20. 涙 - 莢 -
私はミッチーを追いかけ、シールヒの町の中央に位置する屋敷の中に入った。
屋敷の中はフロア全体にカウンターがつながっており、それぞれ個別に窓口になっていた。
言うならば、地球の役場とあまり変わらない。
もしくは銀行とか?
どういう窓口があるかは、わからないけれど人がごった返している。
オウシュがシールヒに来たのは昨日という話だ。
そこからシールヒがおかしくなったと考えると、昨日から機関が機能していなかったことになる。
ようやく動き出したのが今なら、人が多くて当然かもしれない。
ここは海辺の町だけあってそれなりに交易がされているようで、ここには様々な人種がいた。
獣人族もいれば、耳が長い者、角を持つ者、翼をもつ者、肌の色も様々だ。
意外なのが、その割に黒髪が見当たらないこと。
黒に近い焦げ茶はいるのだけど……。
結構、珍しいのだろうか?
私はとりあえず、ミッチーの姿を探した。
するとミッチーはフロアの左端に位置する椅子に腰かけていた、不機嫌そうな顔で目を閉じている。
うーん、話しかけずらい。
さっきオウシュに言われた言葉も思い出す。
『道久の言うことも最もだから、もう少しあいつの言うことも聞いてやれ』
それを言われると、そうかもしれないと思ったのは事実だ。
ミッチーに直接言われると、どうも反抗心が買ってしまって、すぐに売り言葉に買い言葉になってしまう。
ミッチーがうるさいと思ったのは本当だけど、それだけ私を心配しているということもわかっているつもり。
ミッチーには、私が知らないところで、私が思うよりもずっと助けられてきたのだろう。
その証拠…というべきか。
おそらくだけど、地球にいた頃の私は無意識にミッチーが傍にいることを感じていて、それがいざ、周辺調査の為にミッチーが私から離れたとき、その慣れない空気に何か不安になってしまったのだろうと少し思う。
憶測でしかないけれど。
でも、心配はかけていると思ったので、謝りたいと思った。
私は勇気を出して話しかけてみる。
「あの、ミッチー」
ミッチーはというと椅子に腰かけ目を閉じていたのだが、私の声に反応がない。
寝ているのだろうか……。
私はもう一歩近づき名前を呼ぶ。
「ミッチー?」
やはり反応がない。
………さっきのさっきだから、ふて寝??
狸根入りなのか、それとも本当に寝入っているのか判断がつかなくて、私はよりミッチーに近づいた。
ミッチーは腕を組んで、顔を少し下げた状態で目をつぶっている。
スゥスゥと寝息を立てているようだ。
異世界へ来て、目が覚めてからというもの、一番動いていたのはミッチーだ。
ここへきて、一気に疲れが出たのかもしれない。
というか、異世界へきてまだ一日も絶たずに、こんなにもいろいろなことが起きたのだ。
疲れない訳がない。
一番動いているミッチーがうたた寝するのは普通だろうと思った。
ミッチーは普段、私より年上に、いやそれ以上に大人びた表情をしている。
けれど、今のミッチーは不機嫌そうな顔ではあるものの、目を閉じているその顔は心なしか無防備で、少なくとも同い年の男の子には見えた気がした。
なんとなく私は嬉しくなり、思わずミッチーの髪にそっと手を触れようと伸ばした。
「…!?」
私はびっくりした。
だって、眠っているとばかり思っていたミッチーの手が突然、私の手首をつかんだのだから。
ミッチーの顔を見れば、先ほどとは打って変わり、生き生きとした表情で私を意地悪そうに見つめていた。
「何をしようとしたのかな?」
ミッチーの質問に私は赤くなった。
私は自然にミッチーの頭を撫でたくなったのだ。
どうして撫でたくなったのか。
「サヤ、俺はおまえの弟じゃないよ。今後はそういう行動を慎め。俺が勘違いするから」
ミッチーは一転変わり、いたく真面目な表情で言った。
それは厳しさも優しさもない、少し距離を置こうとしているようで。
そう、なぜ撫でたくなったのか。
トーヤにするようにミッチーの頭を撫でたくなった。
ミッチーも私の中では弟のようなものだ。
だから頑張って疲れたミッチーを労わりたいと思って自然に手が動いてしまっていた。
駄目だった?
