龍将対虎将
碧蹄館・六虎の戦い
碧蹄館の戦場では、殺喊声が天地を揺るがしていた。
何赤哲と宮本武蔵の決闘は続いている。剣光と刃影が絡み合い、ぶつかるたびに目を刺す火花が飛び散る。だが戦場の別の一角では、同じく息を呑む激戦が始まっていた——
六天大虎王将のうち、四人が同時に姿を現したのだ。
長方天吉は恐ろしい狼牙棒を振るい、馬にまたがって明軍陣へ突撃する。背後には数千人の精鋭たる織田残兵が従う。納塔から敗走したばかりだが、士気は依然として高い。
「李宝桐!」彼は咆哮した。「出てきて死ね!」
言葉が落ちるや否や、擂鼓甕金槌が斜めから襲いかかり、空を切る風切り音を立てる。長方天吉は慌てて棒で受け止め——
「ゴォォン——!!!」
耳をつんざく大きな音が響き渡った。長方天吉の虎口は裂け、血が手首を伝って流れ落ちる。愕然と顔を上げると、上半身を裸にした屈強な男が歯をむいて笑っていた。
李宝桐である。
彼は鎧を脱ぎ、古銅色の胴体には無数の傷痕が縦横に走る。一対の擂鼓甕金槌は彼の手の中では羽根のように軽やかだが、振り下ろすたびに山岳の重みを宿す。
「待っていたぞ!」李宝桐は狂ったように笑う。「来い!大明の鉄槌を味わえ!」
長方天吉は歯を食いしばり、狼牙棒を横に薙ぐ。李宝桐は退かずに前に出て、両槌を同時に振り下ろし、棒と真正面にぶつける。
「カンカンカンカン!」
連続する衝突音は雷のように轟く。周囲の兵士たちは次々と後退し、死の領域に近づこうとはしない。李宝桐の古銅色の肌は陽光に照らされ、汗が筋肉の溝を伝い、血に染まった大地へ滴り落ちる。
「痛快だ、痛快だ!」彼は高らかに笑い、槌を勢いよく振るう。「これほど多くの一撃を受け止められる相手は、長年戦って初めてだ!」
長方天吉の腕はしびれきっていた。これほど恐るべき膂力の敵に遭ったことはない。槌の一撃一撃が内臓まで震わせる。だが退けない、退けば死だ。
「討て!」彼は絶叫し、狼牙棒を乱舞させる。
二人は死闘を繰り広げ、血が飛び散る。
戦場の別の場所では、茗琅の斬馬刀と斎藤岳然の大刀が絡み合う。
斎藤岳然は六天大虎の中で膂力に定評のある猛将で、八十斤もある大刀を草のように軽々と操る。一太刀で人を真っ二つにできる。
だが茗琅の斬馬刀はより長く、重く、猛かった。
二本の大きな刀がぶつかるたび、目を刺す火花が飛び、周囲の空気が震える。斎藤岳然の虎口は裂け、血が柄を染める。茗琅の唇からも血が溢れるが、瞳の闘志はますます燃え上がる。
「剣術は悪くない」茗琅は冷ややかに語る。「だが、まだ足りない」
斬馬刀を横に薙ぐ。斎藤岳然はやっとの思いで受け流すが、三歩押し戻される。
「再来!」
曲首鴿の陌刀と雑賀炳潤のボルトアクションライフルが奇妙な睨み合いを見せる。
雑賀炳潤は六天大虎の中の名射手だ。その銃はポルトガル人から大金を出して買い求めた逸品で、銃身には煌々と輝く銃剣が取り付けられている。遠距離から狙撃できるだけでなく、白兵戦にも対応でき、戦場で最も危険な存在の一人である。
だが曲首鴿の一丈の陌刀は、まさにこの銃を抑えるのに適していた。
「バン!」
雑賀炳潤が引き金を引いた。弾丸は風を切り、曲首鴿の顔面へ飛ぶ。
曲首鴿は首を傾け、弾丸が頬をかすめて血珠を散らす。足を止めず、陌刀を横に振り、雑賀炳潤を後退させる。
