第三話:少女の物語
リュックの告白に動揺を隠せないユウナ。これから一体どうなるのか・・・
潮風が爽やかに通り海はガラスのように透き通っていた。
雲1つない快晴の日海岸では、ビサイド・オーラカが朝の練習を行っていた。
ユウナとリュックは港で話した後その海岸ゆっくりと歩いていた。
ユウナの顔はどことなく寂しそうな顔をしていた・・・・。
ビサイド・オーラカのメンバー達がユウナに気づいた。
「ユウナ様ぁ!!」オーラカのメンバーは一斉にユウナの所へ駆け足で向かってきた。
「練習熱心ですね。」ユウナの表情はさっきと一転してそこには笑顔があった・・。
オーラカのメンバーは照れを隠せず顔を真っ赤にしていた。
「おーい、まだ練習は終わってねぇぞ!」
海から出てきたワッカはオーラカを叱る声で呼んだ!
これにはオーラカのメンバーも真っ赤な顔が真っ青になりダッシュで練習に戻った・・。
「ねぇねぇ、ワッカってオーラカのコーチだったの?」
リュックはユウナに問いかけた。
「・・・シンを倒す旅の途中にね・・・ルカで大きな大会があったでしょ?」
「その大会を最後の試合って決めてたの・・それが終わったら私のガードに・・・。・・でも・・シンを倒したからまたブリッツもできるんだよね・・・。」
リュックはユウナの顔を一瞬見てみた・・そこには一筋の滴が流れた・・・。
「うんうん、あの時はごめんねぇ〜。オヤジがどーしてもユウナの事をさらうって聞かなくてさぁ!」
リュックはユウナを気にして楽しそうに昔の話を謝罪した。
ユウナはリュックに気を使わせていると思い・・・・
「ううん、気にしてないよ。」ユウナは楽しそうに振る舞い続けた・・・・。
その後、2人はルールーの家へと向かった。
「たっだいま〜♪」軽快な言葉にルールーはリュックだとわかった。
「おかえりなさい」ルールーの表情には普段どうりで得意のスープを作っていた。
「ただいま。」ユウナはルールーの方を少し見ると棚の上に大事に置いてあるブリッツボールに目線がいった・・・。
その後三人で昼食を取りルールーはワッカに用事があると海岸へ向かった。
リュックはその間村の子供と遊び、キマリは何処か1人で行ってしまった。
ユウナは棚のボールを取ると優しくささやいた。
「・・・シンが消えて・・・キミがいなくなって・・・みんな・・自分の道を・・・物語を・・・・私の物語って何だろう・・・」
その言葉の想い・・・・ユウナの悲しみはまだ心に残っていた・・・。
一方ルールーはワッカに会いに海岸へ行った。
「おう、ルー!」ワッカは軽く手を上げ落ち着きがない
「それで?一体何?」ルールーの率直な質問にワッカは戸惑った表情をして落ち着きがなかった・・。
「・・・もう一度・・・ブリッツやってみようかと思ってよ・・・。」
ワッカはそう言うとルールーの顔をチラチラと何度も見た。
「はぁ・・・やっぱりね」ルールーは既にワッカの心が読めていた。
「ダメ・・・か?」ワッカの顔に元気がなくなり声が小さくなっていった・・。
「いいわよ、あんたに何言ったって聞かないでしょ?」ルールーは言葉ではそう言ったものの表情には隠せず優しい顔をしていた。
波の音がする中2人は少し沈黙の間を過ごした・・・。
「ルー、それとよぉ・・・・あの時何話してたんだ?」ワッカは訊ねて見た。
「あの時?・・・・・」ルールーは知らず知らずに海の方を向いてしまった・・・・。
「ほら、飛空艇でよ!ユウナと話してたじゃねぇか。」
ワッカは詳しく説明しルールーの背中を見ていた。
「あの子・・・旅に出るのよ・・・・」ルールーの声は小さくなり青々とした海を見て言った。
「た?!・・・た・・旅?!旅に出るって・・おいおいマジかよ!!?」
ワッカは何が何だかわからず激しく混乱した。
「あいつを・・・・あいつを探す旅よ・・・・」ルールーは体を回転させてワッカの方を向くと・・・
「いいじゃない、ユウナは小さい時から自分の好きな事ができずに育ってたのよ!あんたもよく知ってるでしょ?」
ルールーの言った言葉にワッカはひるんだが・・・
「そ・・そりゃわかるけどよぉ。・・・寺院はどうするんだ?あいつは大召喚士なんだぞ?そのぉ・・・なんだ・・・・」
ワッカの口数が減ってきルールーが立ち去ろうとしすれ違った瞬間・・・
「ユウナの物語はこれからよ!・・・あいつも言ってたじゃない。」
ルールーはニコニコと笑みを浮かべ海岸を後にした・・・。
「行くあてはあるのかよっ!」ワッカは走ってルールーを追いかけてた・・・・。
今回もさらに自信がなかったです!もしよければ感想ください♪これからも宜しく御願いします!