私が不安げな表情をしていたのだろう。
それを見て、ミッチーは薄く溜め息をつく。
すると掴んでいた私の手首グイと引き、場所を交代するように私は座らされ、ミッチーは私の前に立った。
そして私の頭をポンポン叩く。
「俺はサヤが好きだと何度も言っているんだから気付いて欲しいんだけど。ようするに、俺のことを異性として好きだから撫でてくれるならそれは嬉しいが、弟としてならやめてくれってことだよ。………何を説明させるんだ、アホ」
ポンポン叩かれていた頭は最後の言葉と共に、ぐしゃぐしゃにされる。
「いいかげん、弟の認識やめてくれるかな、サヤさん?俺もっと積極的になっちゃうよ?」
今度は私のぐしゃぐしゃになった髪の毛を直すように撫でながら、そう言って見つめてくる。
ミッチーの瞳は、私を貫くように鋭くそしてなんだか熱い。
私は身体の真が一気に熱くなっていくのを感じた。
多分さっきより頬が真っ赤だ。
でも視線がそらせなくて、でも何を言っていいのかわからなくて、口をパクパクしてしまった。
そんな様子にミッチーがフッと笑う。
「いいよ、今は何も言わなくて」
片膝をつき、私の髪の人房を取り、口付けをするミッチー。
口付けをしながら浮かべるその笑みはすごく優しく、でもなんだかゾクリとする。
地球にいた頃は知らない、ミッチーの顔。
「サヤが『色恋沙汰は一切受け付けません』って言っていたし、今は一応一線は引いておくよ。でも俺、健全な男の子だし?抑えられないときは勘弁な」
ミッチーは無邪気にそう言った。
口調は軽かったけれど、言葉は本気だ。
………抑えられないときって。
不意にミッチーがサッと身を引いた。
「道久、俺が許せないな、それは」
オウシュがいつの間にか来ていた。
「お前だってそういう気持ちあるだろ?…俺がさせないけど」
二人は睨み合う。
アウアウアウゥ。
もうなんだかよくわからない、やーめーてー。
なんだか泣きたくなってきた。
すると私にとっては天の声が降ってくる。
「はいはい、二人ともその辺で。サヤが固まっているよ」
トーヤが遅れてやってきたのだ。
「……しょうがないだろ。サヤはこのくらいしないと、救済終わっても何も変わらないだろ。なぁ、オウシュ」
「そこは同感だな。サヤは初心でかわいらしいのだが、少々過ぎるところもある。少し慣らすくらいで丁度いい。救済が終わるまでこちらは待つんだ。その位いいだろう」
やだ、この男二人。
トーヤは私に同情するような視線を送ってくる。
私は助けを求めるように見つめたが、首を振って返された。
裏切り者ー!
私から視線を外し、トーヤが道久に問いかけた。
「それで道久、ここで何を待っているんだ?」
「ん?ああ、冒険者の申請が通るのを待ってたんだけどな。でも多分今日中は無理かな、これは」
冒険者!?
私は思わず目を輝かせてしまった。
ファンタジーと言えば、冒険者!
