昨日と真逆のベクトルで攻めてくるな」
ひとくち、またひとくちと箸が止まらない。
白飯と一緒に食べても成立するほどの塩気と旨味。男鹿の海が詰まっている感じだ。
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◆ なまはげソフトと、だまこ鍋の誘惑
食後、少し散歩して向かったのは「なまはげ館」。
例の鬼のような風貌の“なまはげ”を展示する資料館だ。
館の隣の土産屋では「だまこ鍋」という見慣れぬ鍋が売られていた。
米を潰して団子にした“だまこ餅”にスープを合わせた、地元の鍋だそうだ。
(今日はキャンプしないし、食べる機会なさそうだな……)
諦めかけたその時、すぐ近くの道の駅「おが」でだまこ鍋定食が出されているのを発見。
吸い込まれるように入店し、小鍋セットを注文。
地元産野菜とだまこ餅が入ったスープ。
しょっつるとはまた違う、民俗的な味わいに舌鼓。
その後、「おがジェラート」でデザート。「男鹿の塩ミルク」を頂く。
「お、ホンノリしょっぱい。甘味と塩味のバランスがいいな」
あっという間に完食。
「秋田、メシだけで住みたい県ランク上がるな……」
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◆ バイクトラブル? エンジン警告点灯
満腹で出たところで、Z900に火を入れる。
が──
「ピピッ」
見慣れないエンジン警告灯が点灯した。
「……マジか」
しばらくアイドリングしてみても消えない。
明らかな異音や異常はないが、不安が募る。
近くの農産物直売所のベンチに座り、スマホで症状を検索する。
だが、正確な原因は不明。
(とりあえず走れることは走れる……)
ちょうど隣でツーリング中の青年がこちらに気づいた。
「何かあったんですか?」
白いCB400に乗った好青年風の彼は、秋田市から出てきた社会人ライダーだった。
「ちょっと様子見てるだけ、大丈夫。……たぶん」
結局、数分ほど会話を交わし、彼は名刺代わりに地元のバイク屋の場所を教えてくれた。
「秋田に泊まるなら、そこが対応早いです。俺もよく世話になってて」
「助かるよ。ありがとう」
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◆ 夕暮れの道を走る
エンジン警告は点いたままだが、問題なく走行できる。
今夜は無理せず、秋田市内のネットカフェに宿泊を決めた。
今までずっとキャンプだっただけに、ひと晩ベッドで寝られるのも悪くない。
途中、地元スーパーで地酒とツマミを買い、秋田市の繁華街を少しだけ散歩。
夜の秋田の街は、どこか素朴で温かい灯りに満ちていた。
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