いらっしゃいませ。
看板を出し終わり開店すると、
すぐに女性のお客さん数名が入ってきた。
「いらっしゃいませ。」俺とユウが席まで案内すると
「ユウじゃん!久しぶりー。」と、ギャル風の女性二人がユウに、話しかけてきた。
「ほんとだよ。マジで久しぶりだよね。っていうかさ、レナとユナっていっつも二人で来てない??」と、言いつつグラスを用意し始めた。
「まぁ。昔からのダチだし、仕事仲間たからさ。んで、その人??新メンバーって。」と、茶髪ロングヘアーの女性に聞かれた。
「そう。
ユナってさほんっとに、おれのブログチェックしてくれてんだね。」といつの間にか、ユナと呼ばれた女性の前にはカシスオレンジレンジが置かれていた。
「ちゃんと紹介しとくよ。 おれのお客さんだから。」ニコッと笑うと俺を指差して、
「この人は、マサヤさん。おれが、劇団時代お世話になってたセンパイなんだよ。正式なキャスト入りは…7周年イベントかな?」と、紹介されるとお店にいた女性が全員こちらを向いていた。
「マサヤは、優秀だからな。ユウ、お前の人気あっという間に取られるぞ。」
とキングさんが、他のお客さんへのドリンクを運びながら、話しかけてきた。
「…キングさん。ユウ煽るの止めて下さいよ…。人気取られたって、痛くも痒くもないと思いますよ」と、笑顔で返すと
「…なんならキングも、気を付けた方がいいですよ…。おれと、マサヤさんに。」
とニヤリと笑うとやはり、キングVSユウ という、図式があるのか
お客さんは楽しそうにしている。
というか、俺も完全に巻き込まれている気がする…。
「んで、マサヤさんはバーテン的な感じだから、カクテル作ってほしい時は、マサヤさんかおれに頼んでくれない?? おれとマサヤさんの為に…。」と、
ウインクをすると、まだオーダーを取っていないお客さんから、次々とカクテルのオーダーが入った。
「じゃ。フロアは、キングとマキさんに任せておれ達は、カクテル作りのレッスンと行きますか!」と、そこからは、レシピ集を見る暇もなく、ユウの指示通りに、レッスンという実戦が待っていた…。
お客さんが、少し空くと
「…けっこう体力必要なんだな…」とポツリと、呟いていた。
カウンターの裏にある時計に目をやると、もう2時間以上カクテルを作り続けていたらしい。
「お疲れ様です。まだ、一旦落ち着いただけですけど…飲み込みも速いし、流石ですよ。マサヤさん。」と、顔色1つ変わっていないユウ話しかけてきた。
仕事量としては、俺への指示をしつつ、他のカクテルを作っていたので、相当な仕事量だ。
「これが、年月の差か…」
どうやら、1日乗り越えるのは大変そうだ…