私の表情で察したミッチーが答える。
「そう、サヤが好きそうな冒険者。俺達身分証明も何もないだろ?旅人でもいいけど、どうせなら冒険者登録くらいしといて損ないかなと」
そう言ってトーヤを見る道久。
「うん、確かにそれはしておくといい。今後どうするかによってはお金が必要になる。救済しながらお金を貯めるのにはちょうどいい。救済が終えるくらいまでは俺のお金もあるけれど、二人は俺に頼り切るのも嫌なんだろ?それに冒険者に登録しておけば身分証明にもなるから、町や市へ入るときなどの検問に役立つと思う。実を言えば、不正に行くのは簡単なんだけど…」
そう言って私をチラリと見るトーヤ。
「不正はサヤ好きじゃないだろう?」
私はうなずく。
トーヤは笑顔を私に返し、言葉を続ける。
「俺もその時代その時代で登録していたんだ。本当なら今回のサヤの時代として地球へ来る前に登録してお金稼いでおいたんだけど、それよりも若返っちゃったから再登録かな」
少し遠い目をしながら「10歳くらい見た目年齢違うからなー」とつぶやくトーヤ。
そんなトーヤにオウシュは問いかけた。
「それじゃ、お前の金はギルドへ預けて返ってこないというわけか?」
苦笑いしながらトーヤは答える。
「その通り。サヤを迎えに行くときにある程度の資金は持って飛んだから、その分は持っている。当面は全く問題ないよ。ただいろいろ考えるとね、あるに越したことないから」
「……面倒くさいな」
眉をしかめ、つぶやくオウシュは私を見て言う。
「とっとと救済したいなら、不正くらい何でもないだろう。固いこと言うな、サヤ」
うぉ?私に矛先移った。
「いや、だって、ダメだよ、不正、絶対」
「救済の方が大事だろ?」
「そうだけど、その為に悪いことしたら、本末転倒じゃない?」
「些細なことだろ」
「ダメよ」
「バレなきゃいい」
「だからそういう考えがダメだってば」
「金なら俺がやろう。地位も与えられるぞ」
「いやよ、お金とか地位の問題じゃない」
「ふーん、そうか……要するにサヤは冒険者になりたいのか?」
あ、あれ?不正とかの話は?
戸惑いながら私は答える。
「え?いや、なりたいけど、そういうことじゃなくて…」
「やっぱり、なりたいのだな。サヤの世界はそういう者はいなかったのか?」
「えっと……いないよ、物語は本でいろいろ読んだけど」
「サヤの世界は興味深いな。今度ゆっくり教えてくれ」
「う、うん」
あ、あれれ?
「はいはい、そこでおしまい。ってか話が反れてんだよ。オウシュ、進まないからからサヤで遊ぶな」
そう言ってミッチーはオウシュを睨むも、オウシュはクスクス笑っている。
いつの間にか、私は遊ばれていたらしい。
もうやだ。
こちらへ来てからというもの、周りに振り回されてばかりいる気がする。
私、こんなだったっけ?
思わず涙目。
「ああ、すまない、サヤ。泣かせるつもりはなかったんだが…」
「な、泣いてない!」
そう言って、立ち上がる私を、すぐにトーヤがなだめて座らせた。
「落ち着いて。冒険者は登録するよ。ただ今日は無理そうだから申請書だけだして、早朝にでも取りにこよう。今日は宿をとってシールヒに泊まろう。それでいいんだろ?」
トーヤがミッチーに目配せる。
「そういうこと。3人分の申請は出しておいた。後は早朝伺うことも言ってある。とりあえず用は済んだから出よう。さすがに腹が減ってきた」
そういうミッチーに同調するかのようにオウシュが言う。
「そうだな、どうせならうまい酒を飲もう。道久、おまえ買ってこい」
「なんで俺が買ってくるんだよ、俺一応未成年なんだけど」
「そっちではそうなのか?ここでは飲酒してもいい歳だぞ。だから買ってこい」
「え、そうなの?んじゃ飲むかな。……だから、買ってこいじゃなくて、そもそも俺に銘柄とかわかるわけないだろ」
「んー、アヤメは使いに出しているしな……。しょうがない。昨日行こうとした店がある。そこへ行こう」
「始めからそうしろよ」
そう言って二人はさっさと行ってしまった。
私はその姿をポカンと見つめる。
「あれ?あの二人いつの間に仲良くなったの?」
「仲良いね。本当、オウシュは馴染んでいるね」
私の疑問に、穏やかな声でトーヤは言った。
そう、地球にいた頃、3人でいるときは仲が良いけど、他者が入るとギクシャク……というと多少語弊があるけれど、馴染むことはなかった。
でも、オウシュは違和感なく馴染んでいる。
不思議だ。
「サヤはどうする?二人について行くかい?」
