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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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裕はあれからたとえ少しの時間でも暇を見つけてはダンジョンに入った。

取り敢えず一刻も早く次の願いを実現させないと新たなダンジョンも見つけられないと考えてだった。


次の願いでは空間内転移の能力を貰って、新たなダンジョン見つけてその場所さえ特定できれば、例えこのダンジョンが誰かに見つかって手放す事になったとしても変わらずに稼げるだろうと裕は少し気楽に考えていた。


(でも考えてみたら、自分の住む部屋にダンジョンの入り口があると言う手軽さが良かったんだよな)


だから新たなダンジョンを見つけてその場所を特定しても、その場所まで通うのかと思うとダンジョンに入るのが億劫になるかも知れないと考え始めてもいた。


(できる事ならこのアパートは手放したくないよな。それに考えてみたらこのダンジョンから他のダンジョンに転移したら部屋の様子も伺えなくなるんだよな、やっぱりどう考えても不便になるんだな。このアパートが朽ち果てるかこのダンジョンが消滅するまで頑張って隠し通し、その間稼げるだけ稼いで、万が一ダンジョンが誰かに見つかったら諦める事にするのが良いのかもな。ぶっちゃけこの短期間でここまで稼げたんだから後は地味に気楽に働けば良いんだし)


指先から弾丸の様な石つぶてを放ち、次々と湧いて来るかっぱ擬きに向かって一撃も外す事無く当てていた。


やっぱり魔法が使えるって最高だ!!!


裕は動体視力も上がり視野範囲も広がったのかこの広いダンジョン内でも動く物に素早く反応できて、既に考え事をしながらでもかっぱ擬きの討伐を軽々こなす事ができる様になっていた。



(それにしてもあの女達はいったい誰の依頼のハニトラだったんだ?アイドルのサインやライブチケットくれるから友達になってくれなんてしつこく言っていた隣のイさんは多分確定で特定員だろうから、直接俺を落とすのを諦めて彼女達を使ったって事か?でもあの中国人夫婦の宋さんも相変わらず部屋の様子を窺っている様で怪しいと言えば怪しいし、最近仕事が忙しいとあまり部屋に来なくなった玲子さんも疑わしいしな。どうせもう会う事も無いんだから、あの女達からやっぱりもう少し詳しく聞いときゃ良かった)


裕は色々と考えてみてから、彼女達に誰に頼まれたのかをしっかりと確認すれば良かったと反省していた。


(でもあれか、下手に探ってたら却ってこのアパートに秘密があるのをバラす様なものだったのか?でも確実に誰が特定員かは知れたんだよな、そうすれば反撃は無理でも警戒は強められただろうし、って言っても俺にできる事なんてたいして無いのか)


「ああめんどくせーな」


裕は頭を掻きむしりながらダンジョン内で思いの外大声を出していた。


今まではどんな事があっても大声を出すなんてできなかった裕にとってちょっとしたストレス発散にもなった。と言うか、こんな場所で一人で居るとは言えこんなに大きな声を出せる様になった事に自分自身でも驚いていた。


そして案外スッキリして気持ちが良いものだとも思っていた。



読んでいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
[良い点] 裕もアホだなあ、全員工作員だと思っておけばいいだけの話。 ああいう女は関わると面倒だし時間を取られる。美人に弱いのはもう経験してわかってるんだから徹底して無視して関わりを持たない方がいい。…
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