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やっぱり根強い人気!「男爵」

以前にエッセイ『栄える品種、滅ぶ品種』にて、少々じゃがいもの話をした。皆様おなじみの男爵いもという品種はなぜか日本でだけ150年に迫る超ロングセラー品種であり、他の新品種がどれほど出てこようともトップを走り続ける実に強い支持があるのだと。


じゃがいもは新しい性質が表れやすい植物であり、品種ごとに実に様々な特性を持つ。今回は私が育てたことのあるじゃがいもの品種5つについて話をしようかと思う。

当然であるが育てた人間の独断と偏見にまみれたいち百姓の体験談だ、テレビCMなら※個人の感想です。と断りが入るようなものばかり。実際にどうであるかは、是非栽培を試して、あるいは購入して調理し味わって確かめていただきたい。それでは始めていこう。


まず1つ目は、やはり男爵から始めるべきかと思う。英名「アイリッシュ・コブラー」。大抵の人なら聞いたことがある品種ではなかろうか、未だに日本のじゃがいものトップエースだ。

八百屋の売り上げをみてもほぼ半分くらいはこの男爵いもである。新品種が出てきても地盤の強さが中々揺らがないあたりがスゴイ。あと100年はじゃがいものレギュラーはこの男爵ではないかなと思う。


この男爵いもは、育てるにしても安定感のある品種だ。当たり外れが少なく収量が下がりにくい。ちょっとくらいの天気のイレギュラーには負けないし、肥料もごく少なくて良いのがさらに優秀。私の住む地域では5月半ばに種芋を植えて、梅雨明けに収穫する。何となくじゃがいも掘りと言われると、小学生のころ、夏休みの1発目のイベントだった記憶がある。終業式の次の日、早起きして涼しいうちに掘りとって、コンテナに収め陽の光を浴びないように土蔵へ土付きのまま運び込むのだ。そこでコンテナのまま並べて扇風機で一番弱い設定の風を丸2日ていど送り続け、ざっと乾燥させる。お盆くらいまでは掘りとった時に傷がついたりして腐れる芋が少しずつ出続けるため、しょっちゅう様子を見たほうがいい。かつてじゃがいもと言えば男爵というほどシェアが圧倒的だった時代には、百姓の子供はそんな生活をしていた。


というわけで男爵の育てやすさは確かで、ハズレ年も少ない優秀なじゃがいもだ。食べるにあたっては、でんぷんが多いホクホク系と呼ばれる食感が特徴的だ。じゃがいもはカレーや肉じゃがに使った際の煮崩れの具合がどうかという点に注目して語られることもあり、男爵はわりあい煮崩れしやすい性質がある。日本人はこの男爵の性質を基準としてほかの品種と比べる傾向があるため、男爵の味と比べてどうである、という表現で様々な品種の説明をすることも多い。


栽培と味の面で全体的に優秀な男爵いも。彼に強いて難癖をつけるとすれば、使いやすさのほうではやはり古い品種であることを感じる瞬間がしばしばある。


いもの形状が凸凹が強く、皮が剥きにくいのだ。これは男爵いもでは避けられぬ()()()であり、人気品種でありながら実は主婦層を中心に使いづらくてあんまり好きじゃないという声もまれに聞かれる。


さもありなん。皮むき器では絶対に剥き残しが出る男爵いもの形は、確かに毎日のごはんに使い続けるのにやや面倒なのは否定しようがない。包丁で剥いていても「あーっこれ面倒くせぇ」となる瞬間は私にもある。全国の芋の皮剥きが面倒くせえと感じる皆様、暇庭宅男は皆様の声に強く共感しています。そして別に面倒くさくないよという皆様へ心からの敬意を表します。


……これ短編にしようと思ってたんですが、1品種で1200字超えるようなので、読みやすさを優先し急遽連載にします。なんで俺はこう計画性がない連載を始めるのだろうか……皆様、よろしければまたお付き合いください。

何となく書いていたらこれ6000字超えるな?と気が付き、以前の連載の反省はどこへやらまた全くノープランで始めてしまった。


男爵の話に戻るが、男爵の花は丁度よい可憐な紫色で、栽培ついでに花を楽しむのにもいい品種だ。えんどう豆なんかと同じく、食べる以外の楽しみがある品種はなんだかお得な気がする。そういう意味でも男爵は家庭菜園に強くオススメできる品種だ。

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― 新着の感想 ―
男爵いもで作る粉ふきいもとポテトサラダがすきです〃▽〃 食べるためなら皮剥きがんばりますよー!←食い気で生きてます
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