第46奏:音楽への高み
ライブハウスからの帰り道、三人は重い空気の中、家路についた。
それぞれの心には、漠然とした『高み』への憧れと迷走が生まれている。
翌日、三人は『Sound Nest』に来ていた。
最初は音楽スタジオに集まっていたが、いざセッションをしてみても全員が上の空で音楽に集中出来ていなかった。
そのため、練習する練習する気にもなれず、ただソファーに座ってぼんやりと天井を見つめているのだ。
「どうしたんだい、アンタたち」
カウンター越しに美月が声をかけた。
いつものように煙草をくわえている美月の表情はどこか真剣なもののように三人は感じる。
「私たちがこれから目指す『高み』ってなんなんだろって考えてるんですけど、答えが出せなくて……」
琴音の言葉に、美月は静かに頷く。
「……そう、私も昔、同じような経験をしたことがあるわ。でも、私は歌い続けた。誰のためでもない、自分のためにね。そしたら答えが見えるかもって、自分の中にある音を形にすることだけを考えていた。」
美月は、そう言うと、三人の顔をまっすぐ見つめる。
「『高み』って、誰かに教えてもらうものじゃない。自分たちで見つけるもの。そしてそれは誰かの真似をして、辿り着く場所じゃない。自分たちだけの音楽を、どこまでも突き詰めた先に、見つかるものなの」
美月の言葉に、迷っていた三人の心は確かな光が差し込もうとしているのであった。
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