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Sounding Dreams - 再び巡り逢う音 -  作者: 蒼月 美海
青き魂の音

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38/85

第37奏:祝杯の誓い

 ライブから数日後。

 三人はイヴの提案により、綾乃の実家である蕎麦屋『鶴ノ庵』に集まっていた。

 それは先日のライブの打ち上げをするためである。


「いらっしゃいっ!」


 店の中に入ると、綾乃の父親が笑顔で三人を出迎えてくれた。


「すごい! お蕎麦のいい香りとお店がすごく落ち着く!」


 イヴが、店内を見回しながら目を輝かせた。


「お父さん、こっちがイヴであっちが琴音」


 綾乃が二人のことを紹介すると、父親は「イヴちゃんに琴音ちゃん、いつも綾乃がお世話になっております」と、深々と頭を下げた。


「綾乃ちゃんのお父さん、いつもお世話になってるのはこっちの方ですよ!」


「はい……! いつも綾乃さんのおかげで、私たちのバンドが成り立ってるんです……!」


 イヴと琴音は横に首を振り、いつも綾乃に世話になっていることを強調する。

 そして綾乃はというと、顔を真っ赤にさせながら照れており、顔を下に向け、ただじっと黙っていた。

 すると、綾乃の父親は手を何回か叩き、場を仕切り直す。

 

「さあ、さあ! 今日はライブの打ち上げなんだろ? 今日は貸切にしてるし、好きなだけ食べなさい!」


 この言葉に、三人は顔を見合わせ、嬉しそうにする。


「はい! ありがとうございます!」


「ごちそうさまです……!」


「……ありがとう、お父さん」


 感謝の言葉を述べた各々はお座席に座り、注文をしていく。


「えー、それでは今回はオープンライブお疲れ様でした! かんぱーい!」


「「かんぱーい!」」


 料理が揃い、温かい蕎麦と、揚げたての天ぷらを囲んで、三人はグラスを合わせた。


「お蕎麦、すごく美味しい……!」


 琴音は蕎麦を一口食べると、幸せそうに呟いた。


「うん! 本当に美味しい! 綾乃ちゃんのお父さん、ありがとうございます!」


 イヴもそう言って、満面の笑みを浮かべる。

 綾乃は静かに蕎麦をすすりながら、二人の話を聞いていた。


「……美月さんに褒められたこと、今でも信じられない。でも、やっぱりAblazeのライブを観て、何かが足りないって、そう思っちゃったんだよね」


 イヴがぽつりと呟くと、その言葉に綾乃も琴音も何も答えられなかった。

 綾乃は冷めたお茶を一口飲むと、真剣な眼差しで二人を見つめる。


「ドラム、探そう」


 その簡潔な言葉に、イヴと琴音は驚きながらも静かに頷いた。


「うん、そうだね。私たちにとって足りないものを探しだそう」


 イヴはそう言って微笑んだ。


「そうだね……。私たちだけの音を、もっともっと高めていきたい……」


 琴音も力強く頷く。


「……というかさ! ライブの打ち上げ、お蕎麦屋さんでなんて、私たちぐらいしかやらないよね! なんかだか新鮮!」


 イヴが笑いながらそう言うと、三人の間に温かい空気が流れる。

 温かい蕎麦を囲んで、三人は新たな道のりへの決意を固めるのであった。



 青き魂の音 ー完ー

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

よければブックマークとご感想、お待ちしております。


毎日午後5時30分に更新しております。

次回の更新は、第38奏:残響、9月23日火曜日午後5時30分です。


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