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4話

俺はななみの家に行く途中重大なことに気づいてしまった。

お前のことで知りたいことがあるとか、親がいないとか完全にアウト。

すぐさまよこしまな妄想を取り払う。

俺は用件だけを確かめる。余計なことはしない!とその辺にいる猫に誓ったのだ。


「お邪魔しまーす。」

「どうぞ上がって。あ、私の部屋に先行ってて。お茶持ってくるから。」

「ああ、わかった。」

...まだ、大丈夫だ。俺の理性はきちんと働いている。

とういうか、しばらく入っていなかったが魔剣やら、ロックのポスターやらあって全然女の子らしくない。本棚にあったBL本は見なかったことにしよう。

「お待たせ。」

「ありがとう。」

「で、話って何?」

「ああ、それなんだが…」

そういって俺はカバンの中から昨日見つけたノートを取り出す。

「この文字見覚えないか?」


『君は選ばれた。復讐をしてみないか?by666』


「わからないな。この666ってフリーメイソンでしょ?」

「そうだな。しかし、中二病なら何となく使いたくもなる。そういえばななみもノートあったよな?」

「そうだね、今も書いてるよ。」

今も書いてるのかよ...。

「はい。」

そういってノートを渡された。ノートにはコスプレしたななみの写真が貼ってあった。こいつかわいいな。

ページをめくる。最後のページには俺と全く同じ文字が書かれていた。

「なんで...どうしてだ...」

これはどうなっている。

本当に非科学的なことが起きている。それにこの現象に黒幕がいる。

これは、ほかにも能力者がることを示唆している。

「なにこれ?こんなの書いたっけ?」

「きっと、気のせいだよな...。」

「何が?」

「いや、何でもない。」

おそらくまだ、確証がない事柄である。もし俺の考えていることが正しくないとしたらただのやばい人である。

「今日、夜ご飯食べてく?」

「え、ああ。じゃあ、お言葉に甘えようかな。」

昔はななみのお母さんとご飯を一緒に食べていた。

「じゃあ、母さんに連絡しとくよ。」


俺:今日ななみの家でご飯をごちそうになります。

母:了解、帰ってこなくていいよ。ていうか家に誰もいないから泊っていって。

俺:...

母:鍵開かないから


「今日泊ってくの?」

携帯を見ていたななみが聞いてくる。

「え、いやそれはさすがに...」

「私のお母さんの許可も取れたよ。」

「確認が早い!」

「パジャマ出しとくね。」

...これは逃げられないな。とういうか、絶対親同士で組んでる。

「じゃあ、ごはん作ろうか。佐久間はお米といで。」

「了解。」

そうして、夕飯の準備をした。ちなみにメニューはカレーです。


「ふう、ごちそうさま。おいしかったね。」

「そうだな。」

「何年振りかな?」

「そうだな、あれ以来だから2年と少しかな。」

「…」

しまった。あの時の話をするとどうしても空気が重くなる。

「...じゃあ、お風呂にしよっか。」

「ああ、そうだな...」

オフロ?

心臓が跳ねる。さっき猫に誓ったのは何だったのか。むしろこの状況で緊張しないほうがおかしい。男子高校生て年中無休で発情期であるし、そもそも種の繁栄こそが生物としての本能であるわけだし邪な考えでも何でもない。世界の秩序に従っているだけである。LOVE&PIECEってマジで名言。

「どうしたの。」

「いや、この世界は素晴らしいと感動していただけだ。」

「ああ、よくあるよねー。」

...こいつはこういうやつでした。


お風呂をいただき、ゲームしていざ就寝。

「俺、どこで寝るの?」

「私の部屋だよ。」

「E! Why can you tell me the crazy plan!」

「お母さんが夜中に何されるかわからないから一緒に寝ときなさいって。」

だったらそもそも許可するな。

「もう、任せるよ。」

正直最近いろいろあって疲れた。同じ部屋で寝るくらいの役得はあっていいだろう。感覚マヒしている気がする。男として最低かもしれない。

「じゃあ、寝よっか。」

今のセリフをもう一度聞きたいと思うくらい疲れました。なんだ元気じゃん。

「そうだな。」

そうして、それぞれの布団に潜り込む。そしてスマホをいじりだす。ザ、現代人。


しかし、そんなのほほんとした空気は一変した。

「おい、我が眷属よ。」

「なんだ?」

「我々以外にも力をもった人間がおるようだぞ。」

「は!?」

ネットの記事に小岩井と同じようなことをして捕まっているものや射殺されたもの、逃走しているものが日本全国で17件もあるということが書かれていた。

「今まで政府が情報を隠していたのか...」

ズキ...。悪い予感が的中した。

「なあ、ななみ。」

「どうしたのじゃ、我が眷属よ。」

「ちょっと真剣に聞いてほしい。」

「わかった。」

「俺と一緒になる気はないか?」

「え!?今の話の流れでどうしてそうなった!?」

「だめか?」

「だめっていうか、その準備ができていないといいますか...」

準備?ああ、そりゃそうか。この後のことを考えたら必要だな。

「そうだな、じゃあ、準備が終わったら俺に身を預けてくれるか?」

「え!?なんかすごく積極的なんだけど!...わかった。いいよ。」

「そうか!じゃあ、さっそく荷物をまとめてくれ。」

「荷物?」

「だってこれから俺らは逃亡しないといけないだろ?」

現段階で警察は躊躇なく俺らのような人間を殺している。普通に考えてそんなことできるはずもないがそれが可能になるってことは警察組織かあるいは政府が人権を超えた措置を容認するだけの情報と準備があるということである。

先ほどの記事によると俺らのような人の犠牲者は42名。負傷者は189名になっている。


俺らは狩られる。


過去のヨーロッパでは人外である魔女が出現したとき迫害が行われた。俗にいう魔女狩りである。

後々そうなるはずだ。根拠は薄い。しかし、ななみを小岩井と同じ目に合わせたくはない。俺もななみも力を使った。痕跡から何か起こったのはわかってしまう。もし、組織として害をもたらさなくても法を超えた存在を隔離、処分することはあり得るかもしれない。

ななみを守るために俺は一緒に逃げることを提案したのだ。

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