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影日向くんは引きこもり  作者: しろかえで
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9/23

第9話 いざ!学校へ

アドベンチャーの第一歩は日常から始まります。

ヨッシーとの会話はどうなることになりますやら


楽しい朝ごはんの後、私はラジカセの前に座って、もう一度MDを聴いていた。


「気に入った?」と着替えが済んだセンパイが声を掛けてくれる。


「ハイ! ピッチに立つ前もよく音楽聴いていたんですけど… 同じ感じです。特に1曲目!気分アガります!」


「良かった」とセンパイは既に“真業司”スマイルに切り替えてらっしゃる。


なので、私もラジカセを止めて、立ち上がった。

「私も影日向くんを着てきます」



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映画室のドアを開けると、詰襟を着ている影日向くんが待っている。

「おはよう!杏ちゃん!」

「影日向くん!おはよ」


ちょおっと照れ臭い


「杏ちゃん!今日もよろしくね」

「あ!こちらこそで“し”」と言葉をかんでしまう。


やべっ!と思う間もなく

影日向くんはグニャンと“ういろう”になった。


よし!


グニャン!と被る。


うん!昨日より馴染んでる感じ!


「お待たせしました」と部屋の外に出ると

制服姿のセンパイにぼんやり“オーラ”のようなものが見える。

「?」という顔の私に


「杏ちゃん!私から何か見える?」とセンパイから聞いてきた


「ええ オーラみたいな…」


「それはね。影日向くんに対応できる人から発する“何か”なの。 そのうちに影日向くんを着なくても見える様になるわ」


なるほど… これで探せるんだ…



--------------------------------------------------------------------


教室に入ると、吉井花織(ヨッシー)がもう来ていた。


私は目で挨拶して席に着き、カバンを机の上に置く。


だけどヨッシーはまだこちらを見ている。

「?」


影っち(かげっち)さぁ~!自分の席忘れた? そこ杏だから」


あ! いけない!!


「ワルイワルイ」 変な感じにならないように“影日向くんとして”立ち上がる。


「自分の席、忘れないくらいには学校来なよ! だいたい影っちが前だと、ワタシ黒板見えんし!」


ヨッシーに「そっちでしょ!?」と指さされた席にカバンと移動すると

ヨッシーは軽くため息つく。

「影っちさぁ 勉強とか大丈夫なの? スマホ持ってんなら、写真撮りな。私のノート貸すから」


スマホ? って影日向くん 持ってるのかしら?


と頭の中で優しい声がした。

『左の腰ポケット フタ付きの… パスワードは言ってあげるから』


「あ、吉井さん! 取りあえず昨日分のノート、持ってたら見せてくれる?」


「あ~ 全教科あるよ。杏に見せようと持って来ている」


クチは悪いが、ヨッシーは誰に対してもイイヤツだ。


ヨッシーゴメン! 杏は今日も“校外活動”で居ないのだ。



--------------------------------------------------------------------


ようやく午前の授業が終わった。


でもこのノート、人には見せられない。


前のページまでは、字の特徴は微妙に違うけど、みんなペン習字みたい。

きっと“誰”が書いても違和感がないように字の特徴を合わせているんだ。


今はまだ鉛筆がうまく使えず、グニャグニャだから、杏の字にも似ていないけど

慣れてきたらペン習字の練習もしなきゃ


「影っちさぁ ご飯どうするの?」といきなりヨッシーから言われる。


「オ、オレ? あ、おにぎり持ってきてるから」


「じゃあさ!一緒しない?」何だか意味ありげだ。


杏の机をくっつけて私は逆側から座る。

「吉井さん。さっきノートありがとう」

「ヨッシーでよろ!」

「ヨッシー ノートきれいだね。読みやすいし」

「んー ほら、ノート見せてあげるって言ってさ!汚かったりするとね。相手もヤじゃん!」

「ヨッシーっていいやつだな」

「惚れた? 影っち、気が多くね? 杏のことも好きだったりするし」

「え?! なんで」

「なんでって! 学校来るたびに杏のことばっか見てんじゃん」


そうなんだ… 見ていたのは学園長先生かな センパイかな


「…いや そういうことは 無いと思う よ」

「またまたぁ~ 杏のどういうところがイイと思うの?」


自分のいいところなんて! わかんないよ!

私は一所懸命に頭を回した。自己紹介タイムの時とか、何言ってたっけ?!


ヨッシーは影日向くんとしての私の顔をマジマジと見て聞いてくる。

「かわいいから?」


いやいやいや それは無いでしょ!

でも影日向くんの立場でそれは言えないし

ごちゃごちゃになってきた。


「えっと!サッカーでケガしたって言ってたから。大変なんだろうなって見てたのかも」


「あ~サッカーね。うん!凄かったらしいよ。ウチのオヤジ、スーパーやっててさ。そこの精肉部の部長さんがファンで。杏にサイン書いてもらったって言ってた」


「へえ~」 (私も知らなかった)


「そんな、感心バッカしてないでさ!」

とヨッシーは真顔になる

「ね!聞いて! 杏は可愛いし、すっごくいいコだからさ。きっと他にも好きになってるヤツいると思う」


いやいやいや、絶対ないって!!


「影っちって、イイやつだと思うからさ。私はキミから応援してって言われたら。応援する!だけどちゃんと杏のこと見てあげて。影っちには影っちの理由があるのかもしれないけど。好きになるんなら。もっと学校にも来てさ。杏の事みてやりなよ」


ヨッシーの言葉にジンと来てしまって思わず口に出てしまった。

「アリガト…」

慌てて言葉を繋いだ

「よく考えてみる」


「よし!」とヨッシーは笑顔になった。

「口開けて」

「?」

「いいから」

言われるままに口を開けると、だし巻き卵を放り込まれた。

「私の鉄板メニュー。で、杏も好き」


ありがとう!ヨッシー!♡


周りを幸せにする杏ちゃんは、周りの人にも恵まれる。

素敵だなと 思ってしまいます。(*^。^*)


ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、切に切にお待ちしております!!



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