終焉
どうやって城に帰ったのか。どうやって人間に戻ったのか。
覚えていない。何もわからないまま、連れ戻された。
なされるがままにシャワーを浴び、部屋に寝かされ、一夜を過ごした。起きた時にはアンが隣にいて、あたしの手を握りしめて寝ていた。その隣には、ミンフィスも。
あぁ。みんな心配してくれていたのか。
その優しさに、今頃になって涙が出てきた。こらえきれず、声を上げてなく私に、目を覚ましたアンは慌てて。私の背中をなでながら、ひたすら
「怖かったね、頑張ったね」
と慰めてくれた。
王子も王も、何も言わなかったけれど。泣きはらした目には触れずに、淡々と事後報告をされた。
レイチェルさんが、昔王と戦い敗れたテンラン家の末裔だということ。レイチェルさんは特に、当時国王だったアルゾンの愛娘で、今の王ゼスのことを憎んでいたこと。そのことに私を巻き込んだことに詫びを入れられ、
「いくら腹が立っていたからとはいえ、レントと引き換えにお前の命を差し出すなんて馬鹿なことをした。今考えれば、魔法を使える癖にやすやすと捕まったレントを怒るべきだった」
と王は言っていた。
やはり、王は怒っていたのだ。王子に目を配らなかったことを。明らかに私に非があるのにもかかわらず。
謝られることが我慢ならなくて、
「こちらこそすいませんでした」
と頭を下げた。しかし、アンは
「これは一方的に王が悪いです。女の子を危険なめに合わせるなんて、紳士として失格です」
と王を責め、私の頭を無理やり上げさせたけれど。
「とにかく、いろいろ丸く収まってよかったじゃないか」
王子の言葉に、みんなは静かにうなずいて。
ふわりと笑いあった顔が、じーんと胸にしみた。




