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2巡目「2位じゃダメなんですか?」

「今日は前回の紅葉台に引き続き、悪路の話をするよー」

「それって需要があるのですか?」


「今回は漫画『mono』単行本第2巻46ページ、『大弛(おおだるみ)峠』の話だよ」

「峠? えっ、またおねえちゃんの運転で行くのですか?」

「何怖がってんの!? いや今回は車の持ち主からストップがかかってなぁ……」

「よかったのです」

「なので今回は特別ゲストの登場でーす」


「はぁーい、皆さんこんにちはー! いづみと貴音ちゃんのママ、尾白茅乃・永遠の17歳でぇっす!」

「おいおい、オマエは井●喜●子か!?」

「……(おっぱい)弛峠が来たのです(ぼそっ)」

「何か言ったかなー貴音ちゃん?」

「なっ、何でもないのです(聞かれたら●されるのです!)」

「でも何で母さんがついて来るんだよ?」

「あの峠は初心者のいづみには運転できないよ! それに私の車を傷つけたらどうなるかわかってんだろうな!?」

「う゛っ、わ……わかったよ」



 ※※※※※※※



「大弛峠は標高2,365m、山梨県山梨市(旧牧丘町)と長野県川上村を結ぶ峠道なんだよねー」

「ママさん、monoの46ページの絵には階段が描かれているのですが……車で行けない場所なのです」

「いいところに気が付いたねー貴音ちゃん! さすが私の()()()♥」

「一応、私も娘なんだが……」

「あれは『夢の庭園』という自然にできた庭園なんだよねー、大弛峠から歩いて15分ほどで行ける景勝地だよ」

「へぇー」

「大弛峠は他にも金峰山への登山口としても有名だね」

「母さん、そこって()()()()()()()()()()()()って書いてあるんだけど……」

「んー、ちょっと違うかなぁ」

「「えっ……」なのです」


「実はね、自動車が通れる日本最高所は岐阜県と長野県の県境にある『乗鞍スカイライン&乗鞍エコーライン』なんだよ」

「あっ、それmonoでスケボーダウンヒルやった場所なのです」

「そう! ここは標高2,716m、断トツで日本最高所なんだけど……あの漫画でも書いてある通りマイカー規制があるんだよねぇ」

「じゃあマイカーで行ける日本最高所なのか……」

「ところがぎっちょんちょん」

「古いな!」

「実はマイカーで行ける日本最高所は『富士山五合目』で標高2,380m!」

「やっぱり富士山なのですぅううううっ!」

「しかも静岡県側!」

「何だって!? そこで負けたくねぇな……2位じゃダメだ!」

「富士山スカイラインなんだけど……ただね、ここは終点なんだよ」

「えっ?」

「つまり峠道じゃない。ちなみに乗鞍も峠の形状してるけど峠道としては認められていないらしい……つまり大弛峠は文句なしに()()()()()()()()()()()()の『峠』なんだよ!」

「「何かびみょー……」なのです」



 ※※※※※※※



「着いたよー」

「み……道が狭くてすれ違いが怖かったのですぅ!」

「あれ? 駐車場に車がたくさん停まっているけど……人が見当たらない」

「あぁ、いづみ! たぶんこれは金峰山の登山者か夢の庭園を見に来た人たちの車だと思うよ」

「そっか、場所的には駐車場が広い気がするけど、シーズン中は満車になることもあり得るね……って貴音ちゃん、何食べてんの!?」

「近くの山小屋さんでソフトクリーム売っていたのです」

「油断も隙もねぇ! じゃあ私も買いに……」

「いづみー、そろそろ出発するよー!」

「あぁーっ! 茅乃(かあさん)もしれっと食ってんじゃねーか!? 私の分は?」

「えっ、オメーこの前ダイエット宣言してたじゃねーか?」

「うう゛っ……」



 ※※※※※※※



「ここからは長野県側なのですが……」

「こっ、これは酷いダートだ! 紅葉台の比じゃねぇ」

「そうなんだよねー、この峠は山梨側が『県営』の林道、長野側が『村営』の林道なんだよ! それが理由かどうかはわかんないけど、長野県(川上村)側はずっと未舗装のままなんだよ」

「それにしても……これは酷すぎる」

「台風とか大雨が降った後は土砂が流されるから特に……轍の凹凸は半端ないな」

「これ……SUV車じゃなきゃ無理じゃね?」

「普通はそうだろうね、でもあの漫画ではPA●で下りただろ?」

「いやあれはフィクションだし……」

「大丈夫だよ! この作者も前に自分の車(ト●タア●ア)で下りたことあるっていうし……2~3回底をぶつけたそうだけど」

「あのバカのやることはマネしちゃダメなのですぅううううっ!」

「しかもこれ、軽自動車じゃねぇか!」

「まかせな! 昔、走り屋で峠攻めしてた記憶がよみがえって来たぜ! グー●ルストリートビューも未開拓の道へ……レッツラゴー♪」

「ひぇええええっ!」

「こっ、怖いのですぅううううっ!」

「茅乃の過去も怖いわっ」



 ※※※※※※※



「な……何とか生きていたのです」

「それな」

「下まで来たら大したことないダートだろ? ここからの景色は最高だぞ」


「……畑だね」

「ひたすら畑が続くのです」

「うーん、想像してた景色と違うけど……ま、母さんの目的はここで採れた野菜を買いに来たから♪」


「なんだか良くわからないけど……お店に着いたのです」

「実はねー! ここ、川上村は日本有数のレタスの産地なんだよね」

「えっ、てことは……」

「そう! 朝採れのレタスをお土産に買って帰るんだよ! すみませーん、朝採れのレタスは……」

「(店員さん)すみません、レタスはもう収穫終わっちゃいまして……」

「がーん! ま、まぁいいや……同じ地元産の白菜買ってお鍋でも作るか」

「まぁもう秋だしなぁ」

「貴音はお鍋も食べたいのです♪」

「ちなみに! 大弛峠は冬季閉鎖があるからHPとかで情報調べて……山梨県側から上ってね!」


「で、母さん……帰りもあの道通るの?」

「さすがに清里経由で帰るわ」

「ちなみに、作者は20代の頃マウンテンバイクで大弛峠を越えたそうなのです」

「マジかよ」

「乗鞍スカイラインは自転車通行可って情報知ったら『行ってみたい』とほざいてるそうなのです」

「……年を考えろアラカンめ!」

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