↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺だけのダンジョン  作者: 橘可憐


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/97

19


「山伏君だよね?」


ボクシングジムの帰り、コンビニで夕飯を選んでいると後ろから声を掛けられた。


突然の事に驚きながら振り向くと、何となく見覚えのある女が立っていた。

一見清楚で可愛い系を絵に描いた様な雰囲気に自分とは住む世界が違う事を感じ、何故声を掛けられたのかも見当がつかず裕は返事に困っていた。


(見覚えはある気がするけど誰だっけコイツ、名前が思い出せない)


裕が返事もせずにいると少女が段々と困ったような表情を見せる。


裕は少しだけ考えてみたが思い出せないものは仕方ない、それに裕にとって然程重要事項にも思えず考えるのを止め相手の反応を待ったが相手もそれ以上何も言わないので、裕は無視する事にして弁当選びに戻った。


「ちょっと待って、無視する気?」

裕の無反応に驚いたのか、女は慌てた様に少し声を荒らげていた。


裕はその反応で清楚系な雰囲気はやはり作られた印象かと確信して無視を続けた。

何かの罠か罰ゲームでもない限り、多分同級生だった女から声を掛けられる訳がなかった。

それに裕は高校を中退している段階で既に同級生でも無いのだから。


裕がどんなに思い起こしてみても、高校になって馬鹿達に明らかに虐められる様になってからも、それから小学校でも中学校でも口数少ない裕を弄って来る女かそれを止めに入る正義感ぶった女の他は触るなとばかり刺々しい女か無関心で無視する女しか知らない。


それなのに今さらこんな所でわざわざ声を掛けて来る女なんて面倒事の予感しかしない。


そんな女に関わっている暇があったら早い所アパートに帰って少しでもダンジョンに籠りたいと思っていた。


「こんばんは、山伏裕治君ですよね?」

新たにやはり何処か見覚えのある地味な女が現れて裕に改めて声を掛けて来た。


「こんばんは、そうですがそれで何か?」


裕は少しイライラし始めていたが、挨拶をされたので挨拶を返し早い所解放されるべく用件を聞いてみた。


「ああっ、え~っと」


裕の反応が意外だったのか、それとも余程言いづらい内容なのかは知らないが二人は言葉を詰まらせている。


裕はその反応からやはり面倒事かと深く溜息をつき、このまま買い物を諦め店を出て逃げる事も考えたがそれじゃあ自分がコイツ等に負けた様な気がするのでさっさと用事を済ませる事にした。


だいたい然程広くも無いコンビニの中で然程込み合ってないとは言え、弁当棚の前に固まるのは他のお客にもコンビニにも迷惑だ。


裕はそう考え、弁当を選ぶのを諦め適当な弁当を手に取りカゴに入れるとレジ待ちの列へと並ぶべく移動を始める。


裕にはコイツ等の返事を待つために使ってやる時間も義理も理由も無い。


そう思っていたが女達は「ごめん、外で待ってる」そう言うと大人しくコンビニを出て行った。


(外で待ってるだと?諦めずにまだ関わろうと言うのか)


裕は女達の意外に神経の図太さに驚いた。

と言うか、女ってそう言えば自分の都合しか押付けない生き物だったなと思いながら、これからどうすべきかを考えていた。



読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] こんばんわ✕ こんばんは〇
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。