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傘から始まる恋物語  作者: 霊璽
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第39話 休憩の注文

 しばらく滞在していて感じたが、初夏のファミレスは尋常ではないくらいに冷房が効いていた。少し肌寒いと感じた孝也は心の中でこんな環境で勉強なんかできるのか? と思っていた。

 しかし、その考えは杞憂に終わった。ファミレスでの勉強は意外にも晴翔達の集中力を高めていた。もしかしたら周りがうるさい方が集中できるのかもしれない。

 前回の図書館での勉強会が終わり、今回は2回目なのだが孝也にはあまり質問が来なくなり、全員でわかるところを教えあう形に変化していた。

 自分に質問が来ないことの楽さをしみじみと感じていた。

 4人は教科書とノートを開き勉強を、暇な孝也は1人だけメニュー表を見ていた。こう言った場所に来たことがなかった孝也はメニューを見て料理の種類の多さに驚いていた。

 時間的にもちょうど小腹が空いてきた孝也はせっかく来たので何か食べてみようと思った。数枚のページを流しながら見ているとちょうど開いたページに期間限定夏みかんのパフェが載っていた。

 「これは……」

 目に入った瞬間に店員の呼び出しボタンを押していた。極力、勉強をしている4人の邪魔をしないようにそーっとボタンを押したのだが、店内に音が響き、すぐに奥から店員が歩いてくる。

 「ご注文をお伺いします」

 「この期間限定の夏みかんパフェをお願いします」

 メニューに載っているパフェを指差しなが店員に伝える。

 「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

 他の4人は集中しているだろうと思い、確認を取らずに頷く。

 「はい」

 「それではごゆっくり」

 頭下げて店員は奥の方へと戻っていった。

 メニューを閉じた孝也は心を躍らせていると妙に視線を感じた。顔を向けると晴翔と遙が半分開いた目で孝也をジーッと見つめていた。

 「なんだ? 早く勉強しろ」

 パフェが楽しみなことを悟られないように冷たく言う。

 「たかちゃんだけ注文するなんてずるいよ! 私もお腹空いた〜」

 「そうだ、そうだ! 孝也だけずるいぞ!」

 遙が言うと晴翔も文句を言ってくる。もはやお決まりの流れだ。この2人が騒ぎ出したせいで、星野も松原も手を止めていた。

 「知らねーよ。勉強したいって言ってきたのはそっちだろ。それに休憩したいんだったら勝手にすれば良いだろ」

 「それでは一旦休憩にしますか?」

 意外にも星乃がそれを提案してきた。誰も彼女が言うとは予想していなかったので全員目を丸くしていた。 

 「2人ともいいの?」

 確認のために遙が星乃と松原を交互に見ながら聞くと星乃は教科書にノートを閉じてから頷く。

 「私は構いませんよ」

 「私もいいよ。流石に疲れてきちゃったし」

 松原もノートを閉じながら笑顔で頷いていた。

 「やったぁ〜! それじゃ早速何頼もっかな〜」

 遙はすぐにメニュー表を片付けられた机の上に広げる。星乃達もそれを覗き込みながら何を注文しようか悩んでいた。

 孝也は既に注文済みだったので4人の悩んでる光景を見ながらコーラを飲んでいると机の下で服の袖が引っ張られる感覚があった。距離的に星乃しか出来ないので彼女の方を見る。

 孝也と目が合った星乃は前の3人を気にしながら小声で話しかけてきた。

 「三河さんは何を頼んだんですか?」

 「俺か? 俺はこの期間限定の夏みかんのパフェだが」

 自分の手元にあったメニューを開き、表を立てて彼女にだけ見えるようにする。小声だったから一応他の人には見えないようにした。

 メニューを立てたことで2人から見える範囲も狭くなり、松原が2人を見ていることに気がつかなかった。

 「なるほど、美味しそうですね……それでは、私もこれにします」

 「そんな決め方でいいのか?」

 あまりにもあっさり決定した星乃に確認する。もっと他にも美味そうなものがあるのにあえて一緒にする必要はないんじゃないか、と思っていた

 「はい、これにします」

 しかし、彼女の意志は固かった。普段と同じ口調のはずなのに揺るぎない何かを感じるほどだった。

 見ていたメニューを閉じて机の端に立てかけると遙が声をかけてきた。

 「星乃さんは決まった〜?」

 遙たちも決まったらしく、他2人もこちらを見ていた。星乃は遙の問いかけに首肯した。

 「はい、期間限定の夏みかんのパフェにします」

 「いいね〜それじゃ、店員さん呼ぶね! ほらたかちゃんボタン押して!」

 なんで俺が、と言おうとしたが、次に遙がなんて言うのか想像がついたから何も言わずに押した。

 店内に呼び出し音が響き、先ほど孝也の注文をとった店員がまたやってきた。

 「ご注文をお伺いします」

 淡々と告げる店員に遙が最初に自分の分を言う。

 「じゃあ私から言うね」

 そう言ってそれぞれ注文していく。孝也は何も頼まないので頬杖をつき、窓の外をぼーっと眺めている。

 どんよりと分厚い雲に空が支配され、夕立でも降りそうな天気になっていた。

 「雨、降らなければいいが……」

 空模様を心配する言葉を呟きながら、心のありかは早くパフェが来ないか、ということに傾いていた。

第39話を読んでいただきありがとうございます。作者の霊璽です。

金曜日を過ぎてしまい、すみません。まだ復帰したばかりでうまく頭がそっちに切り替わらないんですね〜

まあ、少しづつ前みたいな更新方法に戻していくので、少々お待ちくださいね!!!

あとできればブックマークとかもオネシャス!!!!!!!!!

それではまた次回、お会いしましょう

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