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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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「考えたんだけどさぁ、長距離転移が危険だって言うんなら、条件で検索かけて探した空間に転移で移動するんじゃなくて、その空間の出入り口をこのダンジョンに設置して移動すればいいんじゃね?」


≪このダンジョンにですか?≫


「別にこのダンジョンって訳じゃ無くてなくて、転移基にするダンジョンって意味で。空間の出入り口を好きな場所に設置できるんだから、当然ダンジョン内にも設置できるんだろう。俺はさ、空間を見つけて認定させるのが先だって思い込んでたけど、別に出入り口が先でも良いんじゃないかって気付いたんだよな」


このダンジョンの管理者である金髪サラサラロングヘアーでモデル体型の女性騎士はしばらくの沈黙の後≪可能ですね≫と答える。


正直な話エルフダンジョンの出入り口設置の時に、はっきりとした空間の認識ができていないからダメだったとエルフに言われた事があったので、無理かもしれないと言う不安があった。


しかしそれは、検索後に一度通り過ぎただけの空間だったからじゃないかとも思われた。

要するにあの空間の管理者であるエルフに拒否られたのではないかと裕は考えていたのだ。


何となくだが、初めて交わした会話の冷たさやその後の対応から、エルフと言うキャラ設定かとも考えていたが、どことなくそうではない気もしていた。


それはエルフの態度がはじめと比べると大分軟化しているからだ。


だけど、まったくサラの空間ならば拒否られる事も無くできるというか、出入り口の設置を受け入れて貰えるんじゃないかと思いついたのだ。

要するにすべては管理者次第じゃないのかと。


そしてその考えは正解だったと分かり、勝ち誇ったかのような裕の様子を見て何か感じていた訳では無く、またしばらくの沈黙の後女性騎士は≪問題も生じます≫と続ける。


「どんな問題だよ」


≪かなり詳細な検索条件が必要となります≫


「何でだよ?」


≪私の一存で危険の少ない転移先という大前提の範囲内での検索で済むのが、膨大な数の中からの選択となると最適を選び出すのも難しくなります≫


女性騎士の説明に、それでここから一番近いと言う条件付けをしなくても今まで近い場所の空間が選び出されていたのかと納得した。


と言う事は、黒猫の事を疑った事もあったが、一応空間内転移の危険性を考慮していてくれていたのだと分かり、申し訳ない様な気になっていた。


(そうだよな、管理者が俺の事故を望む訳無いよな)


裕が内心で反省していると女性騎士が≪繋がりが深くなればよりあなたへの理解が深まり、私達にできる事も増えます≫と語りかけて来た。


裕は一瞬女性騎士が何を言っているのか分からなかった。


しかしそうかと思いつく。

きっとこの女性騎士は裕の考えを読み、あの消滅してしまった黒猫とまた繋がれば良いと勧めているのだと理解した。


そうする事によって、裕の少々曖昧な検索条件でも裕の望みを管理者も汲み取り易くなると言っているのだろう。


「分かった、早い所管理者と引き続き繋がれる能力を手に入れるよ」


女性騎士に素直にそう答えた。



裕は今、島で見つけたダンジョンを攻略していた。


一応ダンジョンを少しでも理解して貰い易くするために、ダンジョン認定のために空間に入った瞬間に管理者を騎士でイメージしてみたら上手く行ったらしく今の女性騎士が現れた。


裕は別に男性騎士でも構わなかったのだが、何故かまたまた異世界風というかアニメチックな女性騎士だった。

これでカールの掛かった髪だったら、世の乙女たちを虜にしたオ〇カル様といった雰囲気の女性騎士だった。


以前管理者のキャラ設定を自在にできればと考えた事があったが、見た目に関してだけを言えば一応騎士ではあるし成功したといっても良いのか?


そしてダンジョン内の魔物はバイ〇ハザードをイメージしてゾンビにした。

後になって騎士とゾンビって取り合わせはどうよ?とは思ったが、咄嗟の事だったので許して欲しい。


しかしその事が上手く功を奏したのか、案内したみんなには案外あっさり受け入れられ納得して貰えた。


しかしこのダンジョンを引き継ぐ人員選出に時間が掛かるとか、涼太もまだ何か話し合いがあるらしく、時間を持て余した裕はダンジョン攻略の合間に休憩がてら女性騎士と色々と話をしていた。


別の誰かに引き継いでしまったら、この女性騎士ともお別れかと思うとちょっと残念な気もして、裕は思いつく限りの質問を投げかけていた。


「じゃぁ近場で空間を探す時は空間内転移で、離れた場所を探す時は出入口設置を先にするで良いとして、その空間が何処にあるかをマップ上で調べたい時は出入り口設置解除で良いんだよな?そんで本来の出入り口から外に出れば問題無いんだよな?」


裕はまた裕の思いつきもしない問題が無いかと、工程確認を兼ねて念のために聞いてみた。


≪そうです、しかし繰り返すと歪みが生じる危険もあるので、あまりお勧めしません≫


やはりだよと裕は思う。

いつだってこうしてしっかり確認しないと、裕が考えつきもしない問題があって、その結果裕の望んだ能力とは少々ズレた能力というか微妙に不便な能力になってしまうのだ。


「じゃぁ、一度出入り口を設置したら設置し直さない方が良いって事?」


≪その方が万全です≫


「ちょっと待って、それじゃ折角遠くの空間を見つけても、出入り口を解除してマップで場所の確認をしたら、帰りは安全を考えて自力にした方が良いって事になるよね?」


≪そうです≫


裕はこの方法が上手く行けば、使いようによってはど〇でもドア状態で全世界を飛び回れると考えていたので、正直とてもがっかりした。


「それじゃ現地に行って空間探知能力使って探すのと変わらないじゃん」


≪空間の出入り口を探す問題は省けます≫


「そうなんだけどさぁ、でも安全を考えて一度戻って来てこちら側から出入り口を設置し直すのは大丈夫なんだよな」


≪設置できれば出入りに問題はありません≫


裕はとても良い考えを思い付いた気になっていたが、出入り口の設置し直しが殆ど賭けになるのだと知り溜息をついた。


もし万が一空間内が歪み出入口設置に失敗したらと考えると怖くなってしまうのは仕方のない事だろう。

最悪空間内に閉じ込められるか、全然知らない場所に繋がるか、どっちにしてもそんな事故もまっぴらごめんだ。


そして結局裕は以前考えた様に空間の出入り口を目視できる能力を貰う方が賢明だなと思うのだった。



読んでいただきありがとうございます

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