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武闘派作家の取材記録〜悲劇の虚構救者〜  作者: 鍵男
1章、天文台の聖女
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5話「グラン・ギニョール・パ・パルフェ」

初めて戦闘があります

ハンクは殺されると宣告されながら冷静だった、なぜならこのような修羅場など何度もくぐって来ていたからだ。とはいえ今までとは違い、聖女曰くハンクの死は確定しているらしい。


ハンクはその日いつも通り過ごした。助手と会話しながら、銃のメンテナンスをした


ハンクの銃は、珍しいものだった。銃そのものが珍しい、取り回しこそいいがいまだ登場したばかり、やっと実用的なレベルになってきたところだ。ハンクはその携帯性を気に入って使っている、あと新しいものが好きだった。いまだ世界はクロスボウや剣での白兵戦が主流だ。


ハンクの銃は”二連式フリントロックピストル”といういわゆる先込めの銃だ。


ハンクはメンテナンス手順を思い出しながら間違えの無いよう慎重に行った、何せこの銃を使った初の戦闘になるかもしれないのだ。


着火するための火打石はちゃんと機能するか。銃身には何か詰まっていないか....ハンクは一つずつ確認していく。


最後に火打石を固定し、銃身に火薬と弾をつめる。火皿に着火用の火薬を置き、フリズンで落ちないように蓋をする。そしてそれをもう一つ隣につく銃身にも行う。




「ねぇハンク、それ戦闘中にできんの?」


隣でずっと見ていた助手が簡単そうに声をかける。一方ハンクは難しそうに答える。


「まぁ、できんだろうな、撃ったら多分終わりだ。だから右の弾だけは残しておく」


おそらく不慣れなハンクでは戦闘中二発ともリロードしようとしたら二分はかかるだろう。戦闘中に冷静さを保つという点においてはハンクは優秀かもしれないが、単純に銃のリロードに慣れていないのだ。







ハンクは銃のリロードが終わりいつもの服の襟を正す、一方助手はいつものワンピースをポンポンと埃を掃う。それらの行動はいつものことかの様に静かで焦りなど微塵も存在しなかった。


「さて、聖女様の説得に向かうとするか」


日が落ちるころ、ハンクたちは部屋を出た

___________________________


二人は静かな廊下を歩く、その静けさは耳鳴りを発生させるほどだ。いやなほど二人の靴音が響く、その音は広いホールに伝わり大きくなる。



しばらく歩くと人の気配に二人は気づく。二人はこの天文台のなかで目的地など決めていなかった、ただ部屋を出て歩けば向こうからやってくると知っていた。なぜなら相手はすべて未来が見える、ハンクの死はもうすでに決まっているらしい。さればその宿命は自然と二人を引き合わせる。



中央の大きなホールには多くの人がいた、多くはただの住民だろう。その中心先頭に聖女。腰には小さい望遠鏡をぶら下げている。彼女の指示によって彼らは集まり戦うのだ、ハンクを殺すため。


彼女はこの街で相当信頼されているのがわかる、三十年リーダーを努めてきたのだ、当然ではある。しかし彼女のカリスマも真であろう、未来視や実績だけでなりあがったのではないのは彼らを見ればわかること。





「聖女さん、こんばんは。わざわざお出迎えかい?」

ハンクは冗談めかして言う


「前にもこんな会話をしましたね」


「俺はあの時の君の瞳が忘れられない」


「何のことでしょう、まぁ貴方はこれから死にますが」





聖女は自分の後ろの人々をちらりと見てまたハンクに話しかける


「彼らは私の言うことが絶対です、」

ー事実ですが。

と付け加え、続ける



「貴方から見た私はさながら傀儡子ですか?」



「いいや」



「おや、では代弁者ですか」



「君も傀儡だ」





場は緊張に包まれている、一触即発。聖女が指示を出せば、後ろの男たちはハンクをクロスボウで貫くだろう。一方ハンクもいつでも遮蔽物に隠せるよう、走り出す準備はできている。