「んー、あの二人で食事とかちょっと……」
何されるか、正直不安だ。
さっきも遊ばれてたようだし。
「トーヤは?」
「俺は先に宿の手配をすることにするよ。町が混乱した後だから、一応早めに動いていた方がいいかもしれないからね。サヤに野宿はして欲しくないし」
「野宿くらい平気よ?」
「初日だし、気持ちの問題だよ。いつかそういう機会もあるだろうけど、今日は宿でゆっくり休もう」
そう言って、トーヤは私を外へと促した。
私はトーヤに付いて行くように歩いて行く。
少し人気がなくなった場所で私はトーヤに声をかけた。
疑問があったのだ。
「ねぇ、トーヤ」
「ん?」
「私、救世主としてこちらへ来たけどまだ何かしたように思えない。こんなにゆっくりしていて大丈夫なの?」
私は異世界へきたら、もっと大変になるかと思っていた。
でもそれは全然違って……。
なんというか、別の意味では翻弄されて大変だけど。
いや、今はそういうことじゃなくて…。
先を歩いていたトーヤが振り向き、笑顔で応える。
トーヤはコチラにきて、本当笑顔を見せるようになった。
「サヤは十分、救世主を果たしているよ。そもそも俺達が飛ぶ先は世界の中でも最も闇の濃い場所に設定されていたんだ。だから今日サヤが浄化した闇の化け物や直した聖闇球、治療した村人達は、一番危険な場所に位置していたことになる。そこを正したのだからそれでいいんだよ」
「で、でも、他の場所は?他の人たちに危険は?」
「……そうだね、危険かもしれない。けど、一番危険な場所があれくらいだからそこまで急ぐこともないと思う。サヤ、そう気負わなくても大丈夫だよ」
私は黙ってしまった。
けれど、トーヤと出会った日からずっと待ち構えていた異世界だ。
拍子抜けしてしまうというか、これでいいのかと、どうしても思ってしまう。
「思っていたより、闇の侵食具合がひどくて聖闇球が壊れていたのは事実だよ。でも他の聖闇球はそこまでの壊れ方はしていないと見ていい。ただ、こういう壊れ方は過去にしたことないからね。安全策をとって人が近くに住む聖闇球を先に回っているんだ」
不安気な表情の私をトーヤはそのまま言葉を続ける。
「壊れた聖闇球を放っておいては、人はもちろん生きるもの全てが危ない。逆に闇の神殿周りは生物自体少ないから、まだ放っておいても影響はでないだろう。仮に今、闇の神殿の装置ルチレイティに力を注いだとしても、壊れた聖闇球を治すことにはならないから、生き物への危険がなくならない。だから優先すべきは聖闇球だよ」
そうかもしれないけれど、だったら……
突然トーヤがフッと笑った。
「ごめん、笑って。いや、サヤはなんだかティアを思い出して」
「ティア?」
「うん、ティアもそうやって一度決め込んだことは僕やスクナが言ってもちっとも言うことを聞いてくれなくて、それで一人で悩んだりすることが多かったんだ。サヤよりも落ち込み具合ひどかったけど」
………ティアって女神なのよね。
トーヤの話すティアは普通の女の子みたいだ。
スクナ…、スクナって神鬼の祖先のこと?
「あの時の俺は何もできなかったけど、今ならいろいろサヤを慰められるなと思ったら、なんか嬉しくなってね」
そう言うトーヤは嬉しそうだ。
「話が反れたね。うーん、俺が何を言ってもサヤは不安なんだろうな。俺の中ではとりあえず危険は去っているのだけど」
話を戻したそうそう、トーヤは何やら悩みだした。
「あまり言いたくなかったけど………。サヤが悩むよりいいかな?………うん。俺はね、サヤ。この世界コムドットと繋がっているようなものだからわかるんだ」
「繋がっている?」
「そう、俺はティアから作り出された闇のユニコーン。そしてサヤを迎えに行く為の案内者。異世界も含めた世界を飛ばないといけない身だから、きちんと帰ってこれるようこの世界と繋がれている。さすがにこの世界は広すぎて細部まではわからないけれど、闇によりすごく危険になっているような場所は感じることができる。でも今この瞬間にそんな場所はないよ」
「危険ではないの?」
「闇の化け物が出るというところまでは行っていないのは確実。ただ、多少なりにも壊れている可能性があるから、サヤの気に充てるなりして直さないとだめだろうね」
あ、そういえば…
「私、さっき聖闇球に行ったのに、何もしなかったわよ?」
「うん、それは大丈夫だった。さすがに何かあったら声かけていたよ」
にこやかに答えるトーヤ。
………私、情けない!
