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汚れた勇者  作者: 汚れた座布団
第五章
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エピローグ

  この世界には、人の住む領域と魔族の住む領域とに分かれている。この二つは、魔物の跋扈する深い森と、全ての生物を拒絶する高い山に隔てられていた。


 魔族の領域は、大陸の北と定められ、過酷な環境で生きてきた。


 その魔族の領域から、西へ海を渡ったところに、小さい島がある。そこは、異形の者どもが蠢き、強き者が弱き者を食い物にする、弱肉強食が支配する修羅の国。長い歴史の中で、外から訪れた勇敢な者たちを尽く絶望へと叩き込んできた。その島のいたるところでは、涙の中で果てた男達の慟哭が響き渡るという――


 人呼んで無仁島。


 そして今日も、一人の勇者が魔に挑む。



「フリーでっ!」











 俺は、石造りの薄暗い廊下を歩いていた。前には、船着き場で会った、ポン引きの爺さんが先導している。


「アキオよ、なんか、この雰囲気は違うんじゃないか?」


「いや俺もね、なんかおかしいなって、少しは思うよ。でもさ、魔族が働いてる風俗って聞いたら行くしかないでしょ。島全体が、そうなんだぜ」


「しかし、今まで訪れた場所は、店構えはまともだったではないか。店構えだけは……」


「何せ島丸ごとだからな。今までに行ったこじんまりとした店とは、そりゃ違いますよ」


「いや、そういうことでは無くてな。働く者の人権を踏みにじり、逃走を防止するために離島を利用する場合があることは分かる。しかしな、この造りはどう見ても従業員の逃走を防止すると言うよりも、まるで邪なものを封じているかのような……」


「言い過ぎだぞインヴァイ。だいたい、エロス以外の何を封印していると言うんだ? 俺は、そういった雰囲気を意図的に作り出して、特殊なプレイを提供している店と見たね。だって魔族だぜ? この前、追いかけてきたオッサンなんか、腕四本もあっただろ。もう、余った二本の腕でナニをしてくれるんですかね?

 ワーッハッハッハッ!」


 おっ、突き当りに扉が見えて来たな。


「お客様、こちらにございます。 (イーッヒッヒッヒッ)


「おい、アキオ、ヤバいほど禍々しい魔力が漏れてきてるぞ」


「安心しろ、インヴァイ。俺の調査によると、体内魔力の形質と乳首の形質には、相関関係が有るということが分かっている。よって、中に居るとすれば”ヤバいほど禍々しい乳首”だ」


 扉が開く、そして全貌が明らかになった。



 確かに異形。今まで幾多の修羅場を潜り抜けてきた俺だが、裸体を見ても男女の区別が付かないというレベルは初めてだ。むしろ男とか女とか、そういった問題以前の話じゃないのか。てゆうかデカいなこいつ、見上げるようだぞ。


 いったいどういった進化を辿ったのだろうか。少なくとも人間よりもカエルに近い。これを同じ人類という括りでまとめてもいいものだろうか。見た感じ上半身は、巨大なカエルを無理やり擬人化したようにしか見えない。指も三本だし。下半身は……随分長いな、おい。なにこれ? トレ○ーズ? なんか、巨大なツチノコみたいだ。


 てゆうか、スゲー見覚えがあるんだが…………あっ


「ジャバ・○・ハット、なんでこんなところに……」


「ォオヴッ、オヴォッ、オヴォッ、オゲェヴヲォーーーーッ!」


「おいおい、言葉が通じないのは問題じゃないが。人語を解さないっていうのは、さすがに初めてだぞ」


「アキオよ、禍々しい乳首どころか、乳首含めて全部が禍々しいぞ」


「インヴァイよ。俺にとって存在しないはずの限界ってやつが今、目の前に現れやがったぜ。コレを見てすら性的に興奮しようとする、自分自身が恐ろしい。

 こいつを乗り越えたとき俺は、どうなっちまうんだろうな」


「いやいやいや。もうこれは、どう見ても無理じゃろ。なあアキオ、魔王は倒した、世界は救った、もういいんじゃ。楽になろう、ちゃんとしたお店に行って、指名して、楽しい思い出を作っても許されると思うんじゃ」


「バッキャローーーーッ!!!!

