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Sounding Dreams - 再び巡り逢う音 -  作者: 蒼月 美海
カケラ

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第45奏:見えない音の目標

 ライブハウスの熱気も冷め、三人は重い空気の中、帰り道を歩いていた。

 誰一人、言葉を発することなく、ただそれぞれの思いを巡らせている。


「……私たちの目標って、なんだろう」


 沈黙を破るようにイヴはぽつりと呟いた。

 その言葉に、琴音と綾乃は顔を上げる。


「目標……?」


 琴音は不思議そうな顔をしながらイヴに尋ねた。


「うん、これまで目の前のライブを成功させるようって私は思ってた。だけど、『Ablaze』のライブを見て、私たち、本当にこれでいいのかなって」


 イヴはそう言うと、歩みを止め、二人もつられるように立ち止まる。

 そしてイヴは二人の顔を見ながら、真剣な眼差しで答えた。


「私たち三人なら、あの人たちみたいにもっとすごいことができるんじゃないかって思ったんだ」


 そのままイヴは空を見上げた。

 三人の心に、Ablazeの圧倒的なステージが蘇る。

 心に響くほどの歌、心を惹きつける曲。


「……私たちの音楽は、これで完成なのかな」


 イヴの言葉に、琴音と綾乃はなにも答えられなかった。

 彼女の言う通り、ただライブをする、その日限りのライブを全力を楽しむ、その先なんて何も考えていない。


「……あのドラムの子が言っていた『高み』って、なんだったんだろう」


 綾乃は静かにそうつぶやいた。

 そして言葉を続ける。


「より高みを目指したかったって、そう言ってた。あの人たち、あんなにすごいのにまだ上を目指そうとしていた」


 この言葉にイヴは夜の空を見上げた。

 

「私たちも、もっと上を目指してみたい。でも……どうすればいいのかな……」


 イヴは、そう言って、固く拳を握る。

 そして三人の心には、漠然とした『高み』への憧れと迷走が生まれているのであった。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

よければブックマークとご感想、お待ちしております。


毎日午後5時30分に更新しております。

次回の更新は、第46奏:音楽の高み、10月1日水曜日午後5時30分です。


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