ヒュリヤに気をとられていたとはいえ……。
そう結局のところ、救世主として使命を果たさなきゃと気負いつつ、その実態は救世主としての目的の一つである、聖闇球のことを全く忘れていたのだ。
こんなこと口にする権利もないわー!私のバカ!!
思いっきり自己嫌悪に浸っている私に、突然トーヤが笑い出した。
びっくりしてトーヤを見ると、本当に愉快そうだ。
「ハハハハ、ごめん。俺さ、トーリヤータとトーヤが一つに融合したよね。前ならわからなかったサヤの感情が今だとすごくわかるから………」
そして言葉を詰まらせた。
多分、言っていいのか迷っているのだろう。
言っていいよとばかりに、私は頷いた。
ここまできたら、聞かないと気持ち悪いじゃないか。
「道久の気持ちわかるかも。サヤって面白い」
うん、予想していたよ。
そうだね、つまりあれだね、トーヤも私を単純バカと思うんだね。
………いいや、もう開き直ろう。
私はこういう役回りということに腹をくくろう。
もう、救世主とか、なんだとか難しいこと考えるのやめよう。
自分らしく生きてやる!
私はキッとトーヤを一瞬睨み、先にいたトーヤを追いこし歩く。
そして八つ当たり気味に言う。
「宿はどこ?私わからないんだから案内して!どうせならきれいなところー!!」
「うん、サヤ。それでいいと思うよ。それでこそサヤ」
それってどういう意味よと突っ込みたい気持ちを抑え、私は足早に歩く。
もう、今日は怒るのに疲れた。
精神的な疲労感。
早くご飯食べて眠りたい。
そうして宿屋を探し歩く私達の元へ、突然現れたアヤメさん。
若干疲れを感じさせる表情で「宿はとっておりますので、こちらへ」と案内された。
そこはシールヒで一番の宿らしく、トイレにシャワーお風呂付。
夕飯も1回の食堂で食べることができた。
私は早速トーヤと夕飯を食べ、お風呂に入ってすぐに眠った。
帰ってこないミッチーとオウシュなんて知りません。
******************
私はその晩、夢を見ていたようだ。
なんだか、苦しく、悲しく、切なく、そしてあれは……。
朝起きると、内容は全部忘れていたからわからないけど。
あれは、
「ティア?」
私は自然にその名をつぶやいた。
内容はわからなくても、その感情は生々しく残っていた。
こんな感情は知らない。
起きたとき枕がぬれていて、びっくりして鏡を見れば、涙の跡もあった。
ティアが私と同じ魂と言うのなら、ティアは結局私と同じことを考えているんじゃないだろうか。
だから、この涙はきっと、そうなんだろうと思う。
あなたも、トーヤを助けたいんだね。
そう心に問いかけたけれど、答えは返ってこない。
助けたいんなら、協力しなさいよ。
あなた、女神なんだから。
私はそう心に文句を投げつつ、ベッドから起き上がった。
お読み頂きありがとうございます。
ここまで毎日更新をしておりましたが、今後、毎日の更新はできません。
楽しみに読んで頂いている方、大変申し訳ありません。
完結までなるべく日にちが空かないよう頑張りますので、気長に待って頂けると嬉しいです。
活動報告にて、進行状況など掲載しますのでそちらをお読み頂けると幸いです。
また、感想等も受け付けております。
どうぞお気軽にお寄せ下さいませ。
「○○が好き」など一言でも言ってもらえると、より頑張ります。
今後ともよろしくお願い致します。
※道久が寝ている際の表現に矛盾点と誤字があったので修正(9/17)
※後書きの言い回し変更(9/20)