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俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


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会計を終わらせコンビニの外に出ると女達は予告通りドアのすぐ横で気配を消す様に並んで待っていた。


この清楚系を装っている女は男にモテるのを当然としたあざとさが鼻につくし、引き立て役の様に隣に並ぶ地味女にもどこかイライラする。


裕は一瞥しただけで止めてあったママチャリへと向かい普通にコンビニを立ち去ろうとすると、女達は慌てて裕に駆け寄って来た。


「私達を待たせておいて何考えてるの」


清楚系女が声を荒らげるがそもそも裕から待っていろなんて頼んでもいないのに何言ってんだだった。


それに一度は話を聞こうとしたが話さなかったのはこの女達なのに、なんでそれ以上の気を使ってやらなきゃならないのかも理解出来ない。

それなのにいまだに自分が上かの様な振舞には呆れるよりも感心すら覚える。

裕を散々虐めていたあの馬鹿どもと基本的な考えは同じと言うか頭の程度が一緒なのだろう。


(女から声を掛けられたら喜んで尻尾を振る雄ばかりだと思うなよ)


「お願いがあるんです、話だけでも聞いてください」

驚いた事に地味女が意を決し追い縋る様に大声を出して呼び止めて来た。


大人しい感じなのに大声を出せるのかと、普通に感心したので取り合えず返事だけはしてみた。


「俺にあんたらの話を聞かなきゃなんない理由は無いけど?」


「私達山伏君とは同じクラスだったじゃない、久しぶりに会ったら懐かしくてぇ良かったら少し話しようよ」


清楚系女が何故か急に猫撫で声を出し擦り寄ろうとするのが凄く気持ち悪かった。


「それっていつだっけ?全然記憶にないや悪い。それにあんたらと話しする時間も無いから」


裕はそう言ってママチャリに跨ろうとすると今度は地味女が自転車の進路方向を塞いだ。


「お願い、私達どうしても推しのライブに行きたいの協力して」


裕にはこの地味女が放った言葉の意味がまったく分からなくて呆気にとられてしまった。


「あんた今アパートの管理人してるんだって?そのアパートの秘密をちょっと教えてくれるだけで良いの、私達同じクラスだったんだからその位の協力をしてくれても良いよね」


お願いとか言いながらやはり上からの感じにイラっとしたが、この清楚系女の言葉を噛み砕いていくうちに段々と冷静になっていき、頭もクリアになっていった。


(アパートの秘密ってきっとあのダンジョンの事だよな。もう既にアパートに秘密があるって場所まで特定されているのか?ってことは、コレってもしかして所謂ハニートラップって事か?まったく全然トラップにもなって無いただの迷惑だったけど、もしかしてこの間街でやたら綺麗な女に声を掛けられたのもそうなのか?ヤバイな、これはもうあのダンジョンが見つかるのも時間の問題じゃないか。だとしたら余計にこんな悠長にしている場合じゃないじゃん。尚更こんな女達の話を聞いている時間なんて無いよ)


裕は名前も思い出せない元同級生達を完全に無視して、自転車を持ち上げて向きを変えると急ぎ跨ぎ乗り慌ててアパートへと帰るのだった。



読んでいただきありがとうございます

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[良い点] ゴミ女ども、不幸になって欲しい
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