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世界は、“この場所”を中心に回り始めた
数日で、状況は一変した。
各国が代表を送り込み、
ギルドは連合を組み、
富豪は資産を動かす。
全部の目的は、一つ。
――入ること。
「……すごいな」
俺は、外を見て呟く。
まるで祭りだ。
いや、もっと静かで、もっと必死な何か。
「当然だ」
最強探索者が言う。
「ここが、世界で一番安全で、一番価値のある場所なんだからな」
その通りだ。
そして、それを決めているのは――
俺。
「なぁ」
「うん?」
「後悔してるか?」
少し考えて、首を振る。
「……してない」
それが本音だった。
ここまで来たら、戻れない。
戻る意味もない。
外では、さらに争いが激化している。
でも、誰もここを壊せない。
壊せないと分かっているから。
最強探索者が、ぽつりと言う。
「ここがないと、もう戦えない」
依存。
それが、はっきりと言葉になる。
「外に出る理由がない」
その言葉に、他の連中も頷く。
誰も、ここから離れたくない。
それが、今の現実。
俺は、静かに目を閉じる。
そして、決める。
――このまま行く。
世界がどうなろうと。
この場所を、握る。
それが、俺の選択だ。




