表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は世界のバグを修正する  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

372/372

シーン8 レティシアの異常(核心)

闘技場。


 


世界の修正は進んでいる。


 


空のルーンが回転し、


構造が書き換えられ、


歪みが一つずつ消えていく。


 


 


他のすべては、


制御下にあった。


 


 


騎士団は“役割”として動く。


 


魔導院は“処理”として詠唱する。


 


観客は制限され、


参加者は停止している。


 


 


思考は鈍り、


行動は遅れ、


意思は通らない。


 


 


世界が優先されている。


 


 


だが――


 


 


レティシアだけが、


違っていた。


 


 


彼女は立っている。


 


自然に。


 


 


足も、


視線も、


思考も、


 


遅れていない。


 


 


(……動ける)


 


 


一歩。


 


 


踏み出す。


 


 


何の抵抗もない。


 


 


空気も、


流れも、


 


彼女を止めない。


 


 


周囲との違いが、


はっきりと分かる。


 


 


止められている世界と、


止められていない自分。


 


 


(かかってない)


 


 


制限が、


適用されていない。


 


 


拒否されているのではない。


 


 


“対象外”。


 


 


 


彼女の視界。


 


 


ルーンが見える。


 


 


空の構造。


 


地面の魔法陣。


 


魔導院の詠唱。


 


騎士団の動き。


 


 


すべてが、


一つの流れとして繋がっている。


 


 


(修正してる)


 


 


順序。


 


接続。


 


優先順位。


 


 


世界そのものの処理。


 


 


それが、


“読める”。


 


 


 


さらに。


 


 


その奥。


 


 


自分の魔法。


 


自分の処理。


 


 


それも同時に存在している。


 


 


消えていない。


 


 


上書きされていない。


 


 


 


(……まだ動いてる)


 


 


彼女の中で、


別の流れが走っている。


 


 


最短式。


 


同時処理。


 


完全制御。


 


 


世界の修正とは別に、


もう一つの“処理”が存在している。


 


 


 


その瞬間。


 


 


表示が浮かぶ。


 


CONTROL CONFLICT


 


 


レティシアの視界だけに。


 


 


世界の処理。


 


彼女の処理。


 


 


二つが重なる。


 


 


同時に走る。


 


 


干渉する。


 


 


だが、


止まらない。


 


 


どちらも。


 


 


 


(……重なってる)


 


 


彼女は理解する。


 


 


これは対立ではない。


 


 


単純な衝突でもない。


 


 


 


“同時実行”。


 


 


 


本来なら、


あり得ない状態。


 


 


世界は一つの流れしか許さない。


 


 


優先順位が決まり、


上位が下位を上書きする。


 


 


だが今。


 


 


それが成立していない。


 


 


 


世界が修正している。


 


 


同時に。


 


 


彼女も制御している。


 


 


 


どちらも、


止まっていない。


 


 


 


空のルーンが回る。


 


 


魔法陣が再構築される。


 


 


古代層が閉じていく。


 


 


 


それでも。


 


 


レティシアの中の流れは、


消えない。


 


 


 


(……消されてない)


 


 


その事実だけが、


異常だった。


 


 


 


表示がもう一度、


強く点灯する。


 


CONTROL CONFLICT


 


 


それは警告ではない。


 


 


状態の宣言。


 


 


 


世界と、


一個人が、


 


同時に“実行主体”になっている。


 


 


 


あり得ない構造。


 


 


 


そして――


 


 


それを可能にしているのが、


 


 


彼女自身だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