「バン!バン!バン!」
さらに三発が放たれる。曲首鴿は幽霊のように身をかわし、弾丸はすべて空を切る。彼の陌刀はすでに眼前に迫っていた。
雑賀炳潤は歯を食いしばり、銃剣を構えて迎え撃つ。
刀と銃がぶつかり、火花が飛び散る。
最も熾烈な戦いは、宋征儀と直曲川葛の間で繰り広げられていた。
直曲川葛の鉄拳套が陽光の下で冷たく輝く。彼の拳法は鋭烈無比で、一撃で石碑を砕くほどの威力を持つ。身のこなしは稲妻のように速く、戦場を自在に駆け回り、敵を翻弄する。
だが宋征儀の双刀は、さらに速かった。
二本の刀は銀色の蛇のように直曲川葛の周囲を舞う。その剣術は精妙を極め、ありえない角度から刃を突きつけ、直曲川葛にたびたび回避を強いる。
「カンカンカンカン!」
鉄拳套と双刀が連続して衝突し、火花が舞う。直曲川葛の顔には、刃で切られた新しい傷がいくつも増えていた。
「なぜだ?」彼は急に口を開き、しわがれた声で問う。「罠だと知っていながら、なぜ来た?」
宋征儀の刀が一瞬止まる。彼は直曲川葛の瞳をじっと見据え、ゆっくりと語った。
「我々に選択肢などないからだ」
直曲川葛は呆然と立ち尽くす。
宋征儀の双刀が再び襲いかかり、戦いながら続ける。
「背後に何があるか知っているか?遼東、大明、我々の故郷だ。両親、妻子、同郷の民がそこにいる」
刀の勢いはますます鋭くなり、一撃一撃に決死の殺意が宿る。
「もし我々が退けば、倭寇は一気に侵攻してくる。家を焼き、民を殺し、穀物を奪う。朝鮮でやったように、納塔でやったように」
直曲川葛の拳法は乱れ始める。浮羽湾で虐殺された民、首を酒盃に加工された人々の光景が脳裏に浮かぶ。
「だからここに立たねばならない」宋征儀の声は鋼のように固い。「罠だと知っていても、死ぬと分かっていても、この線を守らねばならない。背後には大明、千家の灯火、民があるのだ!」
二本の刀を同時に振り下ろす。直曲川葛は必死に転がってかわす。
「退く道などない!」
少し離れた場所で、何赤哲は宋征儀の言葉を聞いた。宮本武蔵と激闘し、双剣と刃がぶつかり合う中、唇に微笑みが浮かぶ。
「良い言葉だ」彼は大きな声を上げ、戦場全体に響かせる。「諸君、聞いたか?背後には大明、千家の灯火、民がある!退く道はない!」
「退く道なし!」五千の明軍が一斉に怒号する。
「ならば、いっそ勇猛に戦え!」何赤哲は双剣の動きを急加速させ、宮本武蔵を一歩後退させる。「この倭寇どもに、大明の魂を見せてやれ!」
「討て!」
五千人の叫びが天地を轟かせる。
李宝桐の槌はさらに激しく振り下ろされ、長方天吉の狼牙棒に亀裂が走る。
茗琅の斬馬刀はさらに鋭く振り下ろされ、斎藤岳然の大刀の刃は欠けていく。
曲首鴿の陌刀はさらに速く突き出され、雑賀炳潤は銃弾を撃ち尽くし、銃剣だけで苦戦する。
宋征儀の双刀はさらに疾く舞い、直曲川葛の鉄拳套には無数の刀傷が刻まれる。
戦場では、五千の明軍と七万の日本軍の死闘が最高潮に達する。大地は血に染まり、死体が山をなす。だが明軍の闘志は衰えず、むしろ高まる。誰もが目を血走らせ、生死を忘れて戦う。
背後に大明があるからだ。
それは彼らが守らねばならない故郷だ。
夕日が沈み、碧蹄館を血のような紅に染める。
戦いは、まだ続いている。