ハンクが言葉を考え、続きを言いかけたときだった













ーーそこに一人の男が飛び出す



「ま、まってくれ!」






「アストライオス......?」


ハンクは吐きかけた言葉をさえぎられ、聖女はなぜか予想外な顔をしていた



アストライオスは言葉を選び詰まりながら、しゃべりだす。


「ほ、本当にハンクさんを殺さないといけないといけないのか...!」


聖女はあきれ顔で答える

「何を今更,,,もう決まったことです、何をしようとあのアポステイトは死にます。見えた未来は変わりません」


「か、彼は悪いことは何もしていません...!」


「アストライオス、その通りです、しかしこの街にポラリスの導きは欠かせません。街のために、申し訳無いですがあのアポステイトには死んでもらいます」


「これが私と北極星の選択です」



アストライオスは一歩前に出て言う、もう迷いは無い。

「北極星は知りませんが、私は言いたい。」



「何をですか、アストライオス。」



「聖女様、貴方は今辛そうな顔をしている。それも触れれば壊れてしまいそうな」


「貴方の光が街のため砕けるのなら私はこの作家と共に貴方を止める」



ハンクには辛そうな顔になど見えていなかった。


聖女はその言葉に迷ったがそれは一瞬、その後は冷酷に言葉を紡ぐ。


「では、貴方にも死んでもらいます。昔馴染みでの容赦はしません」







聖女は手を振り、後ろの人々に指示を出す

「あのアポステイトどもを撃ちなさい!」






「チっ.....!」


ハンクはアストライオスの腕を乱暴に引っ張りホールの廊下の一部屋に転がり込む。助手はもうとっくにその部屋に入っていた。

扉を閉める


自分たちのいた位置を無数の矢が空を切る。


「どうする?」

助手が問う


袋小路だ、窓はない時期聖女たちはこの部屋に乗り込んでくる。普通なら詰みだ、しかし....


「どうもこうもない、正面突破しかないだろう。幸い相手は素人に見える。」


ハンクは歴戦の戦場帰りだった









「奴らが扉に近づくタイミングでこっちから打って出る。不意を衝くぞ」


ハンクは冷静だ、なんならいつもより頭が働いている。ハンクは扉に耳を当て足音を聞いている。銃を抜き、扉をいつでも開けられるよう手を当てている。


「近接武器二人、クロスボウが複数後ろに続いてるな」



アストライオスは聞きたいことも、説明したいことも、謝りたいこともあったが、声をかけられる雰囲気ではなかった。



刹那、足音が扉の前で止まった。

ハンクの全身に緊張が走り、一瞬で部屋が火薬のように張り詰める。





次の瞬間、扉が弾けるように開く。

「なっ――」

驚いた男の言葉より早く、閃光と轟音が走った。弾丸は腿を撃ち抜き、男は崩れ落ちる。

その胸倉を掴み、後方でクロスボウを構える敵兵に投げつける、前列の敵兵が倒れる。

ハンクにとってラッキーだ、まとめて二人が倒れた。


「鉄は毒だ、終わったら摘出しろ」


言ってる途中、遅れて迫る短剣の手首を左手で掴み、銃のグリップで持ち主の頭を強打。脳震盪は起こせたと確信する。


殴った銃身からは煙がゆらゆらと立ち上る。一瞬の出来事だった。嗅ぎなれない硝煙の香りと深い煙が廊下に漂う。


狭い通路で後続は撃てない。だが、それも後列だけだ。

前列は体勢をすぐ立て直し、またクロスボウを撃ってくる――。






この猶予、ハンクは考える、一瞬の後答えは出た。


「殲滅だな、このままでは逃げることもできん」






ハンクは駆け、後ろに突っ込む、彼らはまだ一発もクロスボウを撃っていない。早く対処しないと、危険だ。助手をもう一度失うのは絶対に許されないことだった。



ハンクにとって意外だったのはクロスボウ部隊は接近戦闘になった時何もできなかったことだ。ハンクは一人ずつ頭を殴り、気絶したものから盾にしつつ、殲滅した。

_____________________________________



ホールにはもう聖女はいなかった、あるのは八体の気絶した敵と、ハンクたちとアストライオスだけだった。


「どうするか....」

ハンクは殲滅した後、聖女がいないことなど考えていなかった。聖女を説得できると思っていた。


そこでアストライオスがて切羽つまって騒ぐ

「脱出しましょう!すぐ囲まれます、聖女様は今も全部見えています、今が雲がなく夜である限り。」


「信じていいな?」


アストライオスは頷く


「朝まで逃げ続ければ、何か変わるかもしれません。」




14話程度と言いましたが、もっと伸びるかもしれません。

フリントロックピストルを使いますが2発しか打てません、あとは殴る蹴るです。



次回「静寂に響く足音」

逃走は続く

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