 いいか! 日本男児を舐めるなよインヴァイ!! 風呂行かば水漬くシリコン ピン行かば苔生すマン□ かへり見はせじ だっ!!!!」










 世界に四大迷宮と呼ばれるものあり


 冒険者の国、試練の塔


 エルフの里、世界樹の森


 騎士の国、戦士の館


 そして魔の国、無仁島


 指名をせずに迷宮へと飛び込む勇気。数多の者がこれらに挑み、僅か一握りの迷宮踏破者だけが勇者の称号と栄光を手にした


 そして歴史上、四大迷宮の全てを踏破した勇者――


 グランドスラムを達成した者は存在しない


 今は、まだ……






以下 没ネタ




「(くそぅ、ここまでか。なんか、もう無理。てゆうか、セックスでも何でも無いだろこれ。騎乗位っていうか、もう身体全部が下敷きだもん。

 インヴァイは、どこへ行った?

 いかん、酸素が足りん。い、意識が…………)」


その時、目の前が真っ白になる。意識を失って……い、いや、なんだ、眩しい。目の前に誰かが――


「もう、諦めるのですか?」


「(あ、あなたは? ハッ! まさか遂に俺の真摯な願いが天に届いて風俗神様、略して風神様が降臨なさったのか!)」


「はい、そうですが。その略称は、怖い先輩と名前が被るので、本当にやめてください。

 アキオ、あなたは、もう諦めるのですか? 限界が無いと言ったのは、嘘だったのですか?」


「(風俗神さま、俺、悔しいです。でもオティムティムがどこに入っているのか、本当に入っているのか、もう分からないのです。と言うか、呼吸ができないんです)」


「アキオ、あなたに力を授けましょう。求めるのです、信じるのです、未来へと突き進む自分自身の可能性を。

 私だけではありません。多くの者があなたを見守っていますよ」


「(ふ、風俗神さま。ああ、暖かい。そうか、俺は一人じゃなかったんだ……。みんな、力を貸してくれ)」


 その時、泉の様に知識が溢れ出す感覚を覚え。俺は無意識に言霊を発する。それは魔力を超えた未知の力となって、現実を改変する。因果を捻じ曲げ、魔力的な物理的な世界の法則を凌駕した何かが、今、目の前で起ころうとしていた。


「英霊召喚!」


 光が弾ける。アキオの身体に活力が漲り、ジャ○(仮)を吹き飛ばした。




「そうだ、やればできるじゃないか」


「なかなか良い脊柱起立筋だ」


「行け、アキオ。俺たちの分まで頼んだぞ」


「大丈夫。もう一人じゃないさ、みんなお前のことを見守っていたんだぜ」


「さあ、俺たちの力を使ってくれ」


 光の中から次々と現れる男達。その一人ひとりが歴戦の戦士さながらの威風を纏っていた。


「あっ、あれはっ!!? 試練の塔、最年少到頂記録保持者、不倒のブリッジ、ウォルフガング・ミューラー! 世界樹の森に棲む悪魔、夢幻のエジャキュレーション、ロン・リンホフ! 歴代最強騎士の名を恣にする、折れることなきマゾの騎士道、ジャン=フェリシテ・ロベスピエール! 性欲に乏しいはずの魔族でも異色の存在、突然変異の性欲、紫色の息子、デュティ・ブークマン!

 それだけでは無い! 見える! 見えるぞ! 歴代の勇者、志半ばで――主に性病や、プレイ中の事故で――散っていった戦士達が、次から次へと光の中より現れて、彼の下へ集結している!

 か、帰ってきたっ! 古の盟約に従い、悠久の時を超えて、遥か海の彼方ヴァルハラより、戦士たちが、今っ、帰ってきたっ!」

    ↑ポン引きの爺


「ウオォーーーーッ! いくぞ、オラァーッ!」


 そして俺は射精した


 再び俺は射精した


 何度も俺は射精した


 俺は射精した


 俺射精


 俺射


 おしゃ



「オシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャオシャ オシャースレーベン ボーデッ!!」


BAGOOOOOON!!


「ふぅー、ユルユルだぜ」

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