好いことも悪いことも突然に≪前編≫
昨晩は、いつもよりも仕事の依頼件数が多くめんどくさい犯罪者狩りが多くものすごく疲れたため、今日の授業は一日寝て過ごすつもりで登校して、席について速攻寝る体制に入ったら
「流石に早くねえか」
と、大海にツッコミを入れられた。
「仕方ねえだろ、昨日は犯罪者狩りが多くていつも以上に時間を食ったんだから。その分寝ねえと体が持たねえんだよ」
眠気のイライラもあり、いつもより乱暴な口調で言うと大海は納得したような顔になり
「まあがんばれ、ばれないようにしろよ」
と、言ってどこかに行った。
机に突っ伏して少しするとチャイムが鳴ったので一時的に目を覚ますことにした。
目を開けていつも通り担任が教壇に立っていた。そしていつも通りに朝のSHRを済ませて教室から出て行った。
そして、今日は一日ホームルームから出ない一般教科の座学だけなので、再び突っ伏して寝ることにした。
どのくらい経っただろうか放送のチャイムで目を覚ました。
いつもは生徒や教師に連絡やら何やらを伝えるための放送だが、今日はいつもと違った。
「え~、大神学園の生徒諸君に次ぐ我々はこの学校を占拠した。命が惜しければ無駄な抵抗はするな。」
その放送の直後教室のドアが乱暴に開けられて、マスクで顔を隠しセオリー通りに|カラシニコフ(AK-47)を構えて教室に入ってきた。
「・・・・・・・・・」
教室内では、別にどうってことはないといった空気でざわめきを取り戻した。
「ふざけてんのかテメェらは」
テロリストの一人が、満を持して入ってきたのに悲鳴の一つすら上げないF組にキレていた。
耳を澄ませば階下の一年のA~Bクラスの方では悲鳴が聞こえるが、殺し殺されに慣れている2年のいる3階より上からは悲鳴などといったものは聞こえてこない。
「いったいどういう神経してんだ、銃を持ったテロリストが教室に押しかけてきてんだぞ。」
「自分でテロリストとか言っちゃうんだ」
俺が小声で呟くと、意外と地獄耳だったさっきからキレている方が
「うるせえ黙っとけガキが」
と、言いながらAKを天井に向かって掃射した。
流石に慣れているとは言っても、いきなり銃声を響かされてしまっては慣れていても驚いて何人かは黙ってしまった。
折角人がいい気持ちで寝ていたのに最悪な起こし方をしてくれたため、イライラはメーターを振り切ってしまい俺は仕事用のカバンに入れてあったグロッグ18をと予備マガジン3つと、いつも使っている日本刀を取り出した。
そしてクラスメイト全員に聞こえるぐらいの声で
「ちょっと遊んでくる」
と、満面の笑みで言ったら、うるさかった教室が一瞬にして静かになり前後の入り口に立っているテロリスト二人を憐れむような目で見た。
「な、何をするきだ」
「大丈夫、すぐにわかるしあんたらの仲間も一緒の所に行くから寂しくないよ」
さてと、いらない仕事でもないのにこんなことをするのだから、1~2単位くらいは欲しいな。